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聖魔の惨殺姫  作者: マシュマロ悪魔族
第一章 魔王選別戦争
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世界の鍵

 シルフィーナは自分のこれまでの常識が吹き飛んだのをはっきりと感じた。

 それほどまでに先ほどのドラグニアの技――竜剣ドラゴンブレードは衝撃的だった。

 剣より放たれた強大な魔力はその密度により自然と光線と化し、ヨムンガルドの巨体を飲み込み、跡形もなく消滅させた。

 次元が違いすぎる。

 ガイアスも同様の衝撃を受けたのだろう尊敬を通り過ぎ、もはや崇拝の目で自分の主を見ている。

 そのすさまじい攻撃をした当の本人はというと、さすがに魔力が切れたらしく攻撃の直後に倒れて眠っていた。

 寝ている彼女に近づいて抱きかかえてみる。

 こうして見ていると、とても先ほどの強大な技を放った人物と同一人物には見えない。

 華奢で可憐で儚くて。


「貴様、我が主を放せ!」


「安心していいわ、わたしはもう何かするつもりはないから」


 怒鳴りつけるガイアスに対し、彼女はつきものでも落ちたかのように静かに返答する。

「何かするつもりはない」というよりは「何もできない」という方が正解だろう。あれを見せられては。


 そして彼女はある決心をした。


============================================


 オレが目を覚ましたとき、すべてが終わっていた。

 あの蛇はオレの最後の攻撃で消滅したらしい。

 倒したのではなく、消滅。

 どんだけ強烈な攻撃だったんだよ、オレの竜剣ドラゴンブレード

 そうそう、シルフィーナたち淫魔軍はオレたちに降伏した。

 うやむやになっってしまうかと思ったが、シルフィーナたちから負けを認めたそうだ。

 彼女は目覚めたオレに開口一番、


「これまでのご無礼、お許しくださいドラグニア様。

われわれ淫魔一同は、敗北を認め、あなた様の軍門に下る決意をいたしました」


 と頭を下げてきた。

 それと同時に彼女の取り出したもの。

 それは七候補に渡された七つに分けられた世界門の鍵のかけら。

 魔王候補の証。

 ガイアスとの戦いの後にあいつからもらったものと同様の物だ。

 これでオレが持つかけらは、もともとオレ(ドラグニア)が持っていた分と合わせて3つとなった。


「分かった。

お前たちが我が軍門に下ることを認めよう」


 その言葉を聞き、パァッと明るい笑顔で「ありがとう、ニアちゃん!」と言いながらオレに抱きついてくるシルフィーナ。

 おお、またもあの感触が……!


「貴様……まだ反省しておらんようだな!」

「あらガイアス、あなたまだ居たの?

ニアちゃんにはわたしがいるんだからあなた、もう用済みよ」

「抜かせ、今度こそ貴様を成敗してくれるわ!」


 激戦で荒野と化した元草原で、またも喧嘩を始めるガイアスとシルフィーナ。

 ともかく、新たな頼もしい? 仲間を得て、オレは魔王へまた一歩前進した。


=============================================


「このような結果になりましたか……

なかなか思うようにはいかないものですねぇ。

シルフィーナくらいは道ずれにできるかと思ったのですが……

まあ仕方ないでしょう、では僕はもう一人の要注意人物に会いに行きますかねぇ……」


 魔人は不吉を孕んだ笑みを浮かべながら闇に消えて行った。

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