というわけで、カフェテラスに集合
レオンに連れられて私は食堂の傍のカフェに併設された、カフェテラスにやってきた。
そこには既にランディにウィルが来ていた。
彼らの反対側に私とレオンが座る。
四人掛けの白い金属製のテーブルと椅子。
私達の人数には丁度いいなと私は思いながら、
「ランディ、まだ授業中だよね?」
「勝利しましたから」
「? 誰に?」
「ベルが勝利したエリスの執事のバレッジです。私に挑戦する事で、私はベルの元に、バレッジはエリスの元にいけるそうですから」
確かに勝利すれば授業が終わりになる。
なるほどと思いながら今度は私はウィルの方を見て、
「ウィルも早かったね。挑戦を受けたの?」
「あ、はい。僕が一番弱そうなので勝利しやすそうだったから、だそうで」
「酷いわね」
「いえ、でも戦略としては当然かなと。負けた方は相手のお願を三つまでかなえる約束になっていますし」
「……そうね」
そう答えながらも、そんな話知らないわよとと思いながらレオンを見ると、自分は喫茶店のメニューを見ながらどの飲み物にしようか選んでいるようだ。
このマイペースっぷりにある種の感嘆を覚えつつ私は、
「それでウィルは勝てたの?」
「はい、こう見えてランディに連れ回されて、ダンジョン潜りやら何やら散々していましたから。一応僕の方がランディよりもレベルも高いですし」
照れくさそうに笑うっウィルを見ながら、そういえばステータスではそうだったなと私は思い出しながら、なるほどと頷いているとそこでランディが、
「よく言う、涙目で相手に突撃して言ったくせに」
「! 僕はいつも戦闘の時は涙目です! だって怖いし……」
「でも怖がる感情とか怒った感情が特に強いと、ウィルの魔法は威力が上がるよね。私が以前のお怪我した時ウィル、凄く強かったから」
「あ、うん……だって早く医者に連れて行かないとランディが死んじゃうかもって思ったから。服に赤い染みが出来ていたし……」
「あれは途中で手に入れた、“かずらの実”だったけれど」
「知ってるよ! 後から聞いたら気絶しているだけですねって……うう」
ウィルがその時の事を思い出したのか、顔を赤くしている。
そんなウィルの頭をランディがよしよしと撫ぜている。
と、そこで近くで爆音が聞こえた。
「く、これで全部なはず。……ベルネット・マクシミリアン、奇遇ね、こんな所で会えるなんて!」
「あ、はい、そうですね、マリア……」
そこに現れたのは現在進行形で“入学式争奪戦”を頑張っているヒロインのマリアだ。
すでに変身していたようだが、その装備もボロボロだ。
確かに沢山の人数で押し掛けてきたらこうなるだろうなと私が思っていると、
「さあ、これで邪魔ものはいなくなったわ! 私と勝負なさい!」
「……それはどうでしょう」
「あら? どういう意味かしら」
嗤うマリアに私は微笑みながら、後ろを指さす。
そこには沢山の砂煙と共に、
「マリア、私が挑戦する!」
「結婚を前提にお付き合いを!」
「彼氏になるのはこの俺だ!」
口々に叫び、花束を用意している者までいる。
それを見てマリアは、
「く、倒しても倒してもきりがない。またも勝負はお預けのようね、悪役令嬢ベルネット」
「はーい、では、いってらっしゃーい」
そう私は手を振り見送った。
彼女の髪がたなびくと同時に周囲で爆円が起こるのが、段々と遠くなっていくのを見送ってから、
「モテモテだね。ここまで行くと見ている分には楽しいかも」
「だが、結婚を前提にお付き合い……そろそろ趣旨が変わっていやしないか。メイド獲得だったのにな」
呆れたようにレオンがそんなマリア達を見て呟く。
それに私は、これが伝説のヒロイン力! と思っていたのはいいとしてそこで、
「こんにちは、先ほどは失礼したわ」
そう、先ほど私が戦ったエリスが私の前に現れたのだった。




