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ヒロインは逆ハーレベルでもてもて?

 寮の部屋は、五階の部屋だった。

 魔法的な何かが動力源らしいエレベーターに乗り、五階に向かう。

 そこにすでに、荷物は運びこまれているはずだった。


 この寮に来る前には食堂でお茶をして時間を潰し、その後は皆で自分が使う教室に向かい、オリエンテーションに出た。

 ただクラスには気属の子達が私達以外にはほぼおらず、平民のこの席は一つ空いていたらしい。

 何故分かったかといえば、先生……黒髪を三つ網にした水色の瞳のドジっ子っぽい先生、ミネルヴァが、


「あら~、マリアちゃんは来ていないから、まだ“入学式争奪戦”をやっているのね~」


 そうのほほんとしたような間延びした声で、ミネルヴァ先生が呟くと同時に離れた場所で爆音と共に白い煙が吹きあがる。

 食事をしている間も様々な方角から爆音が聞こえたが、私は止めて欲しいと思う。

 聞こえるたびに私はびくっとしてしまうのだ。


 しかしここにいる貴族が全員、マリア狙いなんて凄いな~と思う。

 さすがゲームのヒロイン、“暗黒乙女ゲーシューティング”と囁かれたのは伊達ではない。

 貴族の男性達にもてもて逆ハーレム作れるのかなーと気楽に考えながらオリエンテーションは十分くらいで終了して寮に私達は帰る事に。


 男子寮と女子寮は別なので、そこに辿り着く前に私はレオンとウィルと別れ、ランディとともに女子寮にやってくる。

 ちなみにランディは一階に部屋があるらしい。

 そんなわけでまた明日と別れた私は、部屋でくつろぐことにしたのだが……。


「仕切りがあって三部屋。シャワールームとトイレ、台所つき。一つが寝室でもう一つげ勉強部屋、もう一つが皆で遊べる部屋みたいになっている。結構広いかな」


 置かれているベッドなどは、私が初めていたあの部屋ほど豪奢ではなく、全体的によく見かけるような特に装飾のないベッドやクローゼットが置かれており、中には服がしまわれていた。

 全てが生活には何の問題もない程度に整えられている。


「そしてここで私はお勉強っと。本棚には沢山の教科書やら道具やら……く、機能まで苦しんだ本達が私に何かを囁いてくる気がする。……って、そんなわけないし。……折角だからここの宝石箱に、さっき拾った石でもいれておこうかな」


 何となくで私はその宝石箱にその石を入れておく。

 フラグだったら嫌だなと思ったのでいれておいたというのは、秘密だ。

 そこで声がした。


「ベル、今、そちらの部屋に行っても構わないか?」

「いいけれど何処から声がしているの?」

「脳に直接言葉を送り込んでいる」


 なんかそれはそれで嫌な言い方だなと私は思いながらも頷くと、目の前にレオンが現れた。

 先ほど戸締まりはしたのは確認しているし、声が聞こえてすぐに目の前に突然現れたので、瞬間移動したとしか思えない。

 そんな黙っている私にレオンが苦笑して、


「空間転移しただけだ。ベルに事前に連絡してから使うから、そんな顔をしないでくれ」

「……それならいいけれど、それで、何か用?」

「うーん、この前の魔法知識学習用の本で、一冊渡しそびれた応用編の本があったのを思い出したから持ってきた」

「……私、まだ勉強しなくちゃいけないの?」

「まあ、もしもの時のために学べるものは学んでおくのがいいと思うぞ。俺だっていつも手助けできるとは限らないわけだし」

「うう、わかったわ」


 そう言って青い表紙の本を私はレオンからもらう。

 相変わらず分厚いなと絶望的な思いを抱えていた私だがそこでレオンが、


「それで、暗記ばかりだったからこの魔法学園にも入ったことだし、そろそろ魔法の練習をしようかと思う。……おい、ベル、どうして警戒するように俺を見るんだ」

「この前の必殺技の件、私はまだ覚えているんだからね!」

「執念深いな。じゃあこれから練習するのはそういったものではない魔法にしてやるから、行くぞ」

「行くって何処に?」

「この魔法学園には、魔法の練習を自由に出来る場所があるんだ。丁度上の学年の人達はまだ授業中だから空いているだろう」


 そう私はレオンに言われて、警戒しつつもあれ以外の魔法が覚えられるならと思ってついていったのだった。


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