42話目
もしもし? あたしメリー。今……今……。
「ここどこぉ……」
涙目の状態で、迷子になってます。誰か助けてぇ…。
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はじめは大通りを歩いて、屋台やお店をチラッとみて冷やかすだけだった。でもたまたま、本当にたまたま路地の方に目が行った。それだけ。
暗くて灯りがないと歩けなさそうな路地で、それでいて入口を見ただけで迷路になっているんだろうなと感じる雰囲気を持っていたどこもおかしくない路地。
その奥の方に弱いけれど灯りが見えた。誰かが入ってしまって道が分からなくなっているのなら、助けた方がいいよね。
そう安易に思って路地に入ってしまったのが、運の尽き。
はじめは弱かったけれどもしっかりとあったはずの灯りが見えなくなった。辺りを見渡してみるが、あるのは遠くから小さく聞こえてくる拍子木の音だけで灯りはどこにも見えない。
そしてとりあえず灯りが見えないことには……ということで現状を確認しているときに気がついた。あれ? 道どうだったっけ? と。
あたしは迷っているであろう路地にいる灯りの主に道を教えようと路地に入って……その道を忘れたのだ。
ミイラ取りがミイラになるってこういうことなんだ、と場違いなことを考えて現実逃避をして、少しあとに気持ちを強く持って現実を直視しようとした結果が冒頭のアレである。
少し考えればムチャだって分かったのに! もうここまで来たら帰れないじゃん!
あ!? 普通のゲームならメニューとかにマップがあるはずだよね!? それを見れば分かるんじゃ……。
あたしは立ち止まったままメニューを開いて、色々と扱ってみるとマップを見つけたのでそれを開いてみる。
やった! これで道が分かる! と思ったのだがマップには大通りしか書かれておらず、路地があるであろうところには霧のようなものがかかっていた。ちなみに現在地を示すピンは、無慈悲にも大通りから大きく離れたところに立っている。
それを見て元々涙目になっていたのに、更に目に涙を溜める。一人でこんなよく分からないところにいるという事実に、心はなんとも思っていないはずなのに体が勝手に反応してしまう。
「ひっく……」
ちょっと涙がこぼれてしまったところで、あたしがここに来てしまう原因となった灯りが遠くに見えた。
それを見て、あたしは思った。絶対に文句を言ってやる、と。いや、八つ当たりなのは分かってるよ?
でもそもそもの話、灯りの主がこんなところにいなければよかったんだし少しくらい文句を言ってもいいと思うの。
と、誰も聞いていない言い訳を心の中で言いながら、あたしは未だに弱く光る灯りを追いかけた。
遠くからはまだ拍子木の音が聞こえていた。
メリーさんと言えば迷子になっちゃう話もあったよなってことで、話を繋ぐときに活用!
迷子になったメリーさんは普通に可愛い。




