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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
第二章 神々の黄昏
23/55

完全包囲

 オレが今朝の夢のことを考えながら仕事をしていると、それは突然はじまった。


『ドラグニア・ランフォード及び、その配下どもにつぐ、

 大人しく投降せよ、貴様らは完全に包囲されている。

 我はオジリア・ランフォード、真なる魔王後継者である。

 繰り返す……』


 俺たちが包囲されているだと?

 それに、オジリア・ランフォードって確か、七候補の一人で、ドラグニア(オレ)の叔父にあたる人物の名だ。

 考えているうちに、ガイアスの部下が慌てながら執務室に入ってくる。


「ほ、報告します、北よりオジリア軍が攻めてきています!

 その数1万8000!

 さらに南からは巨人の軍勢も!!」

「馬鹿な、それほどの軍を我々に気づかれずにどうやってここまで来たというのだ!?」


 部下の報告に動揺するガイアス。

 シルフィーナは冷静に「巨人軍……やはりロキの仕業か」とつぶやく。

 彼女によると、通常、軍単位の転移など不可能であるが、七候補のロキであれば位置さえあらかじめマークしていれば、それも不可能ではないだろうとのこと。

 ロキ……その名は夢で警告された名だ。

 嫌な予感がする……

 巨人の方は500体くらいだそうだが、一体一体が驚異的な力を誇るそうだ。

 早急に対策を打たねばならない。

 ガイアスは姿勢を正し、「ドラグニア様、自分にお任せを、必ずやこの状況を打破して見せます」とオレに向かって言ってくる。

 するとそれに対抗するように今度はシルフィーナが「あら、ガイアスじゃ駄目よ、こんな筋肉馬鹿じゃ勝てる勝負にも勝てなくなるわよ?」と豊潤な胸元で腕を組んで自分を使えとアピールしてくる。

 こいつらの、こんな状況でも変わらないやり取りにちょっとだけほっとしつつ、オレは自分の考えを述べる。


「よし、分かった、軍についてはお前たちに任せよう。

 しかし、気になるのはロキの方だな、やつを放置したままだと、何かとやばそうだ」


 そう、軍単位の転移などせんそうにおいてはチートなんてレベルではない。

 夢のこともある、放置は危険だと言わざるをえないだろう。


「そうですわね……大型転移は魔法の実行者、つまりロキ本人が転移先にいる必要があるはず。

 それにやつのこと、一番戦場が見やすいところで高みの見物をしている可能性も捨てきれません」


 なるほど、そうするとロキの今いる場所としてもっとも可能性が高いのは、オジリアの隣と言ったところだろうか。

 オジリアがいると思われる本部の居場所は戦場の最奥、オジリア軍1万8000のさらに北に構えているようだ。

 よし、そうと分かったら行動あるのみ。


「ガイアス、お前は鬼人軍を率いて、巨人の軍勢を討伐に迎え。

 シルフィーナは淫魔軍とともにオジリア軍を相手しろ。

 オレはその隙にオジリア・ランフォードを倒す」


「了解、ご武運を我が主!」

「分かったわ、がんばってね、ニアちゃん」


 少々ドキドキするが、オジリアがあのヨムンガルドより強くなければ大丈夫だろう。

 あれ、なんだか今、妙なフラグがたったような気が……


 こうして、魔界史上最大の激戦が始まった。 

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