Prologue
――我々が住むところとは異なる世界、エステラ・トゥエ・ルーヴ。
光に包まれし世界として、人々が平和な毎日を過ごしていた。
中心部には街の平和を見守るように建っている大きな城、そこに神が宿りし四つの輝石が大事に保管されていた。
それぞれ“紅き炎”“蒼き水”“翠の風”“黄の地”と名付けられ、手にした者は強大な力を得ると言い伝えられている。
しかしそれを手にしようとする者が思わぬ所から現れた。
雷鳴が轟き、封じられていた大いなる黒き力“漆黒の闇”が姿を見せる。
漆黒の闇は四つの輝石が持つと言われる輝石の力を我が者にしようと一目散に城へ向かった。
その報せを聞きつけた城の姫君は、四つの輝石を手に取り下界が見下ろせるバルコニーへ走った。
「――四色の輝石へ。漆黒の闇の手へ渡る前に、時の空を越え異なる世界へ彷徨う事を命じます、また会えるその時まで……」
姫君は輝石一つ一つにくちづけすると、花束を投げるように空へ放った。
四つの輝石は下界へ降る事なく厚くどす黒い雲へ向かう、途中それぞれの色に瞬くと眩い光りとともに消えた。
「エステラ・トゥエ・ルーヴより異世界へ旅立つ輝石へ、祝福とご加護あらんことを……」
姫君の祈りとともに始まる、輝石の力を得し異世界の少女たちと漆黒の闇による戦いが。