24話
月曜の朝、文化祭明けの教室は、
少しだけだるそうな空気に包まれていた。
みんな声は出しているけど、
心はまだあの賑やかな日曜に残っているようだった。
僕もその一人だった。
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席に着くと、机の上にまだ小さなテープの跡が残っていた。
あれだけ騒がしかった教室が、
たった一晩でいつもの「場所」に戻っていることが、
なんとなく寂しく感じた。
──でも、これは、元に戻ったわけじゃない。
むしろ、少しずつ何かが終わっていく途中なんだと思った。
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昼休み、教室を出たとき、
階段の下の踊り場で、詩乃ちゃんと隼が並んで話しているのが見えた。
隼が少し照れたように頭をかいて、
詩乃ちゃんがそれを見て笑った。
特別なことを話しているわけじゃない。
それでも、ふたりの間には“もうそこにしかない空気”が流れているように見えた。
立ち止まるほどじゃない。
でも、足がほんの少しだけ遅くなる。
視線を逸らして、何も見なかったふりをした。
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教室に戻る途中、
誰かが「3人って、あんま最近一緒にいないよね」と話しているのが聞こえた。
誰が言ったのかはわからない。
でも、その一言が、
ずっと心のどこかに刺さっていた。




