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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
最終章 魔王VS神
41/55

その頃、人間界は・・・・・・

 その頃、人間界ではレオンの突然の宣戦布告を受けて、急遽、レオンハルト対策本部――通称Rフォースが発足していた。


「レオンハルト・ドミニオンか……まさかその名を再び耳にしようとはな……

忌々しい過去の異物めが!」


 各国の重鎮たちが忌々しそうにレオンへ怒りをぶつける。

 そんなとき、会議室に一人の青年が入ってきた。


「失礼します、ただ今参りました志村です」


 志村特佐、彼は若干17歳にしてこれまで特Bランクの超巨大海獣の上陸阻止や、大規模テロリスト集団の壊滅、未踏ダンジョンの攻略など、その偉業は数知れず。

 まさに今代勇者として――いや、歴代最強といっても過言ではないほどの男なのだ。

 そんな彼のレオン討伐への参戦はRフォース全体にとどまらず、世界中に希望を与えていた。


「おお、君があの噂のヤング勇者」

「これでレオンなどという旧式の勇者なぞおそるるに足らず!」


 世界中の人々の希望を一身に浴びても変わらぬ自信に満ちた彼の姿に、会議室もますます期待が膨らむ。

 青年は力強く宣言する。


「必ずや悪へと成り下がった勇者レオンを討伐してご覧に見せましょう」


 その瞬間、会議室全体に盛大な喝采が生まれたが、彼は気にせずそのままその場を後にする。

 これで人間界側の準備は整った。

 異界への転移はかつて勇者が手に入れた鍵の複製に成功し、今や軍単位での転移が可能なレベルまで到達した。

 そして、勇者志村。

 彼の実力に最新技術を駆使して作られた最強装備を持たせればあのレオンと言えどあがらうことすら不可能だろう。

 それに……いざとなればあれを使うことも可能だ。

 レオンを……いや、レオンを倒したのちは人間界いがいの二世界の植民地化も視野に入るほどの戦力と言えよう。

 人間界の重鎮たちは野望を抱いて世界最強の軍を送り出した。

 彼らに誤算があるとすれば、それは……


=============================================


「はぁ……」


 彼――志村特佐は他に誰もいないことを確認すると深いため息をついた。


「あはは、またいつものアレかい、シムラ」


 そう言うのは志村のパートナーにして唯一心を許せる相手、金髪碧眼の青年オリビエだ。


「まったく、自分のことながら恥ずかしよ……」

「ああいう場面になると勝手になっちゃうんだっけ、あれ。

 で、後になって恥ずかしがると、いつものパターンじゃないか」


 そう、彼は他人から期待や頼まれごとをされると勝手に豹変し、勇者らしい言動を始めてしまうのだ。


「でも、でも今回は規模が違うよ、相手は歴代最強と言われたあのレオンハルトなんだよ、俺みたいななんちゃって勇者とはわけがちがうんだよ!」

「でもこれまでだって上手くいったじゃないか」

「それは、君や他の人たちががんばったからだよ」


 オリビエはフッと笑って、それから


「大丈夫さ、僕がついてる、また今回も上手くいくさ」


 と言った。

 その言葉に少しだけ不安が和らぐ志村。

 オリビエは思う、志村は自分のことを過小評価しているが、彼がいなければこれまでの困難を乗り越えることは出来なかっただろう。

 オリビエは世界中で彼を一番期待してるのは自分だと自覚している。

 だからこそ言うのだ。


「さあ行こう、レオンハルトを倒しにさ」

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