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第七章:白鷺、墜つ

2025年7月20日。


BBCの特集番組「The Hidden Expo: Japan’s Phantom Contractors」が世界中に配信された。


番組は、神谷遼が提供した証拠資料と、高梨真理子の証言をもとに構成されていた。


幽霊会社の登記簿、未払い業者の悲痛な声、白川雅彦の顔写真、そして“万博師”の構造図——


それは、国家による組織的詐欺の全貌を暴く、衝撃のドキュメンタリーだった。


SNSは瞬く間に炎上した。


「#万博師」「#白鷺の羽音」「#夢洲の闇」——


トレンドは世界中を駆け巡り、日本政府は緊急会見を余儀なくされた。


白川雅彦は記者会見を開いた。


だが、彼は一切の関与を否定した。


「私は、万博の成功を願っていただけです。

一部の業者の不正があったとしても、それは私の知るところではありません」


その時、記者席の最後列にいた神谷が立ち上がった。


「では、これはあなたの署名ではないと?」


神谷は、幽霊会社の設立書類を掲げた。


会場がざわめく。


白川は一瞬、言葉を失った。


だが、すぐに冷静さを取り戻し、こう言った。


「君は、正義を信じているようだが——

この国は、正義だけでは動かない」


その言葉を最後に、白川は会場を後にした。


——翌朝、彼は自宅で死亡しているのが発見された。


死因は心不全。だが、遺書もなく、真相は闇の中だった。


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