ep.0-3 スカウトしてきた神様の世界
神様達が若干身構え真剣な表情になった
さてどう探るかな
「まずそっち側の世界はどんな世界ですか?」
若年さんが答える
「そうですねぇ。
大体の感じで喋りますね。
環境的には、行き先の世界の惑星は
ほぼこの世界の地球と比較して大した変わりがありません。
少々恒星の公転軌道と半径や衛星の数が違ったりしますが
惑星の大きさ、重力、季節感は同じと思って頂いて結構です。
ただし、この世界の地球より少し資源の種類と量が豊富です。
有名なものでいうと、オリハルコンやミスリル等々
所謂ファンタジー要素的なものといわれる物や
物理法則を無視できる素材が存在します。
生きている生物も種類が豊富です。
わかりやすいところで言えば
人間や魔物、エルフ、ドワーフ、ドラゴン等々挙げればキリがないかな。
なんとなく今の資源や生き物の説明で察すると思いますが
魔法や魔道具も存在します。」
今の所ありきたりな感じだな
「何が理由で世界のバランスが崩れているんですか?」
「基本的には
各種族共生共存を目指しているわけではないので
争いが絶えません。
現在とある種族に問題が生じています。
その種族が1番肉体的限界が低いので
他種族に追い込まれている事です。
ただし、肉体が弱い代わりに僅かに科学技術があるのですが。」
「それが人間だと?」
「その通りです。
世界にバランスをもたらす為
人間の中にイレギュラーを作ったりしているのですが・・・」
「この世界でいう魔女狩りのような事や
足の引っ張り合いが起きている?」
「ご明察です。
自分と違う事をどの生物でも素直に認められるものは稀ですから。
折角の機会が全て失われているのが実状です。」
年増さんがここで話に入ってきた
「何故そこで自ら手を加えないんだ?」
「実は加えているんです。」
ここで思考の片隅に出来上がった違和感を聞いてみた
「まさかイレギュラーは神様自身かその分身?」
「あっ凄いですね。
よく分かりましたね。
さすが僕が見込んだ通りですね。
勿論、革新をもたらす個の存在を生み出してもいいのですが・・・」
「失敗した?」
「おっしゃる通りです。
これからという時に内輪揉めを起こしたり
暗殺されたり
足の引っ張り合いをしている時に
他種族に攻め込まれたりと
枚挙にいとまがない。」
年増さんが呆れ気味に
「それよりも
よく自分という存在を消されずに済んでいるな。」
「危ないと思ったらその都度分身にしてますから。」
「まったく
先々のことも考えて行動しないからそうなるんだ。」
ここで不意に聞いてみた
「さっき科学技術と言ったがどれぐらいのレベルですか?」
「この世界のこの惑星のこの国で言うと
今の人間は戦国時代から江戸初期ぐらいですね。
それと地方や種族によって
向き不向きや
進んでいるか劣っているかもあります。」
「人間は?」
「先程も言った通り
人間が1番技術を持っています。
それも理由があってですが
人間が1番魔法を使えないという事です。
魔法が使えない分
頭を使っているのが理由です。」
「でも
足の引っ張り合いをしているから成長しない?」
「その通りです。
足の引っ張り合いではなく良い意味での競争をしてくれればいいのですが。」
「他種族は魔法が使えるからその技術を使う必要がない?」
「はい。
分かりやすく言えば胡座をかいているのでまだ間に合うという事です。
それだけではなくて
所謂天才と呼べる存在もいるにはいるのですが。」
「要は、かなりの無駄が発生している上に
このままだとジリ貧だと?」
「はい。
なので手助けをして欲しいのです。」
年増さんが割って入る
「なるほどな。
お前の目指す世界を造る手助けが必要なのは分かるが
それぐらいなら一人で
できそうだと思うが。」
「正直言って、この世界と比較して個の能力が高すぎるので
人海戦術を取られてしまうと
私自身は絶対的に強いのですが対応しきれないのが現実です。」
神様なのに思った以上にキャパシティが無いな
これは結構条件を付加させないとダメそうだな