#24 練習試合(2)
楓高校との挨拶を済ませ,簡単なアップをしたらいよいよ試合が始まる。
俺は倉庫で言われた通り,ベンチにいる水瀬先生の隣で試合を見る事となった。
霧ヶ原高校のスターティングメンバ―は,天王寺先輩と白山先輩,神崎美空先輩,火野彩芽先輩,陰山美鈴先輩の5人。
天王寺先輩はポイントガード,白山先輩がセンターだとすると,神崎先輩と火野先輩がフォワード,陰山先輩がシューティングガードと言った所だろうか。
正直,天王寺先輩と白山先輩以外の3人は試合前にちょっと挨拶をされた程度なので詳しい事はよく分からない。
水瀬先生に聞いた事を自分なり整理してみよう。
まず,背中まである長いポニーテールが特徴の神崎先輩。
白山先輩より少し背が低いが,他のメンバーより頭1つ分大きく体格も良い。
思い切りの良い性格とその長身を生かし,パワーフォワードとして白山先輩と二人でゴール下を任されているらしい。
5人の中では一番小柄なのが火野先輩。
その小柄な体格を生かしたスピードで相手を翻弄するスモールフォワード。
背の高い相手にも物怖じしない性格で,その小さな体のどこから出ているのか分からないような力で貪欲にゴールを狙うポイントゲッターらしい。
最後の陰山先輩は,どうも掴み所の無い人らしく,決まったポジションは無いらしい。
バスケをするには不釣り合いな腰までの長い髪に,目元ぎりぎりの前髪の下からのぞく,どこかぼんやりとした瞳。
チームメイトでもどんなプレイをするのか見当がつかず,敵も味方も翻弄するのが得意なのだとか。
試合開始直前,普通なら先生が作戦を説明したりする所だが,やはり仕切っているのは天王寺先輩。
オフェンスのポジションやディフェンスの動き等を細かく指示する姿は紛れもなくキャプテンのそれだ。
話を聞くチームメイトも真剣そのもの。
ここだけ見れば,キャプテンを中心にまとまった良いチームに見えるだろう。
「じゃあ,行くわよ!」
『はい!』
最後に円陣を組み,5人がコートへと向かう。
俺は水瀬先生の隣に座り,それを見送った。
こちらに遅れる事数分,楓高校の選手もコートへと出てくる。
先頭にいるのは先日の偵察の時に軽く挨拶を交わしたキャプテンの木ノ下先輩。
その他の4人は残念ながらよく覚えていないが,体格の良い選手や小柄でスピードのありそうな選手など,バランス良くメンバーが集まっており中々手強そうだ。
「それでは,霧ヶ原高校と楓高校の練習試合を始めます」
センターサークルでボールを持つ審判は楓高校の先生。
こっちは先生が1人しかいないので,その辺りはおまかせしてしまう。
『よろしくおねがいします!』
挨拶が終わり,試合開始のホイッスルが響き渡った。




