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12話
「今日、隼と買い物行ってくるね」
詩乃ちゃんから届いたメッセージに、
僕は「了解〜」とだけ返した。
特別な内容じゃない。
何気ない予定のひとつ。
だけどその一文が、
今日一日をやけに長く感じさせた。
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夏休みの午後、
誰とも約束がない日は、やけに時間がゆっくり流れる。
家の中は冷房が効いてるけど、
気持ちは少しだけ重たくて、
僕はスマホを放り投げてベッドに転がった。
天井を見上げる。
蝉の声がどこか遠くで響いている。
じりじりと、まるで心の奥を焦がしてくるような音だった。
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午後の暑さを避けるように、夕方近くに外へ出た。
コンビニのアイスを買って、
近所の公園のベンチに腰を下ろす。
目の前では小さな子どもたちが水鉄砲を打ち合って笑っていた。
その笑い声が、やけに遠く感じた。
「……俺、何してんだろ」
思わず、ひとりごとがこぼれた。
スマホには、誰からの通知も来ていなかった。




