本日魔法を練習中!
現れた光の円陣。
赤い光を放ち、小さな泡のような光の粒を浮かび上がらせているそれが、私の周りに展開される。
その円陣の周りには12個の文字が配置されている。
確かに、時計の文字盤として考えるなら楽かもしれないが、
「この文字ってなんで12個なの?」
「もっと少なくも多くもできるが、12個が一般的だな」
「へぇ、少ないと何個くらいになるの?」
「そうだな、小学生や幼稚園生向けだと、2個、3個、6個のものが有るな」
その数字の羅列を聞いて、次に12が来ている辺りで何となくそんな気がしたので私はレオンに聞いてみた。
「その次が24個で、その次が48個とか?」
「よくわかったなベル」
「よくも何も、3に2を0個、1個、2個、3個掛けていっただけじゃない」
「そういった規則性はあるかな。とはいえ、日常生活では12個が使いやすいので標準タイプとして使われている。他には多重魔法陣起動という高度ダンス魔法があるが、その場合はその中にこの外側に24個の文字、48個の文字を起動させて行うが……制御も難しいし、ベルの巨大な魔力ではそれほど意味はなさないだろうから特に考えなくていい」
それにそうなんだと私は答えながら、そういえば高度ダンス魔法はランディが使えた気がするなと思っていると更にレオンが、
「それにこの世界では、12という数字を一括りにすることがままある。数字を数えるのには十進法を採用しているが、時計の文字盤も暦である月もどちらも12だ」
「何で12なの?」
「初めは10の月だったんだけれど、俺のご先祖様が暦に自分の名前を入れるんだって騒ぎ出して、二人入って12月になったりしたかな」
そんな無茶なと私は思ったけれど、こうやっていつまでも話していても魔法は使えないので、そろそろ教わろうと思う。
でないと魔法陣も消えてしまいそうなのだから。
「それでそろそろ魔法は使いたいのだけれど……」
「インストールした魔法知識の中に幾つか魔法は入っていただろう。まずはそれの一つをやってみろ」
「ええっと、えーと、うーんと……」
頭の中にある魔法の使い方を探るけれど、いきなり大量に浮かび上がってきてどれを選択したらいいのか分からない。
この炎の魔法だけでも複数あり、どれを選べばいいのか分からない。
うんうん唸っている私にレオンが、
「じゃあ、“炎の花弁”をやってみるといい」
「“炎の花弁”……これか。うう、また踏む所が……く、やってみるわ」
また幾つも踏まないと発動しなくて、この前のように上や下、右左だけでは発動できないので、恐る恐る足を伸ばして文字を踏んでいく。
ふんだ場所からふわりと文字が浮かび上がる。
一個でも間違えればこの文字の羅列は意味を成さないか、別の魔法になってしまうようだ。
その別の魔法が、使用する私自身に危害を加える物なのかすらもわからないのが怖い。
そもそも失敗した場合どうなるのかはこの本の中には描かれていないのだ。
嫌すぎると思いつつ、ゆっくりとした足取りだけれどそれを全て踏み終えた私は、
「我思うが故に我あり」
始りと終わりをつなげる言葉を紡ぐ。
同時に、浮かび上がった文字がくるくると一本のテープ上に並び、それの始りと終わりの文字がくっついて円状になる。
それがくるくると私の周りで赤く輝きながらぱちんと破裂して、5つ程度の炎が花弁が宙を舞うようにに私の周囲に浮かぶ。
これ、この後どうすればいいのかと思いつつ、目のあのあたりで破裂しろと念じてみる。
するとその炎がその辺りまで飛んでいって爆発を起こす。
その爆炎で私の銀髪や服がたなびく程度に強力で、私は目を瞬かせる。
「こんなに強力なのを考えてはいなかったのに」
「技自体が強力だったんだろう、ま、これだけの力があれば並みの魔物はひとたまりはないだろうしな」
「そういえばこれ、この魔法でどの程度私の魔力は減ったのかしら」
消費した魔力がどの程度か一応は確認しておきたい。
出ないといつの間にか魔力が0となっていては嫌だからだ。
そう思って私はステータス画面を起動させて魔力の所に触れると、
魔力:
100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000/100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000
頭の痛くなりそうな0の羅列を見て一つだけ私はわかったことが有る。つまり、
「レオン、私の魔力が魔法を使ったのに減っていかないのだけれど」
「それは魔力や体力は、自動的に回復するからな。使った量が回復量を下回ったんだろう」
その説明を聞きながら、これはもう魔力の量とかあまり考えずに戦闘していったほうがいいのかもと諦め、それからレオンに他の属性の魔法について、どれが良さそうか教えてもらい練習してく。
とりあえずは両手で数えられる程度の魔法に挑戦した私は、
「やり方は何となくわかった気がする」
「そうかそうか、じゃあ週末はこの調子で学園ダンジョンでレベルアップだな」
「週末って明後日だよね。ここ週休二日制だし」
「そうなるな。それまでに完璧に魔法が使えるようにならないとな」
つまりこのダンスの魔法の手順を全て暗記しろとあんにレオンはいっているのだ。
明後日までに。
それを聞いた私は、もうそろそろお家に帰りたいと心の中で泣いたのだった。




