最終決戦! キリノVSカミヤ
「……お、ようやく来たか」
カミヤが受け付けで俺を出迎える。
「怖くなって逃げ出したかと思ったぜ」
「俺一人だったらそうしていたかもしれない」
「へえ? どうやって奮い立たせたんだ?」
「……ユキが、俺の弱さを認めてくれた。許してくれた。その優しさが俺に勇気を与えてくれたんだ」
「そりゃあまた随分甘ちゃんだこと」
「ああ。俺はずっと情けないまんまさ……」
そう。俺は結局弱いままだ。ユキがいる間だけ、守ろうと必死になることができただけ。
俺は未だに一人じゃ何も出来ないままだし、成長したとはとても言えない。
けれど……。
「カミヤ……。俺が勝つよ」
「お前もケントと同じで自信過剰なんだな」
「違う。俺はあいつよりさらに劣るだろう。お前に勝つ自信なんて微塵もなかった。けれど、ユキが言ってくれたんだ。俺を勝たせてくれるって」
「へえ? お前が?」
カミヤはユキへと視線を向けた。
「はい。私たち、あなたに勝ちますから!」
「そりゃあ楽しみだ。さて、それじゃ行こう」
そう言って一足先に向かったカミヤを追い、俺も受け付けを済ませ魔法陣へと乗る。
眩い光が収まると、大理石で造られたフロアへと着いた。システムメッセージを確認すると『最終試験会場』と表示されており、俺たちのレベルは50に設定されている。
そして……。
「ユキ!」
「キリノ様」
偶然にも、スタート位置は隣だった。
「ディアナたちとも合流しよう」
「はい!」
俺は目薬を使用した後、ユキと共に隣の部屋へと向かう。すると、そこではディアナとヘラクレスが戦っていた。
「ディアナへ加勢しよう」
「はい! 弓矢で援護します!」
俺も弓矢を構え、ヘラクレスへと放つ。だが、そこへカミヤが駆け寄り、盾で防いだ。
「もう大将のお出ましか!」
「せっかくの楽しいゲームだから、存分に遊びたくてね。そういうわけで……」
カミヤが言いきるより前にディアナとヘラクレスはお互いの剣を突き刺した。両者とも倒れたというシステムメッセージが流れる。
「この二人はこれで決着。さあ、こっちへおいでよ」
そう言うとカミヤは通路の先へと消えていった。
「待て!」
俺もそれを追い、通路へ向かう。そして、そこを抜けた先には首のない騎士と共にカミヤが待ち構えていた。
「紹介するよ。デュラハンだ」
カミヤは首無し騎士デュラハンの乗る馬へと触れた。
「お前も幽体化の首飾りくらい装備させているだろう? そろそろ来る頃だ」
そう述べた瞬間、壁からジャンヌダルクが現れた。
「パートナーモンスターはハンデとして認めてやるよ」
カミヤは挑発的な笑みを見せる。
「主よ、ご命令をください」
「ジャンヌダルク。俺を馬に乗せて戦ってくれ」
「かしこまりました」
俺は白馬へと跨がった。それと同時にカミヤもデュラハンの乗る黒い馬へと跨がる。
「勝負だカミヤ!」
「ゲームスタート!」
目まぐるしく視界が過ぎゆく中、俺は必死に弓矢の狙いを定める。
一方カミヤは激しく移動しているにもかかわらず即座に矢を放ってくる。ジャンヌダルクがそれを盾で必死に防いでくれているが、いつまで耐えられるかわからない。
と、その時マップへ敵と味方のアイコンが増えた。それぞれ別な通路からイシスと三蔵が入ってきている。
「三蔵! あいつらがしっかり準備してきたのか試してやれ!」
そう言うと三蔵は地面へと杖を突いた。システムメッセージを見るとスリープとパラリシスを使用したと表示されている。
「イシス! こっちも対抗だ! 少しでもいいから、あいつらの動きを鈍らせてくれ!」
その指示の直後、イシスもスリープとパラリシスを使用したとシステムメッセージに表示される。
そして、苦戦しつつも粘っていると、不意にデュラハンの動きが止まり、反動でカミヤは馬から落ちた。
「おっと!」
しかし、上手く着地し即座に弓矢を構え直す。そして、ジャンヌダルクとイシスはショットガンアローを浴びて散った。
だが、ユキが隙を突いて放った矢が命中し、デュラハンも崩れ落ちた。
俺はその間にカミヤと距離が離れていた三蔵へと狙いを定め、シルバーブレッドを放つ。こちらも命中し、なんとか倒しきることが出来た。
「さてさて、それじゃあクイーン戦と行こうか。来い! ヘルクイーン・エキドナ!」
カミヤの声に反応し、空から竜が舞い降りた。顔はティアマト同様に人間の女性だ。
「こっちだってドラゴンはいる! 来てくれ、スカイエンプレス・ティアマト!」
俺の呼びかけに応じ、空からティアマトがやって来た。
「さあ、第二ラウンドだ!」
カミヤはエキドナへと飛び乗り、上空へと舞い上がる。
「ティアマト。俺とユキを乗せてくれ!」
その声に応じるかのようにティアマトは向き直った。
「ユキ! あいつらを倒すぞ!」
「はい!」
俺はユキと共にティアマトへと乗り、しっかりとつかまる。
「飛べ! ティアマト!」
その声に反応し、ティアマトは飛び上がった。




