2、僕のついているようでついていない日
その日は、ずっとあの女の人のことが気になって気になって仕方なかった。授業の内容も全然入ってこない。
ていうか、あの人。いったい何故あんなことに?たしか、ハルヤに追い出された…?とかいってたっけ。ハルヤってのは男、の名前だよな。となると、彼氏か?でもって追い出されたとなると、同棲してたってことか。
いやでもそれにしたってダンボール箱はないだろ!
追い出すっていったってダンボール箱に入れることはない。それだと、追い出すってよりも捨てるって言う方があってるし。
んー…じゃあ何でダンボール箱のなかに入ってたんだ、あの人は。
そのハルヤって人が入れて捨てた(発想がおかしい)としたら、あの女の人はペット扱いだったと…!?いやいやいや。無いですよね、それはないですわ。
じゃあ、自分で入ったとか?いや、ないよね。
などと、延々とあの人がダンボール箱に入っていた理由を考えていたらもう放課後だった。
結局理由はわからないまま。
さて、帰ろうかと廊下を歩いていたら今朝見たあのダンボール箱に入った女の人に似た人とすれ違った。
「あ…!?」
思わず声をあげてしまった。
その人はこちらに気づいて、
「なんですか?」
とたずねられた。
「い、え!何でもないです、はい!」
大きな瞳でこちらをのぞかれ、とてもドキドキします。このひとすごい美人なんだもん!
その人は心底不思議そうにキョトンと首をかしげて(かわいい!)そうですか、といって去っていった。
うん、なんかいいもの見れた。
そういえば、今朝の女の人も美人だったよなぁ。テンパってそんなの考える余裕無かったけど。
美人二人にも出会えたなんて今日はラッキー!
ついてるなぁ、と気分を良くして帰り道を歩いていると。
ダンボール箱に入っていた女の人に出会った。
隣には、男の人。
うーん、ついてるのかなぁ。