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新しい、魔法!

 足元が光り輝くと同時に、魔法陣のようなものが現れる。

 私の足元は複雑な幾何学模様が浮かび上がった円陣の外部にはもう一つ円陣が有り、その内側と外側の円の間が12個に分けられている。

 その分けられた各々の欄には違った模様が浮かび上がっている。


 その光輝く魔法陣からは、小さな赤く輝く光の粒がふつふつと浮かび上がり消えていく。

 それは見ているだけで綺麗で、いかにも魔法っぽい感じがして私は感激した。

 けれど、そんな私の気持ちを下の方にいかせるような発言をサポート役がした。


「ベルの魔法はダンス魔法だから、その魔法陣の外側の文字を俺が言うとおりに踏みつけていってくれ。あ、その踏む順番は時計をイメージして、目の前を12時として……、12、2、6、4、10」

「ちょ、ちょっとまってよ、時計の文字盤の位置を踏めって、すぐに出来ないわよ!」

「何でだ? ほら、9時の方向とか言うだろう?」

「何処の世界の話よ! そんなにいきなり言われても、せいぜい前と後ろとかそういった感じでしか慣れてないから無理!」


 慣れていない指示では、とてもではないが出来る気がしない。

 私がサポート役にそう告げると彼は少し黙ってから、


「じゃあ、ベルの目の前を上として後ろを下にする。後は右と左、それでいいな」

「それならぎりぎり何とか……って、マリアがこっちに向かって何か構えているじゃない!」

「あー、あいつの性格だと、こちらが魔法を打つ前に攻撃せず待っているなんて事はしないだろうからな。でも大丈夫だろう、こちらの魔法のほうが速い」

「? 確かにステータスはこちらの方が速度や回避も速い?」


 そう私が思って表示されたままのステータスを見ると、サポート役が笑う。


「ベルの固有能力は、魔法発動時に、周囲の時間が遅くなる、だろう? 魔法陣が発動しているからこれが発動している間は時間の経過がゆっくりになる」

「そうなんだ、って、だったら何で貴方は私とこんな風に普通に話せているの?」

「それは、サポート役なのでベルと感覚等を同期しているからな。いわば感覚を共有している状態だ。さて、初めての魔法……これは全部ベルの責任だからな」


 不穏な言葉を最後に付け加えやがったサポート役を、私はえっと小さく呟いてみるがそれに関しては答えず、


「上右下下左右……」

「ちょっ、速いよ、このっ」


 私は言われた通りにその場所を踏んでいく。

 時計の文字盤では12時のところが上、6時が下、3時が右、9時が左だなと思いながら、でも時間では分からなくなりそうと小さく毒づいて言われた順に踏む。

 その場所を踏みつけると同時に、そこに現れた文字がふわっと浮かんで有る一定の高さで宙に止まる。


 その文字の光は踏んでかラしばらくすると段々に輝きが失われてくる。

 消えたらどうなっちゃうんだろうと私は思いながらも更にサポート役の指示通り、


「上下右右左左上上下、よし、我思うが故に我あり(コギト・エルゴ・スム)

「……ここをこうしてっと我思うが故に我あり(コギト・エルゴ・スム)


 はじめに唱えた言葉をもう一度呟く。

 同時に螺旋状に連なった先ほどの文字がくるくると大きな輪を描くように私の周りを回り出し、その始りと終わりの文字が繋がり一つの大きな赤い光の円が現れる。

 そこで私の腕が燃えた。


 悲鳴をあげようとするが、それは私の右腕に絡みつき更に大きくなり、そして私の足は何かに操られたかのように走りだし、ヒロインマリアに向かって空高く飛び上がり、私の口は勝手に動いて、


「必殺……」


 必殺ってなんですかぁああああ、と心の中で悲鳴を上げる私を無視して、私の腕の炎は更に激しさを増し、


「“炎の槍(ファイアー・ランス)”」


 そう告げると同時に、腕の拳を突き上げ私の体はマリアに向かって特攻する。

 あまりな展開に何が起こったか分からず私は涙目でマリアに向かって特攻攻撃をする。

 けれどそれをマリアは両手をばってんにするように防御する。


 それ自体に魔力の障壁か何かがはってあったのかもしれない。

 私の攻撃はマリアには届かず、私の腕に絡みつく炎の魔法が消え失せると同時に私の体は自然と始めの立ち位置に戻っていた。

 あまりのことに立ち尽くす私にマリアが叫ぶ。


「今日の所は、これくらいにしておいてやるわ。でも、油断はしないことね、貴方は私が倒すわ!」


 そう、どこかの好敵手のような台詞を告げて、ヒロインであったはずのマリアは、私の目の前からいなくなったのだった。

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