好奇心は猫をも殺す
そんなこんなで私は寮に戻り、眠る。
次の日は、気持ちの良い目覚めと共に町にお買い物でも~と気楽に考えた私が、食事後にレオンにゲットされて、魔法の練習でまたしてもつぶれてしまう。
途中ランディとウィルが差し入れのお昼を持ってきてくれたり、ランディの高度ダンス魔法を少し教えてもらったり色々した。
ちなみにその日はマリアは特に私の前に現れなかった。
レオンに聞いた所、
「……水遊びでもしているんじゃないか? 明日のお昼頃には帰ってこれるだろう」
何処か遠くを見る様に呟くレオン。
何をしているのか聞きたくなったが、私はそれを抑えた。
そうして楽しい……とは言い難い休みが終わり、来週こそはお買い物に言ってやると決めた私は、朝の授業を受けていた。
マリアはまだ来ておらず、平穏無事な時間が流れている。
だがそんな私に訪れた3限、事態は急変する。
そう、その時間は移動教室で、「理論魔法」の時間だったのだ。
古い石の校舎、その内側にやってきた私は見てしまった。
壁にある窪みが三つある魔法陣がある。
そしてその窪みは丁度青い石を入れるのにいい。
後は分かるな。
しかも私の席はその壁際だ。つまり、
「……ちょっとくらいならいいかな」
「ベル、何をする気だ」
隣に座っていたレオンが私に言うが、私は、
「いや、ちょっとそこに青い石を入れてみようかと」
「おい、止めろ」
「聞かないよ~、だってこれの事、玩具玩具言っているんだから別にかまわないでしょう?」
「いや、玩具といっても……まあ、悪役ってついているし良いか」
「……待て、何でそれが付いているのが関係して……」
そこで三個目の青い色の意思を入れた私は瞬きする。
かちっという音がした。
同時にその魔法陣がゆっくりと回転し始めて、
「タダイマ、キドウボタンヲカクニンシマシタ。トナリア・ゴーレム、キドウシマス」
といった様な、抑揚の無い機械音声がした。
私はとても嫌な予感がした。
そして本日の「理論魔法」の教師が、
「ベルネットさん、一体何をやったのですか!」
「わ、私にもよくわかりません!」
そこで私の頭上から、地響きのような重い音共に青空が見えたのだった。
今の時間帯は、上の階では授業は行われていなかったのは幸いだった。
天井が引き剥がされるように、何かが起き上がった。
見上げた私の目には、何かがせせり上がってくる。
それは石で作られた顔だった。
円筒形石に目と口と鼻が付いている。
ちなみに目の部分は赤い石が入っている。
そこで肩の部分から腕の部分まで石を繋げたような体が私達の前に現れる。
その巨大な石の人形は完全に立ち上がると手を伸ばし、赤い瞳の部分がキラーンと光った。そして、
「がごおおおおおおおお」
雄叫びを上げるゴーレム。
そしてそのゴーレムは動き始め、私の目の前で歩き始めようと足をあげる。
「皆、逃げなさい!」
教師の言葉に私はようやく我に返り、1階だったこともあって私は逃げ出した。
だが、私は逃げていて気付いた。
何だか私の方をゴーレムが追ってきていないかという驚愕の事実。
立ち止まって振り返ると、ゴーレムも止まり、腕を動かし始める。
これって私を攻撃しようとしている!? と思った所でレオンがのんびりと、
「ベルが起動させたから追ってきたんだな」
「く、まさかレオン、知っていたの?」
「そうかもな。で、どうするんだベル。せっかくの魔法の練習の玩具だぞ?」
そういう意味か! と今更ながらレオンのいった意味に気づいた私は、悔しくなる。
でも、ここで私が……。
「ベル、がんばれ~」
「がんばってください~」
私を応援するウィルとランディ。
二人に手伝ってもらえないかなと思ったけれど、ベルのために心を鬼にしますと二人に私は言われてしまったのだった。




