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1、ダンボール箱の女
僕は、どこにでもいるような極々普通の高校一年生だ。自分で言うのもなんだが。
今日も学生として僕の通う学校へと歩いているところだった。
学校は、自分の家からそう遠い場所ではない。しかし、近いわけでもない。普段は自転車通学なのだが、今日は朝早く目覚めたのであるいている。
うむ、気分がいいな。
などと思いながら歩いていると視界の先に奇妙なものが。
ダンボール箱…?
近づいてみると
「な、んな!?」
人が入っていた。
あれ、おかしいぞ。ダンボール箱に子猫なんかが入れられておいてある、なんてことは珍しいことではない。だがしかし、人が入ってるということは滅多にないはずだ。
目の錯覚?眼科に行くべきなのか、僕は。
色々悩んでいると、ダンボール箱のなかに入ってる人が
「拾って?」
と、しゃべった。
どうやら目の錯覚などではないらしい。
その人は女だった。僕より年上っぽい。
僕が黙っていると
「晴哉に追い出されちゃったんだもん、拾ってくんない?」
と、その人が言った。
僕は、
「が、学校…あるんで。」
と、言いその場から逃げた。
遅刻はギリ免れた。