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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
最終章 魔王VS神
47/55

最強吸血鬼VS最強吸血鬼

 神のマナによって構成された豪奢な建物から現れた少女。

 それを見た彼、アルトゥーレの中で渦巻いた感情はなんだったのだろうか。

 怒り? 喜び? それとも悲しみ?

 否、それを言葉で表すことなどたとえ本人であろうと不可能であろう。あるいはそのすべてなのかもしれない。

 ただ分かっていることはもう一度、彼の中の最強と相まみえる事が出来るという事実だけだ。

 少女は即座に状況を理解し、複雑そうな顔をし、「そう……やっぱり彼の危惧していたことが現実になっちゃったか」とつぶやいた。

 レオンは薄ら笑いを浮かべながら少女に近づき、命じる。


「やあ、雪姫さん、早速だけど、あそこの彼と戦ってもらうよ」


 雪姫は諦めに近い表情を浮かべながら、「やっぱり、術者の命令は拒否できないみたいね」と答える。

 目線を変えて、彼を見つめるユキ。

 アルトゥーレ・ルシファー、まさかこんなかたちで再開することになろうとは……つくづく自分は運命というものに嫌われてるな、と感じる雪姫だった。

 だが、それ以上に――それ以上に彼との再会は彼女にとって幸運だった。

 彼女は「神剣召喚」を行う。

 出現せしは氷でできた一振りの剣。


 神剣「エターナル・フォース・ブリザード」


 そのとき、世界が氷河期に変わった。

 世界にすら影響を及ぼす圧倒的力。

 そう、これこそが本物の神種。

 最後の神種、雪姫の力なのだ。


「く、くく、アッハハハハ、これだ、これこそ俺の求める本当の力。

 ユキ、本当に待たせてくれるお姫様だ」


 アルトゥーレはそれまで手にしていた魔剣おもちゃを捨て、真の能力を開放する。

 それは「魔剣創造」を数多の能力による複合最適化を経て到達せし究極の魔法「神装創造」

 降臨せし最強の剣、宝具パオペイ「四宝剣」

 青龍刀型のその剣を構える最強吸血鬼アルトゥーレ


 最強吸血鬼ルシファーVS最強吸血鬼ルシファーの戦いが始まった。

 それはさながら世界創造である。

 二人がぶつかるたびに、氷山と火山が交互に誕生し、誕生しては戦いの余波で崩壊する。

 戦いながらアルトゥーレは確信する。

 やはり彼女は強かった。

 かつての戦いでは見られなかった全力の彼女。

 それがたとえ相手により無理やり引き出されているものだとしても、レオンの思惑通りであろうとそんなことは彼には関係ない。

 二度と叶わないと思っていた彼女と戦えるのだ、そんなことは些細でしかない。

 剣と剣が交差する。交わる度に激しさを増す両者。

 ぶつかりながらもお互いタイミングを見計らっている。相手を滅ぼせるだけの魔力を開放するためのタイミングを。

 そのタイミングはついにおとずれた。

 アルトゥーレの着地のタイミングを見計らって雪姫がアルトゥーレの足を凍らせる。

 わずかに彼の体勢がずれた一瞬、その瞬間放たれる雪姫の究極魔法「氷結牢獄ジュディッカ・プリズン」が発動する。

 あがらうことのできない冷気の嵐。

 しかし、アルトゥーレの目はこれ以上無いほど歓喜に満ちている。

 これだ、この魔法こそ彼女が最強たる所以、この魔法を打ち破ってこそ彼女に勝ったと言えるのだ。

 アルトゥーレはこれまで「完全吸血ブラット・オブ・ラーニング」で獲得してきたあらゆる魔法を思い出す。「魔剣創造」「超解析」「瞬間再生」……そしてそれらが一つになり、アルトゥーレはその集大成ともいえる究極魔法を発動する。

 最終魔法「黙示録アポカリプス

 二つの究極の力がぶつかり合う。

 その衝撃は超新星に匹敵し、世界は光に包まれる。

 そして決着が着いた。

 光の中から現れたアルトゥーレ。

 その剣が雪姫を貫いた。

 崩壊する氷河期。


「俺の勝ちだ、ユキ」

「ありがとう、殺してくれて……」

「何を勘違いしている、あのとき約束したはずだ、俺が最強になった暁には俺のものになってもらうと。

 その約束、今から果たさせてもらうぞ」

「その約束は……!!」


 アルトゥーレはそう言うと彼女の唇を奪う。

 彼はユキの身体からレオンの支配部分だけを正確に切り裂いたのだ。

 こうして、はるか昔にかわした約束は果たされたのだ。

 そのとき、場違いな拍手が聞こえてくる。

 レオンだ。


「いやあ、感動的でした。

 おめでとうございます、二人とも、おかげで準備が整いました。

 では、はじめましょうか、本当の最終決戦をね!!」 

そろそろ主人公を動かさないと……

マジで主人公何やってんだよ(笑)

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