ふぁ~
あけましておめでとうございます。
「ふぁ~」
眠い。
昨日はジグソーパズルなんてするんじゃなかった。
しかし僕なんでキャベツのジグソーパズルなんてしてたんだ?
ほとんどが緑だったからびっくりするほど難しかったぞ。
学校でずっと起きていられるか心配だ?
いや別に眠っても大した問題にはならないんだけど。
生意気だと思われて体育館裏に呼び出されたらどうしようかという、ほとんどない可能性を考えていた。
やってしまったらしい。
起きたときに先生が立っていたのには本当にビビった。
普段の行いが良いおかげか注意だけで済んだが。
「あ~あ」
隣から面白がって僕を見る奴が一人。
その顔が妙にイラつく。
「いったいそれでどうやったら学年1位なんてとれるのかしら?」
学年2位でもすごいと思うのだが。
こいつは僕が学年1位を取ったことで妙に突っかかってくる。
それが子供のように見えるのはなぜだろうか?
「元が良いからさ」
とりあえずどや顔で言ってみた。
う~ん、ゴミでも見るような目で見られてしまった。
空気を軽くしようかと思ったのだが、僕の命の重さが軽くなった気がするのはなぜだろう?
「まあ、いいわ」
どうやら本題は別にあるらしい。
何だろう?
「お姉ちゃんのことなんだけど」
お姉ちゃんとは先輩のことだ。
姉は馬鹿なのに妹は頭が良い。
少なくとも先輩の馬鹿さは血筋ではない。
「最近やけにぼ~っとしてるんだけど」
「もともとじゃないですか」
あの人がバナナの皮で滑ったことを見たことがある。
「そうなんだけど、どうもね。顔赤くしたり、何か思い出して体をものすごくバタバタさせたりしてるんだけど心当たりある?」
ふむ。
「ありますね」
多分、プロポーズまがいのことを言った時だろう。
あの人はどうもこういう言葉には弱いからな。
「やっぱりあんたのせいか」
やれやれというように首を振られた。
だらだらと僕は体の力を抜いた。
すると人差し指を僕に向けてきた。
「責任とってよね」
「責任?」
「そうよ。お姉ちゃんがあの様子だとものすごい鬱陶しいのよ。だからどうにしなさいよ」
これはあれだろうか。責任を取って先輩を嫁に取れとかそう言うことか?
僕は別に構わないのだが。
「じゃあよろしくね」
少し小走りになりながら去ったのをずっと見ていたら、メールが来た。
先輩だ。
これも噂をすればなんとやらという奴だろうか。
『体育館裏に来て』
どうやら体育館裏に呼び出されてしまったらしい。