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参戦!竜騎士

 俺の目が大きく見開いた。

 竜が放った炎撃弾の軸線上から俺を逃そうと、希未ちゃんが俺の手を引っ張った。

 俺の上半身が希未ちゃんに引きずられるように傾く。

 間に合わない。

 そう思った時、竜の放った炎撃弾が空中で停止、爆発した。

 なんだ?

 爆風も熱も伝わってこない。

 風集壁?


 「何してるの?」


 神山先生が俺たちのところに駆けつけてきた。どうやら、俺が竜の恐怖に捉われていた時に、風集壁を放ってくれていたようだ。


 「しっかりしなさい。南原さんを守るんじゃなかったの?」


 全くだ。今は逆に希未ちゃんに救われそうになっていたじゃないか。

 俺以外に竜に勝てる訳がない。俺がびびってどうする。


 「すみませんでした」


 そう言って、神山先生に目を向けた時、きらめく鎧を身に着け、剣をかざした竜騎士が走り寄って来るのが、目に入った。


 「雷撃槍」


 竜騎士に向けて、雷撃を放った。

 天空からまばゆい光の雷撃が、竜騎士を襲った。

 かかげた剣を伝い、竜騎士の姿をまぶしい光が包み込んだ。

 しかし、予想通り、竜騎士は止まってはいない。

 熱を帯び、鎧が少し変色しているが、そんな事にはお構いなしに、俺たちめがけて駆けてきている。

 あまり効いていない。そんな事は承知の上だ。

 もう一発。そう思ったが、このままでは、無傷のまま俺たちのところにたどり着くかも知れない。俺の頭の中で、空間を把握した結果、そう言う結論がはじき出された。


 「風撃孔」


 竜騎士の鎧を破壊できるとは思ってはいなかった。そして、ダメージを与えられるとも思っていなかった。ただ、吹き飛ばすと事で、距離を空けられる。そう思っただけだった。

 俺の風撃を体のど真ん中に受けた竜騎士が吹き飛ばされ、地面の上を数回バウンドして、はるか彼方で倒れ込んだ。


 「気を抜くな」


 神山先生の風集壁に安心しすぎていた俺は竜騎士に注意を向け過ぎ、竜への注意がおろそかになっていた。校長の言葉に、慌てて振り返って竜を見た。

 竜は首を少し傾げながら、再び口を開いた。

 その口の奥に、炎は見えない。


 「水撃牢」


 俺は俺たちと竜の間に巨大な水の柱を作り上げた。

 透明な水の真ん中あたりに、まばゆい光が輝いていて、けたたましい水蒸気を上げている。

 やはり謎の光の攻撃だ。

 風集壁では防げない事は学習済みだった。

 が、厚く立ちはだかる水の壁は効果があったようだ。


 「さすがだね。東山君」


 校長がそう言った。


 「いえ」


 俺は竜の攻撃を防いだことで、そう言っているのかと思ったが、校長の視線は別のところにあった。

 そこに視線を移すと、よろけ気味に立っている竜騎士の姿があった。

 ダメージを受けている。

 俺は分かった気がした。

 あの魔具は雷撃や炎などの魔法を無効化しているが、その中にいるのは人間である。物理的な攻撃を受ければ、ダメージは中の人間を襲う。つまり、物理的攻撃が有効なのだ。


 「あいつは私に任せてもらおうか」


 校長はそう言った。


 「はい」


 いくらダメージを受けているとは言え竜騎士は手ごわい。その相手は校長に任せるのがベストだ。そして、竜騎士よりも強い竜には俺たち三人が立ち向かう。

 竜は視界を遮り、自分の光の魔法を妨げている水の柱を消滅させようと、炎を口から吹き出した。

 立ち上る蒸気と熱気が辺りを包みこんだ。視界が白い闇に閉ざされた。

 竜の炎は白い闇を赤く切り裂いていて、俺たちからは竜の居場所は分かるが、俺たちの姿は白い闇にとけ込み、竜からは見えないはずだ。これは俺たちにはチャンスだ。

 竜も竜騎士と同じように、物理的な攻撃に弱い可能性がある。と言っても、体のでかさの違いから言って、竜騎士なんかとは比べ物にならないくらいの攻撃が必要なはずだ。

 俺の魔法で物理的な攻撃。氷撃系、弾魔法、そして竜騎士を吹き飛ばした風撃。

 いずれも遠い場所から放っても、大したダメージを与えられないはずだ。

 竜の視界を奪っている白い闇にまぎれて、竜に接近し、魔法を放つ。

 俺は竜を目指して、静かに、だが素早く、近づいて行った。

 その時だった。

 竜の炎が消えた。

 とは言え、すでにあたりの蒸気は濃く、簡単に白い闇は消え去ったりはしない。

 俺は記憶を頼りに竜の場所を目指す。

 そんな俺の視界に赤い光が見え始めた。

 小さな赤い炎。

 炎撃弾が来る!


 「風集壁」


 俺の目の前に風集壁が完成するのと、竜の炎撃弾が俺を襲うのはほぼ同時だった。

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