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ニートは詠唱すらも面倒なんです。

主人公視点で話は進みます。

今回は無詠唱を得るまでの話です。

是非お楽しみください!

 どうも。田中颯太、年齢は秘密。職業はニートでした。

突然ですが、そんな僕は、ニート生活の途中で、いつの間にか死んでました。死因は不明。

いや〜、なんで死んだんだろうねぇ?

 とまぁ、こんな前置きは良いとして、なんか僕、異世界に転生してしまいました。

よくある、異世界転生、というやつです。

何故こんな平凡で面倒くさがりのニートが転生してしまったのか。そんなこと、僕に聞かないでほしい。

いつの間にかこの世界のとある国の第三王子、『ソウライ・ディベル』になっていた。

ニートには相応しくない職業だと思う。

そしてそんな僕の人生は、一度リセットされたわけではなく、まさかの12歳からのスタート。ふざけるのも大概にしてほしい。

そしてこの世界は魔法を使うことの出来る世界だった。

まぁ、ここまでは多分普通の転生物語だ。

だが問題はその魔法だった。

僕は極度の面倒くさがりのニートだ。

魔法を詠唱するのが、ダルい!!

この世界の詠唱とやらは何故かとてつもなく長かった。

そんな長い詠唱、戦い中なら唱えてる間に死ぬぞ?というレベルのものもある。

まぁ、基礎魔法程度ならまだ短いが、それでも10秒程はかかってしまう。

その10秒が、とても面倒なのだ。

そして僕は考えた。

別に詠唱しなくても良くね?と。

絶対に詠唱しないといけないとか誰が決めたんだ。

幸いにも僕は前世で結構良い大学を卒業している。だからそれなりに頭は良いから無詠唱くらい作れるかもしれない!

そう思い数カ月間、研究に没頭していた。今思えば、ニートとしてあるまじき行為だった。


「ふぅ…やはり詠唱なしはキツいな。というか無詠唱って地味に魔力食うし……ニートにこれはキツい。」

最近無詠唱で出来る魔法が完成したので実践してみていたところに、一人のメイドが通りかかった。


「ご主人様、よく口に出されるその『ニート』とやらはなんですか?」

「おぉ、ルラル!えぇっと、ニートって言うのは、僕みたいなやつだ!」


そう!僕のような面倒くさがりで働かないやつのことをいうのだ!

そう言うとレイアは納得したようだった。


「つまり、ニートとはご主人様のような可愛らしく、賢いお方のことなのですね!レイア、完全に理解しました!」

「え?あー、うん!そうだよ!」


正直、全然違うがまぁ良いだろうう。

この子は『ルラル・スヴァ』

僕の専属メイドで、可愛らしい見た目と天然さのようなものを兼ね備えている。

でも家事はものすごく万能。

魔法の実力は不明。

が、この世界の平民はほとんど魔力がないというお決まり展開なので、なんとなくだがレイアの実力は想像がつく。

あ、ちなみに僕は貴族だからか魔力の量はヤバい。

やはり異世界転生者はこうでなくちゃな!

その時ルラルが僕は何をしていたのかと聞いてきた。


「ん?あー、えっと…秘密だ!」


無詠唱を研究してるなんてバレたら馬鹿にされるかもしれない。

だってそんなもの、他の人からしたら、あり得ないものだから。

だが!僕は一生ニートが良いのだ!

背に腹は代えられないんだ!

だから無詠唱を研究しているのだ。

秘密だと言うと、大分ガッカリしていたルラルだったが、

「何をしてるにしても、私は応援しております!」

と言って去っていった。


なんだかルラルには悪い気がするが、これでやっと一人で練習できる。


 今回はーーそうだな。風系の魔法を使おう。

「スーッ、ハーッ、」

大きく深呼吸をして、魔力を一点集中させる。

ぶっちゃけ、どこに集中させてるのかは分からない。勘だ。

あとはーーそう、なんとなくだ。

細かいことはどうでもいい。ニートにさえなれればそれでいいのだから。

それっぽく魔法陣を出現させ、それっぽく心で念じてみる。

(風よ、吹けっ!)

ーー魔法はイメージ。それは多分、どの世界でも共通することだ。

つまり!想像力さえあればなんとでもなるのだ。

それっぽいにそれっぽいを重ねると、強めの風が吹いた。

「おぉ!成功、だぁ……。」

やはり、ものすごく魔力を食う。理屈は知らないけど。

「これで成功したのは5回目かー。あと何回かは続けて出来るようになりたいなー…。」

そう、未来の自分が楽をするために!


それから1年、無詠唱を完全に習得して色んなところで実験をしていたところ、とある噂が流れだした。


『この国の第三王子は魔法を使う時に詠唱していない。』


という噂が…!

これ、もう平和に無詠唱ニート生活できなさそうな予感がするのだけども!?

魔法系の小説って、難しいですね…。

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