10/13
おまえの好きなもの
遠のく汽笛の声が聞こえる
遠のくバス
遠退くバス
排気ガスは汽笛ではない 純粋な一部ではない
四角い寒天の光をつめて
わたしたちは進む
浅くて濃い夢よりも
深くて薄い夢のほうがいい
溺れて戻ってこれなくなるのよ
あなたのことだから
芝生と青の水平線
空の真ん中が四角く穿たれている
追ってきている
オルゴールは止まっている
漆喰の壁は鈍色に染まっている
ベッドルームは洞の内側に
毛布の上には蔦が這いずっている
逃げるのよ。
背を向けなさい。
そして耳だけを寄越しなさい。
あなたの脚はここに
あなたの頭はそこに
あなたの心もそこに
あなたの腕はここに
あなたの落とし物は遺失物係の前に。




