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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
第二章 神々の黄昏
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邪竜の咆哮

 オジリアが突然ドラゴンになった。

 オレにも何が何だかさっぱり分からない。

 えっ? なんで変身できるの?

 まあたしかに魔王(っていっても候補だけど)がドラゴンに変身するのは王道ではあるけどさぁ。

 オレが疑問に思っているうちにドラゴン(オジリア)は口を開いた。

 咆哮「ドラゴン・ハウリング」

 大地をえぐるほどの極大の衝撃が解き放たれた。

 軌道がわずかにずれていたおかげで助かったが、もし直撃であったなら死ぬどころか消滅してしまうわ!

 どうやら竜への変身で力も魔力も桁違いに増幅しているようだ。ヨムンガルドの比ではない、要らんフラグを回収してしまった!

 その後もあたりかまわず暴威をふるうオジリア、完全に暴走状態だ。

 攻撃を回避しながらオレがどうするか考えてると、シルフィーナが「ニアちゃーん!」と言って、オレに抱き着いてきた。

 こんな状況でも相変わらず素晴らしい感触である。


「シルフィーナ、感触はとてもありがた……じゃなくて、

 オジリアのやつ、ドラゴンに変身したぞ!?」


 オレが二つのメロンから脱出して彼女に聞いてみると、シルフィーナはオジリアを見やり、


「なるほど、これが初代魔王の血統――邪竜族の固有魔法『邪竜転生』……

 魔力量も別次元ね。

 さすがは神種にもっとも近しい種族と呼ばれるだけはあるわね」


 と、いつもとは違い真面目な顔で答える。

 ん? 「しんしゅ」?

 そのとき、漆黒の竜が叫ぶ。


「ドラ……ドラグニオスぅぅ。

 あいつさえいなければ、あいつさえいなければぁぁ、ワシこそが魔王だったのにぃ。

 ワシこそが魔王に相応しいというのにぃ。

 憎い、憎い、憎いぃぃ!」


 ドラグニオス……確か先代の魔王でドラグニア(オレ)の父親にあたる人物だったよな。

 どうもオジリアがオレに戦争を仕掛けたのは選別戦争だけが理由ではなさそうだ。

 魔王になった兄となれなかった弟か……オレには想像も出来ないほどの確執があるのだろう。

 そんなとき声が天上からかけられた。


「分かります、分かりますよぉ、

 その気持ち。

 その憎悪と力、僕が有効に活用してあげましょう」


 そしてオレたちの前に現れたその人物、ウエーブのかかった緑の髪をした眼鏡の美少年。

 美貌の魔術師ロキ。

 夢のなかで警告された要注意人物。

 オレとロキがはじめて対峙した瞬間である。

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