仲間のお手伝い禁止宣言
私がお願をしようとするとレオンは、
「物によるな。あの程度捕まえられるようにならないと、今後が大変そうだしな」
「実は私の頭の中にインストールされた魔法があってね」
私はレオンに、にっこりとほほ笑んだ。
そのまま足元に展開した魔法陣が纏う文字を幾つか踏んでいた。
それに何か嫌な物を感じ取ったらしいレオンが、
「……何を協力させようと?」
「頷いたら教えてあげるわ」
「手伝いは無しだ。自分の力で頑張ってこい」
「残念だわ。だったら強制的に使うのみ♪」
レオンが私から離れようとした。
けれどすでに魔法陣は展開済み。
そして、最後の一文字を踏みしめて、
「“風の大砲”」
私がその言葉を叫ぶと同時に、光り輝く文字の輪がくるりとほどけて、レオンの周りに回った。
「というわけで、レオン、go!」
「おいっ、やめっ、うわぁああああ」
そこでレオンの周りに風が渦巻いてレオンの体が宙に浮かび、そのままシンシアの元に飛んでいった。
狙いを定めて傍にいる人物を吹き飛ばすという、ちょっと危険な? 移動手段の一つなのだけれど、こうやって私は使ってみました。
決して日ごろ大変な思いをさせられたというか教育させられたのを根に持っているわけじゃありません。
いえい!
そして飛んでいくレオンを皆ていた私だが……失敗してしまった。
レオンが途中で地面を蹴り、速度を抑えて、そしてシンシアがそれをよけたからだ。
ほぼ紙一重の攻撃に失敗した私は更に追いかけていくとそこでレオンが走ってきて、
「今日は手伝わないからな」
「あのままシンシアに触れちゃえば、私の勝利だったのに」
「俺はサポート役。ベル自身が強くならないと駄目だろう」
「む~、ケチだね。あ……」
そこでシンシアが逃げていった方向からエリスが歩いてきている。
よし、新たな仲間がゲット―と思った私。
なので大きな声で、
「エリスお姉様~、そこのシンシアに触れて下さい~」
「? ああ、そこの子? 良いわよ」
そうエリスが不思議そうに答えて、地面をけった。
ぱしんと軽く乾いた音がして、シンシアに触れる。
今の動き、私は全く見えなかった。
やっぱりこの人強いな、と思うと同時に私と戦った時は手加減してくれていたのだろうかと思う。
私、レベルも低いしな……そう私が嘆いていると、シンシアがエリスにその青い石を渡す。
けれど受け渡した時にはもうシンシアは逃げていて、しかも、
「ベルネット、貴方にこれほど沢山の仲間がいるって思わなかったの。だからあなたの実力を見るために、仲間はこれ以上増やしたらだめって制限付けるから」
と言われてしまった。
流石に他の人達の力を借り過ぎた、
「く、残念。エリスお姉様、後でその青い石を回収に向かいます」
「……分かったわ。頑張ってね、ベルネットちゃん」
そう手を振るエリスを尻目に私は更に駆けていく。
とりあえずは魔法陣の展開をしながら、時間の速度をを少しでもお染めて追いかけていく。
気付けば図書館のすぐ傍まで来ていて、何故かレオンが不機嫌そうな顔になる。
何でだろうなと思って追いかけていくと、そこでぎょっとしたようにシンシアが立ち止まる。
チャンスだ! 私はそう思って更に走る速度を上げたのだった。




