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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
第二章 神々の黄昏
37/55

変態魔王!

 光が収まったとき、そこにいた人物を見て、ロキは狼狽する。


「アリシア……!?」


 その人物はあまりにも偶像アリシアに酷似していた。

 天界軍への命令も忘れてその場で呆けるロキ。

 あり得ない、在ってはいけない。

 あれはドラグニア・ランフォード、憎き魔王の娘なのだ。それを自分がアリシアと錯覚しただと?

 ……ダメだ、あれはこれ以上存在してはいけない。

 早く、早く壊さなきゃダメだ!

 ロキはその偽物ドラグニアを消すために自ら戦場に降り立った。


=============================================


 圧倒的なエネルギーの本流のあと、オレは状況を確認する。

 むっ? 何だか視線が少し高くなったような……

 こちらにやってきたガイアスとシルフィーナ、それにオジリアはオレを見て呆気に囚われている。


「ドラグニア様……その姿は……?」

「なんと……」

「素敵……」


 感想を漏らす三人。ちなみに上からガイアス・オジリア・シルフィーナ。

 姿? どうやらオレ自身は良く分からないが、姿も変わっているのだろう。

 だが、それ以上に……

 それ以上にオレの魔力はパワーアップしていた。その量は先ほどのオジリアすら軽く凌駕するほどに。

 そのとき、ものすごい怒気を放ちながら急降下してくる人物が。

 ロキだ。


「ど、ドラグニア……お、お前は……ゆる、許さない……僕の、僕のアリシアを汚す貴様を僕は、僕は絶対に許しはしない。

 消してやる……消してやるぞ、偽物めがああああああ!」


 そう言ってロキは怒りにまかせながら灼熱を纏った剣を出現させる。

 そうしてオレとロキの最終決戦が幕を開いた。


=============================================


 ドラグニアとロキの戦いが始まったとき、ガイアスは悩んでいた。

 我が主(ドラグニア)の戦いは見たい、見届けたい。

 だが、天界軍を何とかしなければならない。

 彼は悩んだ、悩んだ末、決断を下した。

 三鬼衆の招集だ。

 ガイアスに命じられ即座に姿を現す三体の鬼。

 陰鬼いんき妖鬼ようき酒鬼しゅき


「及びでしょうか、ガイアス様」


 全身を黒装束でかためた鬼、陰鬼は一切表情を見せずに主にかしずく。

 対して少年のような姿をした鬼、妖鬼は呼ばれたのが嬉しいのか両手を万歳して、「わーい、出番だ出番だ!!」と、無邪気に笑っている。

 顔を真っ赤にした酒臭いおっさん、酒鬼は「ういっくぅ~、お呼びですかい、ガイアス隊長」と言いながらさらに手に持った酒瓶をラッパ飲みする。


「酒鬼、ガイアス様の前だぞ、少しは慎め」


 陰鬼がそう忠告すると、酒鬼は


「バッキャロー、オレの技は酔拳だ、酔えば酔うほど強くなるんだよ。

 これは言わば戦いの前の儀式なんだよ!」


 と反論する。

 妖鬼はそんな酒鬼に「あはは、やっぱり酒鬼はおもしろいな~」と笑う。

 ガイアスはそんな三人を見やり、少々不安になりつつも、命令する。


「お前たちに命令する。

『天界軍を殲滅せよ』

 俺は主の戦いを見守らねばならんのでな、あいつらはお前たちに任せたぞ、出来るな?」


 ガイアスの言葉に三人はそれぞれ、


「お任せを、必ずや、やつらを殲滅して見せましょう」

「楽勝だよ、皆殺し、皆殺し!!」

「おう、まかせろや、終わったら美味い酒でも用意してくれよ?」


 と答えて、戦場に消えていった。

 タイトルの変態は、あの変態ではなく変身する意味での変態です。

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