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吸血鬼は夜に舞ふ  作者: 凍霜
二章『憑依編』
14/14

十二話 死

バッドエンド1。

2は作る予定はありません。

gdgっです。

「カイル」


 次の日。丁度吸血鬼は眠りに着く頃だ。だというのに、カイルは外に出て、夜中に一人黄昏ていた。

 そこへやってきたのは、カレンだった。朝の事もあるので、心配して来たのだろう。


「……カレンか」

「……うん。カイルは眠くないの?」

「俺に構わなくていいぞ。眠いんだろう」


 目の前の湖から、カレンに視線が変わる。


「でも」

「いいから! 慰めとか、何も言わなくていいから……」

「あ――」


 別に説教等はしなかった。

 そんな事したって、立ち直れないのは分かっていた。




 この館で、吸血鬼の憩いの場である居間。そこには、吸血鬼達がカイルを囲うようにして立っていた。


「死ぬのか」


 ヴェスの聞き返した言葉に、カイルは力強く頷いた。


「いいのか」


 意志の揺るぎも無く、また力強く頷く。


「そうか……」


 吸血鬼全員で嘆息した。勿論カイルも。

 覚悟はした。自分のせいで一つの種族を滅ぼすのかもしれない。それが例え吸血鬼であっても。


「じゃあ、おまっ……カイル様には――ロゼッタにはここで吸血鬼の為に消えてもらう。本当は、除霊なりなんなり出来ればいいのにな」

「……そうだな。学校にいた時から、死ぬ覚悟は出来ている。だから、ここで命が散っても俺にはやり残す事なんて……無い」


 カイルは自分の二の腕を、肉が飛び散りそうな程噛んだ。痛そうに顔をしかめるが、それさえも出来なくなるような激しい麻痺感が襲う。床へと崩れ落ちた。


「姉貴がする?」

「うーん、カレン様がするべきだと思うわ」


 話を振られたカレン。少し戸惑った。つまりは、カイル血を吸い尽くす人を決めているのだ。刃物等では殺しにくいだろう。そして、彼は仮にもロゼッタ家の血を引いている。やはり抵抗があった。だからカレンに頼んだのだ。


「私が……」


 倒れているカイルを見下ろす。かなり苦しそうだった。


「やれ」


 冷徹な声で指令を下すヴェス。

 カレンは双子の兄を殺すという事に泣きそうになりつつも、吸血鬼の為だと思って――首に牙を入れ、苦さを我慢して血液を飲み干した。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

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