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ダンマネ!  作者: SR9
第一章 インターハイ編
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#136 最後の作戦


 陰山先輩投入は,ただの交代ではなく,タイムアウトを取ってから行う事にする。

 残り時間5分ちょうどでオフィシャルにタイムアウトを要求し,4分40秒の所でパスカットされたボールがコート外へと出た。

 これで,タイムアウト明けはフロントコートからこちらの攻撃で試合が再開される事になる。

 時間も場所も,最高のタイミングだ。


「ばっちりのタイミングよ。ありがとう,ハル君」

「ありがとうございます。先輩たちも少しでも体力を回復させてください」


 すぐにベンチを空け,少しでもみんなを休ませる。

 相手の体力がここまで持っている事を考えたら,この先も体力勝負になる事は避けられない。

 大量の汗を流す先輩たちに,新しいタオルとドリンク素早く渡す。


「美鈴さんは,彩芽さんと交代して。ここからは,美鈴さんのパスを通して,今まで以上に理久のスリーで点差を縮めるわ。出来るわね?」

「任せて。何か今日は何本でも決められる気がするわ」


 ここからも,基本的にはこれまでと変わらず,大久保先輩のスリーを中心に戦っていく。

 これまでと大きく違うのは,それをサポートする陰山先輩のトリックプレイ。

 先輩の仕事は,その存在感の無さを利用した神出鬼没な行動を生かしてのパスカット。

 これなら相手の攻撃を押さえつつ得点でき。


 ただ,陰山先輩を周囲に紛らわせるには,細かなディフェンスのスイッチが必要不可欠だという事。

 パスカットの為には,陰山先輩はある程度自由に動けなければいけないので,マンツーマンでも実質は1人マークが薄い選手が出てきてしまう事。


 この2点を押さえた上で,桜高校の攻撃を止めなければいけないというのは,今まで以上にハードな仕事だ。

 でも,天王寺先輩はそれが出来ると言った。

 それをやると言った。

 だから,きっと出来る。


「ここからが最後の大勝負よ。みんな,改めて気合入れなさい!」

『はい!』

「絶対勝つ!」

『はい!!』


 今日一番の声で,先輩達を送り出す。

 次にここに返ってくるのは,勝利の瞬間であることを信じて。


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