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幼なじみ婚

作者: 桂野耀里

私が住んでいた町は幼なじみ同士の結婚が99%と異常な割合だった。

いつ頃からか幼なじみ同士の結婚が当たり前と周りは思っていた。

そんな思惑が嫌で、抗いたくて、町を出て遠くの大学を選んだ。

好きな人が出来て、社会人3年目でプロポーズを受けて、今日、結婚する。


相手は、小さい頃から一緒にいた幼なじみだ。


「何でこうなった」


そうボヤいた私に彼は、にっこりと笑顔を向ける。


「そりゃ、ずっと好きだったからね。振り向いてもらうのに必死だったよ」


「大学デビューまでして?」


出会ったのは、いや、再会したのは大学2年の時、他校との合コンに呼ばれた時だった。

彼は、ふんわりとした雰囲気で色白の優しい顔だった高校の頃までと違い、茶髪でパーマをかけ健康的に日焼けして少し髭を生やしていた。

見た目は好みじゃなかったけど、とある出来事がきっかけで好意を抱くようになった。

合コンではフルネームじゃなかったこともあって全く幼馴染と気づいてなかった。


「せっかく遠くの大学選んだんだからね。羽目を外し過ぎない程度に変えてみたんだ。まさかプロポーズまで俺って分からないとは思ってなかったよ」


「一年で変わり過ぎて別人てずっと思ってた」


ため息を吐いてがっくりと項垂れる。



小さい頃から彼がいるのが当たり前で、この頃から何となくこの人と結婚するのかもと思っていた。

そんな漠然とした考えから逃れたくて町を出たのに。


「これも運命かね」


ずっと好きなのには変わりないのだから。



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