苔ならよかった
おまえを夜につれて行くから、少しのあいだ待っていてね
まあるく空を飛べばいい。
世界一高貴で美しいあの鳥のように⋯⋯
あなたの脳みそはどこにあるのだろうか
木の洞? 岩場の端?
どこであろうと、わたし、絶対に見つけてみせるわ!
そしておまえの両頬に触れて、とびきりの笑顔を見せてあげる!
白いつま先が青い草に触れる
いつもどこかしこを駆けずりまわり
無垢であるその足は
花をきわめてしずかに踏みわける
えり分けているのだ
なによりも愛しいものと
触れてはならないものを
草葉の香りと空の穏やかさ
肉と骨を動かす
それが彼女のすべて
すべてであればよいと
長い年月
祈り続けている
逃げなくちゃ逃げなくちゃ逃げなくちゃ!!
たすけて!?の話ってしたっけ?
は、は、は、は、は、は、は!
スタンガン⋯⋯。
死にたくない死にたくない死にたくない!!
あの軽いシフォンケーキ!
あれは胃液の中でレースみたいに溶けたはずだよね。
もうももううもうもう、終わりにしませんか
もうだめですもう無理です⋯⋯大丈夫になる魔法!!!
これでまだ戦えるね!! さあ頑張って! あたしたちの魔法少女!
無理だよおおおお。
もうだめです。
そんなこと言えるわけない! 言わない言わない! 言わない!
私だけが安らかに自己満足と承認のえんどれす再生。二度と戻らないのに二度も戻れるような顔で仏と見つめ合っている午前一時のばけもの。俯瞰による汚れ。貯金箱のほうがよほどきれい。七日目の血中酸素濃度低下。健康体である憂鬱に対する不快感、嫌悪感。倦怠感ならぬ停滞感ならびに焦燥感。財布に詰め込まれたレシート。歩いてどこまで行けるんだろうね。ゆがんだ骨の形。三キロの恐怖。五メートル毎に引かれる高さ。有機体である絶望。無機物である絶望。生命体である穏やかさ。腹ペコと午後の密会。このかいぶつはどこに置いてきたらいいの。雌雄体である諦観ならびに絶望。宇宙船に乗れません。ライカ犬⋯⋯こっちに来ないで。夢⋯⋯単語帳の悪夢。ふたたび雌雄体である諦観ならびに絶望。水槽に脳が溶けるべきである。途絶論傾聴。最後にして雌雄体である諦観ならびに絶望。




