62話目
分割二つ目!
白くて全体的に細い大きく、そして向こう側が見えるくらいスカスカな体で、頭はところどころひび割れており、その眼孔に1つだけ目玉が入っている。
がしゃどくろ。
昭和中期に創作された、埋葬されなかった骨や怨念からできた巨大な骸骨の妖怪だった。でも振り返れる構造をしてるなら、振り返らせればいい。
あたしはナイフを抜刀して携帯を耳に当て、《メリーさんの電話》を発動。ナイフを分身させて、《ポルターガイスト》で浮かせる。
《もしもし? あたしメリー。今あなたの目の前にいるの》
「私たちはクータロの背中に隠れて、クータロを支えるよ! クータロは盾を床に突き立てるかどうにかして固定したあと、スキルで出来るだけ硬くすること! あとはメリーに任せる!」
あ、アヤたちも前にいるの忘れてた。でもアヤがすぐに指示を出してくれたし、あたしに任せるって言ってくれたみたい。あたしを信じてくれてるんだね!
それに対して、他の3人は反対の声をあげた。
「はぁ!? アヤちゃんそれはさすがに無理があるって!」
「そうだぞ、アヤ! 撹乱くらいならできるだろうが!」
「そうッスよ! メリー様だけにやらせるのは反対ッス!」
「もうメリーが抜刀してるの!メリーのスキルは抜刀してるだけで、発動条件を満たしてるんだよ!?」
「「「えっ?」」」
「メリーのスキルは、振り返ったら即死ダメージなの! これに敵も味方もないから、私たちは撹乱とかで動くよりも固まっていた方が安全なのよ!」
あたしを信じてるんじゃなくて、安全性を取った結果らしい。間違ってないけど、その言い方だとあたしが無差別殺人鬼みたいじゃん。はい、そこ! じゃああってるじゃんとか言わない! あたしは無差別殺人鬼じゃなくて、恐怖愛好家みたいなやつだから!
とりあえずは納得したみたいで、指示通りに全員が動いた。これでがしゃどくろに集中できるね。
それにしても、吸魂の携帯電話の効果が薄い。
がしゃどくろのレベルは、あたしよりも高いらしい。できれば早く振り返ってほしいところだね。
あたしはナイフを投擲して、あたしの容姿にカスタムした人形を生成できる限界の数を、がしゃどくろを囲むような半円を作るように生成する。がしゃどくろの後ろは空中だから無理だったので、半円になっちゃった。まあ、これでも十分かな?
《さあ、あたしはどーれだ?》
がしゃどくろは、まっすぐ手を伸ばした。まあ、さっきまで一人だったんだから最初にいた位置を狙うよねー。あたしはそれじゃないんだけどなぁ。
あたし? あたしは自分の下にナイフを指した瞬間、なんのスキルも使用していないナイフのところにワープしただけだよ?
ちなみにあたしがいるのは、がしゃどくろの真横でがしゃどくろを挟んで向こうにはあたしの人形もいるので、1度あたしの方を向いてからあっちを向けばオッケーなはず。
それはともかく。がしゃどくろが人形を掴むと、人形はそれを合図にして爆発した。
これはあたしがアヤたちの反応を見てる間に取ったスキルで、名前は《自爆》。自分の最大体力のダメージを与える代わりにデスペナが2倍になって死に戻りするスキルだよ! マルマ〇ンだね!
ずいぶん前からこれを人形に使わせると、多分あたしが使ったときと同じ結果になるんじゃないかと思っていたんだけど、検証する暇も取る暇もなくてぶっつけ本番で使った。
結果は予想通りだったね! しかも使ったのは人形だから、あたしにはダメージはないっぽい!
人形の爆発を喰らったがしゃどくろは、片腕を木っ端微塵にされ怒ったように呻き声を出した。
あたしはそれを見て、賭けに出ることにした。
《もしもし? あたしメリー。今あなたの横にいるの》
あたしがスキルでそう言うと、がしゃどくろはもう片方の腕であたしを掴もうとして、止まった。どっちが本物か分からないんだね、多分。
さっきの爆発のことがあって慎重になっているみたいだ。あたしはそんながしゃどくろに更に言葉を重ねた。
《どうしたの? あたしはこっちだよ?》
がしゃどくろはどっちなのか分からず、見比べるためだろうか、あたしの方を見てから振り返って、首を落とした。
大きな地響きがしつつ、がしゃどくろは消えていった。
どうやら賭けに勝ったらしい。これで、今度こそイベントは終わりかな。
《また、遊ぼうね?》
全部のスキルを解除して、あたしはアヤたちの方に歩み寄ろうとして……気がつくと、通常サーバーの噴水広場にいた。
なんで?
ログを確認してみると、『シークレットクエスト『都市伝説:がしゃどくろ』をクリアしたよ!』というログがあったので仕留め損ねた訳じゃないと。うーん、運営に連絡取ってみる?
質問メールをしてみると、《自爆》のデメリットで2回死んだ扱いになったと思われるとのこと。
生成した人形はスキルを解除して人形を消すときに、はじめてあたしの方にデメリットが来るのだとか。今まであまり使わなかったのと、使ったあとはデメリットが軽すぎで分からなかったみたい。だって《後ろの正面だーれ?》しか使ってないもんね! 現存体力の半分とか、使いすぎたら誤差になっちゃうし分からないよね!
とりあえず、疑問が解決してよかったよ。
これで本当にイベントは終わりだね。疲れたからもうログアウトで。
報酬? 次ログインしたときにでも、もらえばいいよ。
七不思議じゃないじゃねーか!
いいえ、誰もメリーが学園七不思議を攻略するとか言ってませんし、本所七不思議を攻略してるので問題ないです、はい。
Twitter始めました。
アカウントは@jisinaru_46buta
名前は自信だけはある白豚、そのまんまだな!
感想、評価ポイント待ってるぜ!←ここまでテンプレにする予定。




