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マスタークラス

 とりあえず闘技場の受け付けへ向かい、持ち込めるアイテム数と連れてくことのできる仲間の数を確認した。今回は三つまでのアイテムと三体までの仲間で挑むルールらしい。

 その情報を頼りに、俺は持っているアイテムを慎重に吟味し続けた。

 スリープもパラリシスも全く効かないというわけではないにしろ、期待する程の効果はまず間違いなく発揮しないだろう。そうなると単体にしか効果のない睡眠薬や痺れ薬はもっと不要となる。

 敵の耐性にかかわらず一定の効果を発揮するものがないかと考えていると、チェンジやワープ薬などの位置を変えるアイテムに行き着いた。特にワープ薬は自分に使用する他、強力な敵をどこかへ飛ばすために使えるため用途が幅広い。


「今回はワープ薬を三つとも俺が持つ。なおかつ、これはフロアに到着したら即座に使う。最初はユキに持たせることも考えたが、使った結果敵の密集地へ飛んでしまう可能性がある」

「そうなった場合、私はどうすれば……」

「そうならないように考えるのが俺の役目だ。ユキと最短で合流する方法を考えた結果、この答えに行き着いたんだ。ディアナとイシスは自力で何とかなるだろうし、これが一番いい作戦だと信じる」


 そう言って二人の顔を見たが、相変わらずノーリアクションだ。


「それと、装備も充実させとかないとだな」


 俺は羽根の首飾りと武器防具弓矢をイシスに、麻痺除けの首飾りをユキに渡した。

 全ての準備が整い、俺は受け付けを終えて魔法陣へと乗った。

 眩い光が収まり、視界が広がるのと同時に『マスタークラス闘技場』というシステムメッセージが流れた。

 辺りを確認すると壁や床が大理石で造られており、周囲には誰もいない。


「ユキ、そっちの部屋の情報を頼む」

「西と南へ続く通路があります。敵はいません」

「わかった」


 俺がいる部屋は南西の隅に位置している。ユキの居場所はおそらく北東だろうから、真逆の位置だ。


 俺はすぐさまワープ薬を使用した。着いた先は真西の部屋で、先程俺がいた部屋と繋がっている。

 念のため東の通路から中央の部屋を調べたが、ユキの姿はなかった。代わりにゴーストの姿が見えたので、俺はすぐさま二個目のワープ薬を使用し、難を逃れた。

 そして……。


「……キリノ様!」


 着いた先でユキの姿が目に入った。


「上手く合流できてよかった。イシスやディアナも早く探そう」

「はい」


 マップを確認すると、予想通り北東の部屋だった。先程通った部屋の情報も含めると、二人の居場所と敵の位置はかなり絞り込める。

 それを頼りに探索を進めてゆき、他の部屋への通過点として中央の部屋を再び訪れたその時。


「キリノ様! あれを!」

「ああ。わかってる」


 丁度ディアナとイシス、それから敵がそれぞれ別な通路から入ってきたところだった。奇遇にも、これで全ての敵と味方が集結したことになる。


「まずはあいつだ!」


 俺は迷わずウィッチへと狙いを定め、最後のワープ薬を投げた。

 このタイミングで一番されたくないことは、あいつに強制的にワープさせられることだ。せっかく味方が集まったというのに、誰かが欠けてしまっては大きな痛手となる。

 幸い、敵が魔法を使用するよりも早くワープ薬が命中し、ウィッチは北西の部屋へと飛ばされた。一度居場所がわかったモンスターは、どこかへ飛んでもマップに映る仕様のようだ。

 そして、ディアナも即座にゴーストを倒し、残り一体となった敵モンスターのバジリスクへと向かってゆく。

 イシスは敵兵のすぐそばだ。


「イシス! 俺と位置を変われ!」


 そう呼びかけるとイシスは目を閉じた。次の瞬間、俺の目の前にあったのは敵兵の姿。


「一気に決着だ!」


 厄介な魔法を使われる前に、俺はすぐさま剣で切り払った。接近戦には弱いようで、杖で対抗してくるものの容易に捌くことができる。おまけにユキも弓矢で援護してくれるので、戦いやすい。

 そして、何度か斬撃を浴びせていると、敵兵は倒れて動かなくなった。

 それと同時にマスタークラスクリアとのシステムメッセージが流れ、気が付くと受け付けへと戻っていた。


「マスタークラスクリア、おめでとうございます。お預かりしていたリュックをご返却いたします。コロシアムでご使用いただいたワープ薬を補填しました。なお、こちらは賞品の妖刀ムサシです」

「ありがとうございます」


 俺はその剣を受け取った。


「それでは、またの挑戦をお待ちしております」


 早速もらった剣をシステムメッセージで確認してみると、どうやら周囲全てを攻撃することが可能なようだ。


「キリノ様、今回も勝利おめでとうございます!」

「ありがとう」


 ユキが満面の笑みで祝福してくれている。賞品なんかよりも、こちらの方が俺にとっては何倍も価値がある。


「さて、そろそろ決着が近いはずだ。予め渡されていた試験日程によれば、明日が最終日だから」

「そうですね。気を引き締めて最後のダンジョンへ向かいましょう」

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