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お前もか!

 執事。

 確かにすでにメイドは一人いるが、欲しい気もする。

 別に逆ハーレムを作りたいというわけではなくて、やっぱり見目麗しい男の子と一緒にいるのもいいな、きっと癒やされるしなと私は思った。


 なのでランディの問いかけに、


「そうね、執事も手に入れられるんだったら欲しいかな」


 そう私は答えた。

 ランディがそれにコクリと頷いて、


「ではどのような方が良いですか? もし好みがありましたら参考にさせていただきます」

「そうね~、やっぱり美形がいいかな」

「なるほど」

「それで性格は大人しいほうがいいかな、こっちのレオンなんかよりも、私にいろいろ丸投げしないような感じが良い」

「なるほど」

「それで一緒にいても楽しいような……いい子がいいな。そんな男の子、ランディは思い当たる?」

「はい」


 ランディは即答した。

 今の内容に当てはまるような人間を即座に思いつけるランディは凄いなと私が思っていると、


「では、今すぐにでも狩ってきましょうか」

「狩るって……確かに捕まえて契約できるといいかなと思うけれど……」


 そんな良さそうな執事物件は、もうとうに誰かが捕まえていそうだ。

 だから今更言ってもどうだろうとは思ったけれど、


「ランディが見つけてくれたから、探しに行こうか!」

「いえ、私一人で十分です。それでは、行ってまいります」


 ランディがそう呟くとともに、ふわりと軽やかに飛び上がり……そのまま、人の走る速度とは思えないような速さで走って行く。

 え? と私は疑問符を浮かべて呆然と彼女を見送っていると、そこでレオンが、


「流石だな、ランディは。しかもベルの思い通りの執事候補を連れてきてくれそうだな」

「レオン、なんだか今、ランディが自動車みたいな速度で走り去っていったんだけれど」

「ああ、ランディは身体を強化するような魔法も使えるからな」

「……もしかして、すごく優秀?」

「そうだぞ、ここの主席で、魔法に関しては複数使えるから……特にダンス魔法に関しては、とても高度なものまで扱うから」

「そんな優秀な子がなんで売れ残り」

「才能だけではどうにもならない事ってあるんだろう。それでどうする? 追いかけるか? ここで待っていても捕縛してきそうだが」

「もちろん追いかけるわよ! そもそも狩りとか捕縛とか、物騒なことしか聞こえないじゃない!」


 そんなわけで私は慌ててランディを追いかけていき、それをまたレオンが楽しそうに追っていたのだった。







 私がその場所に辿り着いた時にはすでに遅かった。

 もっと早めに辿り着ければという後悔がふつふつと湧いてくる。

 すでにきゅうっと呻き声を上げる生徒たちが倒れている。

 

 そのすぐ側の木に隠れるようにして震えていた少年がランディに捕まっていた。


「ラ、ランディ、どうして隠れていたのに僕を引きずり出すのかな?」

「丁度私をメイドとして選んでくれた人が、執事を探していて、その条件がウィルにぴったりだったから」

「で、でも僕、やっていける自信がないし」

「あ、ベル、この子が執事に丁度よいかと。幼馴染のウィルです」


 無表情に言って差し出してきたその男の子は涙目だった。

 名前はウィルというらしく、メガネを掛けた茶色い髪に緑色の瞳のかわいい感じの少年だった。

 大人しそうな感じも良さそう、それにランディと同じで素直そうだな、しかもこの惨状を見て涙目なあたり普通の感性を持っていそうだし、ただ……そう思っていると遠くで再び爆音が聞こえた。

 それにレオンが、


「マリア、まだ戦っているのか。あいつをどうこうできる貴族がいるとは思えないんだよな」

「あっちはあっちで、どうでもいいわ。でもこれどうしよう、気絶しているだけみたいだけれど」

「この時期の風物詩みたいなものだからいいんじゃないのか? それにここにいる奴らは、ランディの走る気流に巻き込まれて気絶しただけだから放っておけばすぐに目を覚ますだろう」


 まさかそんなものでこうなったと思わない私は、この世界ってどうなっているんだろうと思って、そこでじっと私を見るウィルに気づく。

 なので優しげな微笑みを浮かべながら、


「私の執事、お願いできますか?」

「!」



好感度:●○○○○○○○○○



△ピッ!



好感度:●●●●●●●●●●  MAX!




 現れた画面に私は、お前もか! と心の中で思ったのだった。








 そしてそんな私を見下ろす人影が一つ。


「ふふ、ベルネット・マクシミリアン……ついにこの学園に来たようね」


 そんな呟きに私は、全く気づくことはなかったのだった。


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