入学初日に校庭で校庭でプロレス大会!?
今回からカオス回が始まります。覚悟して読んでください。
3話
僕は新居に着くなり、床に寝転がる。
ここは東京某所にあるマンションの一室。1LDKと一人暮らしには広めの部屋。僕の新居だ。通う予定の高校からは電車で15分。
僕は適当に家具を設置し、足りない分をメモしてから、外に出るついでに隣の部屋の人に挨拶をしに行く。適当な菓子折りをもち、隣の部屋へと向かう。
隣の部屋のインターホンを押すと、身長156センチほどの少女がドアから出てくる。その少女は少し紫がかった銀色の髪に紫色の瞳。そして小動物のような可愛さのある顔。
「どなたですか?」
「本日から隣に住まわせていただきます。海野源と申します。」
「そんなに畏まらなくても……」
「これ、つまらないものですが。」
「ありがとうございます。」
「ちなみにお姉さんいくつですか?」
「えっ……」
ちょっと引かれてしまった。
「ごめん。ちょっと調子乗った。」
「急にタメ口なんですね……あの……馴れ馴れしくしないでもらえると嬉しいです。」
「すみません。」
初対面からめっちゃ嫌われてるじゃん。
それが僕と彼女との出会いであった。
今日は入学式。高校に行き、指定された席に座る。真ん中辺りの席。しばらくボーッとしていると、前の席のやつが話しかけてくる。そいつは黒髪で少し子供っぽく感じる少年。
「俺はさ、やっぱりあれだと思うんだよ。ところで君はどう思う?」
「なんの話?」
「この後、学校探検しようって話。ところで君の名前は?俺は内田晴。」
「僕は海野源。晴、ついてっていい?」
「うん。いいよ!」
その時、右の席に人が座った。隣の家の奴だ。気まずい。
「えっ……隣の……」
「ああ、よろしく。僕は海野源。」
「私は君島桜。その……この間はごめん……ちょっと任務の後でイライラしてて……」
「こっちこそくるタイミングが悪かったね……ごめん……まあこれからは仲良くしよ。あ、そうそう、これ終わったら学校探検行こうって話になってたんだけど、行く?」
「私はいいかな……」
「そっか。」
「やめとけやめとけ。あいつは男が嫌いなんだ。」
その時、晴が俺に小さな声で言った。
「そうなんだ。」
仲良くなれれば良かったんだけど。
放課後になると、何故か僕と晴とその他数人でプロレスのリングがある場所に来ていた。
「このリングは?」
「それは私が設置したものです。ちなみに私は御堂キリノです。」
青髪のロングの女子が発言する。
「ちなみにこれは一体?」
僕が聞くと、晴はスゥーと大きく息を吸い、
「第一回!プロレス大会!」
すかさずキリノは解説を入れる。
「これは私と内田くんで企画したものです!趣旨としては皆さんに絆を深めてもらうため。ルールはリングの上で二人で戦ってもらう感じです。10秒以上地面に倒れた方の負けです。それでは参加したい人からリングにあがってください!」
「とりあえず出場者は海野と……」
「僕出るの?」
「そりゃあ……そう。」
突然の晴の強制出場命令に驚く。すると、周りから、
「海野、いけ!」
「「「「いーけ!いーけ!」」」」
とコールが始まる。僕はしょうがなくリングに上がる。
すると、もう一人、リングに上がってきた奴がいた。
そいつは黒髪でメガネをかけた奴だった。いかにも地味な見た目だったが、間違いなくただものではない。
「少しは本気が出せそうだ。」
メガネはそういうと、上着をぬぐ。
「おー!ここで突然の強者発言!それでは開始!」
「いや、はじまるのも急だな!」
僕がツッコミを入れると同時にメガネが殴りかかってくる。動きはなかなか早い。だが、格闘技は少し齧った程度らしく、隙だらけだ。メガネのパンチしようとする腕を掴み、メガネの殴ろうとする力を受け流しながら、床に叩きつける。そこから床に押さえつけ、10秒。
「勝者!海野源!それでは次の試合は〜!」
「次もやるのか……」
「僕が行きます!」
名乗り出たのは晴。
「ここで解説の内田さん!出場です!ここからの実況は私、キリノが行います!」
晴がリングに上がってくる。
晴がリングに上がると同時に試合が開始する。
晴が攻撃してくる。拳に握られているのは……メリケンサック!?
「審判!」
「はい!なんでしょうか!」
「暗器の持ち込みはありなんですか。」
「これはですね!戦いなんです!当大会はルール無用です!」
次に、取り出されたのは特殊警棒。晴はそれを降ろうとしてくる。
「暗器めっちゃ持ってんじゃねえか!」
僕はそう叫びながら晴の腹に後ろ蹴りを決める。晴は苦しそうな顔をする。
「これは敵いそうにないか……」
次の瞬間、晴は少し呼吸を乱しながらリングから離脱した。その瞬間、自然と集まっていた野次馬たちがざわめく。
「おい!逃げるな!」
「これはリング外乱戦ですね。選手が途中で逃げた場合、リングの外で戦うことができます!観客の皆さんも参加できますよ。」
「俺は内田に賭けてるんだ!こうなったら海野に立ち向かって足止めをするしかない!」
「おい!何やってんだお前ラァ!」
「あれは……風紀委員!?」
「やべえよやべえよ!」
君島桜は何やらグラウンドの方で騒ぎが起きているので少し野次馬することにした。
グラウンドについた桜が目にしたのは大量に倒れている男子生徒達とその中で一人だけ立っている銀髪の長髪を後ろで束ねている男。海野源。何故か内田を踏みつけている。
「?????」
海野はこちらに気づくと、
「これは誤解なんだ!」
「まあとりあえず、海野くん、内田くん、キリノさん。来てください。とりあえず話を聞きましょう。」
その後1時間、以上僕らは説教を受けた。
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