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ep.1-2 可能性≒ゼロの訪問者

ほぼ有り得ない事がまた起こった

世界から隔離されているはずの空間に

謎の訪問者

カリアと目が合い私達は少し警戒感を高めた

そして返事と共に玄関扉を開く


「はーい。」


ガチャ


そこにはある程度身分をもち

なかなかの機能性がありそうな

鎧を纏った男が立っていた


「夜分遅くに申し訳ない。

 私は向かいの大陸のメリンド共和国の

 港湾都市ポートアメリアから来た

 ワルター=マクナマラという者なのだが

 どうも道に迷ってしまったみたいで

 教えてもらえないだろうか。」

「それはそれは・・・これからどちらまで行かれる予定ですか?」

「北のアルべ王国から

 南のコメンスランド王国の

 港町のセントフォートに行こうと思ったのだが

 どうも方向感覚がおかしくなってしまったみたいで」

「そうだったんですね。

 ここは確かに両国の中間地点に存在していますが

 かなり東の方向にズレた場所で

 どちらの国も手を出しにくい環境の土地です。

 とういうのも

 ここは『魔窟の森』と言われていている場所で

 ちなみにここからセントフォートまでですと

 早馬でも最短2日程かかります。」

「そうか・・・

 アルベを出る時にもう少しちゃんと聞いておけばよかったか。」

「お急ぎになるのですか?」

「いやそうでもない。

 アルベ王国に支援派兵されていたが

 他種族との戦役が終了して

 故郷に帰る途中だが

 特に急いで帰る事もないかな。」

「そうですか・・・

 でしたらあちらの離れが空いていますので

 馬も馬小屋に入れて

 そちらで1泊されていってはいかがでしょう。

 ベッドがいくつかありますので

 寝ることにも不自由はしないと思います。

 それにこの森は魔物がよく出る上に

 夜になれば更に活動が活発化しますので。

 この家を含めた敷地の周りは結界が張ってありますので

 魔物は入ってくることはできませんから

 ある程度安心して眠れると思います。」

「ありがとう。

 ぜひ泊まらせもらおう。」


ぐぅうー


その時盛大に訪問者のお腹が鳴った


「ぷっ

 宜しかったら夕飯はいかがですか?

 人数が少なければ

 あそこの木々に隠れている従者の方々だと思いますが

 あの方達もご一緒に。

 残念ながら全員同じ料理になってしまいますが。」

「これはお恥ずかしい所を。

 ありがたい。

 それにしてもよく分かりましたな。

 実はあそこに5人いるんだが

 一緒によろしく頼めるだろうか。」

「では6人分の食事を用意しますのであちらの離れでお待ちください。」

「色々と世話になる。

 何卒宜しく頼む。」


玄関扉を閉めて料理を始める


「カリア。

 あの男が例の男か?」

「たぶん。

 あの男で間違いないと思うけど

 ちょっと違和感があります。」

「違和感?」

「うん。

 少しオーラが違う気がする。」

「そうか。

 でもそのうち解るだろう。

 ここは居心地が良すぎてしまった。

 折角1年という時間を用意してもらったのに

 結局出会った人たちの好意に甘えてしまった。

 カリア。

 荷造りの準備を始めてくれ。」

「うん。わかった。」


6人分のポトフとパンを調理し終わった私は

離れで待っているワルターの所へ向かった


「お待たせしました。

 宜しければこちらをご賞味ください。」

「忝いな何から何まで。」

「いいんですよ。

 ここは案外食材に関しては豊富にありますので。」


ここで従者の一人が話かけてきた


「すまないがここには何故結界が張ってあるんだ?」

「そうですね。

 話すと長くなってしまうので

 折角の料理が冷める前に先に食べていただいてから

 その辺の話をしましょう。

 必要であれば料理の毒味もしますよ。」


ワルターが申し訳なさそうに話しかけてくる


「申し訳ない。

 彼も立場上

 聞かなければならない事や

 やらなければならない事が

 あるから許してもらいたい。

「大丈夫ですよ。

 そういったことには慣れてますから。」

「それにしてもいい匂いのする料理だな。」

「ありがとうございます。

 あまり見かけることはないと思うのですが

 私特製のコンソメスープというものを使ったポトフと

 多少製法を変えたパンです。

 もし足りなければおかわりもあるので

 どうぞお申し付けください。」

「では早速だがいただこう。」


どうやら

全員お腹が空いていたようで

物凄くがっついて食べている

おかわりもしてくれている所をみると

美味しいんだろうな

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