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恐ろしい能力

 敵に囲まれる前に二人が辿り着くことを祈り、俺はただただその場に立っているだけだ。

 目の前には先程俺を石化した張本人がいる。

 そして、マップを確認すると敵が三体この部屋へと入ったようだ。それがどんな敵なのかは、この体勢では視界に入らないのでわからない。一つ確かなことは、それはどうあっても厄介な敵であろうということだ。


 まさかこんな恐ろしい敵がひしめいていたとは……。もう少しレベルを上げておけばよかった。

 こうやって後悔している間にも、周囲にモンスターが集まってきた。先程は三体しかマップに表示されていなかったのに、どこから湧き出たのかすでに十体以上が俺を囲んでいる。

 だが、今のところ襲ってくる様子はない。石化中の相手に攻撃することは不可能ということなのか。

 この効果が切れた時、こいつらは一斉に俺へと襲いかかることだろう。

 さすがにもうダメだとあきらめかけたその時、周囲のモンスターを激しい雷が襲った。あれ程の大群がそのたった一撃で消し飛んだ。


「キリノ様、ご無事ですか!?」


 ユキからのメッセージが脳内に届き、俺はマップを見た。入口に味方を表す黄色いアイコンがある。


「大丈夫。少し焦ったけど、ダメージは受けていない」

「安心しました。今そちらへ向かいます」

「わかった」


 そうメッセージを送った直後に石化が解け、俺も東の方へ向かい二人と合流した。

 その間にも敵の使う技の情報を教え、警戒するよう伝える。どこかにワープさせてしまうウィッチはすでにユキたちも見て知っているが、あの石化スライムのことは教えておかないといけない。

 俺を苦しめた石化はそれ程厄介で恐ろしい能力だ。特に、サマナーのように敵を呼び寄せるモンスターと一緒に出てきたら目も当てられない。こちらが動けない間にどんどん敵が増えてしまうことだろう。

 そうした敵は近づく前に倒すに限る。弓矢や魔法書による攻撃で先に倒すか、もしくはこちらがスリープの魔法書や睡眠薬で自由を奪ってしまうのがよい。

 そうこう考えている内に合流した。そして、俺は今の内に二人に言っておかなければならないことがある。


「二人とも、アイテムは惜しみなく使っていいから。敵が能力を使う前に倒すこと、いいな?」

「了解です」

「承知した」


 対策も充分に立てたので、再び探索を開始した。

 慎重に各部屋の様子を見て回り、敵がいたら即座に倒す。アイテムを回収し、レベルを上げ、不意の出来事にも対処できるように力をつけていく。


 そうして順調に十九階まで辿り着いた。もう先程のモンスターたちは各自で対抗できるようになり、石化の持続時間もレベル依存だったようで、今はもう二十秒程で効果が解ける。

 それでも念入りにレベルを上げ続け、充分に強くなってから二十階へと下りた。

 俺がここまで警戒し、これ程までにレベルを上げ続けたのはコロシアムのモンスターが脳裏にちらついたからだ。おそらく毒を持っていて、もしかしたら石化も使用してくるかもしれないバジリスク。そして、倒さない限り半永久的に催眠能力を使用してくるヒュプノス。

 他のモンスターも何をしてくるかわかったもんじゃないし、できる限りの準備をしておいた。


 さて、階段を下りてすぐに辺りを確認したが、どうやら最初の部屋には敵がいないようだ。迂闊うかつに出歩くより、この部屋で待機してどんな敵がやってくるか観察すべきか。


「ここでしばらく様子を見よう。どんな敵がいるのかを探り、それぞれへの対抗策を講じる」

「了解です」

「承知した」


 全員で通路の横に陣取る。ここなら通路からは死角になっているので、弓矢を先に構えていれば先制攻撃することが可能だ。

 そして、時々後方も確認する。この部屋は通路が一つしかなく、なおかつ壁に囲まれているので不意打ちの危険性は一見ないように思える。しかし、もしかしたら壁をすり抜けてくるような敵がいるかもしれないので、一応は確認を怠らないようにする。

 そうして敵を待ち構えていると、通路から何者かの足音が微かに聞こえた。迎撃するために俺は通路の前へ飛び出し、即座に矢を放った。その一撃で倒れた敵は、あのヒュプノスだった。


「コロシアムで戦ったモンスターだ。ここからは敵が強くなるだろうから、充分に気をつけろ」

「そうですね。エキスパートクラスではかなりの苦戦を強いられましたから」


 ここからはディアナに任せっきりではダメだな。今はまだこの部屋から出ていないからいいが、移動中は複数の敵を相手にすることになるだろう。その時のために、俺もしっかり戦えるようにしておかないと……。


「キリノ様、何者かが地面を這う音が……」

「何!?」


 俺は再び通路の前へ飛び出し、構えていた弓で矢を放った。その先にいたのは真っ白いコブラ……あのバジリスクだ。


「来たぞ、バジリスクだ! ディアナ、前方を頼む!」


 俺が通路から飛び退いた後、ディアナが敵へと走り寄る。攻撃を光の盾で防ぎつつ、的確に反撃している。何度かその剣がバジリスクへと突き刺さると、やがてその動きは止まった。

 あれ程強いディアナでもこんなに時間がかかるとは……。

 これだけタフなモンスターに囲まれたら困るし、やはりしばらくここで戦うことになりそうだな。

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