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ep.1-6 明日の予定

ワルターさんが口惜しそうに言ってきた


「勿体無いな。

 私なら立場上

 一宿一飯の恩義で君たちを

 連れて帰って

 安全な所で生活させることも

 出来るんだが。

 それと君の手を見て思ったんだが

 君も相当強いんだろう?

 どれくらい剣を振っているんだ?」

「よく見ていますね。

 この手がゴツゴツしている理由は

 剣の素振りもしていますが

 ほぼほぼ

 農作業ばかりしているからだと思います。

 それに私自身はそれほど強いと思っていませんよ。

 私が束になってかかっても

 あの子の方が圧倒的に強いですから。」

「それは興味深いな。

 君だけでも私達相手に

 1対1でもそれなりに戦えそうに見えるが

 そんな君よりも強いのか。」

「想像の話をさせてもらえば

 あの子がこの世界で一番強いかもしれません。」


従者が割って入ってくる


「わずか7歳の子が

 この世で一番強いなんて

 どんな冗談なんだ?」

「そうですね。

 百聞は一見に如かずと言いますから

 明日の朝

 模擬戦でもしますか?」

「すごい自信だな。

 ワルター。

 面白そうだからいいか?」


ワルターさんがまたかと

申し訳なさそうに


「マティア君。

 申し訳ないが頼めるかな?」

「大丈夫ですよ。

 ここで2人きりということもあって

 色々な経験を積まさせてもらえるのは貴重ですから。」

「そうかそれなら

 現役の戦士の戦いを見てもらおうか。

 もう暗くなってしまったし

 そろそろ寝るか。

 また聞きたいことがあったら

 明日また聞いてもいいだろうか?」

「勿論話せることならば

 お話しします。

 結界も張っているいるので

 魔物に襲われることもないですから

 今夜はゆっくり寝てください。

 明日の朝食も用意しておきますので

 滞在中は楽しんでいってください。」


従者がうれしそうに


「まじか。

 明日はどんなものを食べさせてくれるんだ?」


ワルターさんが申し訳なさそうに


「本当にすまないな。

 こんなに面倒を見てもらってるのに

 何もできなくて申し訳ない。」

「いえ。

 ここにいる限りは

 しっかりおもてなししますよ。

 その代わりといってはなんですが

 暇つぶしに

 カリアと遊んでもらえますでしょうか?

 まだ子供でいい子なのですが

 少し強がりな所があって

 親がいないこともあって

 寂しがっているのを隠していると思うので

 その辺りを紛らわしてもらうと助かります。

 そこで前払いという感じで申し訳ないのですが

 エールを1樽

 後で持ってきますので

 今晩はそれで酒盛りでも楽しんでください。」

「すまないな。

 そんなことで良ければ

 全然構わないさ。

 ちなみにどんな遊びが喜ぶんだい?」

「その辺のそれぐらいの年齢の子と

 大して変わりませんので

 そんなに考えることもしなくて大丈夫ですよ。

 それから

 ワルターさんにはこれを。」

「このペンダントは?」

「ここに張られている結界に

 侵入者があった場合

 その侵入者の

 魔力や戦闘力に応じて

 その魔道具が

 光ったり

 音が鳴ったり

 振動したりして

 知らせてくれるものです。

 魔力が多いほど

 強く光り

 戦闘力が高いほど

 強く振動して

 それぞれ一定値より高いと

 大きな音が鳴ります。」

「ありがとう。

 そんな便利なものがあるなんてな。

 大事に持っておくよ。」

「ではごゆっくりと。

 エールは扉の前に

 後で持ってきますので

 お好きに飲んでください。

 では

 おやすみなさい。」

「ああおやすみ。

 また明日。」


離れから家に戻った私は

裏の倉庫から

エールを1樽

離れの外において帰ってきた

カリアにさっきの話を伝えないとな


「カリア。

 明日あの人達と

 模擬戦をすることになったが

 やりたいか?」

「本当?

 絶対やる。」

「じゃあ早く寝て明日に備えよう。」

「うん。

 楽しみー。

 じゃあお片付けしたらすぐ寝るね。」

「ああいいよ。

 今日は農作業だけじゃなく

 肉の血抜きもしてもらったから

 疲れただろう?

 後は俺がやっておくから。」

「いいの?

 やったー。

 おやすみー。」

「おいおい。

 現金なやつだな。」


食器の片づけを終えた私は

明日の朝食の準備をして

眠りについた

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