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ダンマネ!  作者: SR9
第一章 インターハイ編
125/148

#123 県予選開幕


「さぁ,勝つわよ!」

『はいッ!』


 県予選2回戦を迎えた体育館内は,静かな熱気に包まれていた。

 今日はまだ第1~第4シードの学校は出てこないので,目ぼしい選手もいないのか,観客の数は少ない。

 でも,コートに立つ選手にとってはそんな事は関係ない。

 ただ全力で,目の前の1試合,目の前の1勝を掴むだけだ。



 今日の対戦相手は,午前中の第1試合を勝ち抜いてきた紅葉高校。

 第1試合を見た感じだと,エース6番のスリーを軸に試合をつくっていくチームで,6番以外の選手はパスやディフェンスは上手いが得点に絡む機会は極端に少なく,ほぼ全ての得点を6番が決めていた。


 なので,試合前のミーティングでも話題になったのはもちろん6番のこと。


「あの6番をどう止めるかが問題ね」


 1人のエースに全てを託すという戦法は,それほど特別なことじゃない。

 実力が頭1つ飛びぬけた選手がいれば,中学や高校レベルならそいつにボールを集めるだけで十分勝てる。

 そういう意味では,紅葉高校は1番勝率の良い作戦を取っているだけなのだろう。


 ただ,今回は相手が悪かった。



「文香ちゃん!」

「はいッ!」

「くッ……」


 残念ながら,シューターとしては,紅葉の6番よりも文香の方が明らかに上だった。

 中学時代,1人でチームを引っ張ってきた実力は伊達ではない。

 文香は自分の力だけでシュートまで持って行ける技術があったが,6番はスクリーンや素早いパス回しで相手を崩してからじゃないと中々シュートに行けないのだ。



「早くパス回して! 1本返すわよ!!」

「は,はい!」

「逃がさないわよ!」



 それに加えて,霧ヶ原にはワンマンチームでもやっていける選手がもう1人いる。

 ディフェンスにも隙のない天王寺先輩にかかれば,いくらエースといえどもそう簡単に太刀打ちは出来ない。



 結局その試合は何の波乱も無く勝ち進むことができ,俺たちは翌日に行われる第3試合への切符を手に入れた。


 いよいよ明日は,桜高校との試合だ。


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