余命1ヶ月と蝉
小説とは言えないほどの拙い文章ですが、読んでくれたら幸いです!!よろしくお願いします!!
短編『余命1ヶ月と蝉』
医師が深刻な顔をする
医師「その…持って3ヶ月かと…。
ですからつまり、余命…3ヶ月です。」
『私はある日、3ヶ月しか生きれなくなった』
2ヶ月後
ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
セミの声が病院の周りで鳴り響く
病室の窓際のベッドで寝転がる
女子高生のみさと。
コンコン ドアをノックする
父「みさと、入るぞ」
みさと「……どうぞ」
ガラガラ
父と母がお見舞いに来た
母「…はい、これ」
プリンをそっと置く
みさと「ありがとう。」
みさとは父と母の顔を見ずに
窓の外の木に止まっている蝉を見ていた
母「…ねぇ、みさと。あと一ヶ月よ?…
その…みさとはあと一ヶ月で…もう……
今のうちに友達とかと会わなくていいの?」
みさと「…うるさい。別にいいよ
……面倒くさい。あーあ、あと一ヶ月もあるんだ
はやく死にたいな」
パァン
母はみさとの頬にビンタする
母「冗談でも…冗談でもそんなこと言わないでよ!!… 」
母の目に涙が流れる
父「…と、とりあえず…今日は帰ろう…な?…」
母は泣きながら病室を出る
父「…みさと、さっきの発言は父さんも良くないと思う。……とにかく…もうあんなことを言うのはやめろ…
じゃあな」
父も病室から出ていった
みさと「……はぁ…。」
((…そっか、私はあと一ヶ月で…死ぬんだ))
ガラガラ
誰かが病室に入ってくる
みさと「誰?」
振り向くと、そこに立っていたのは
黒髪のロングヘアの女子校生だった
みさと「……あんた誰?」
??「私は隣の部屋で入院してる瀬奈だよ
瀬奈って呼んで!…君は?」
みさと「みさと…だけど……いきなり何?」
瀬奈「…みさとはあと一ヶ月で死んじゃうんだよね?」
みさと「そうだけど?」
((…いきなり呼び捨て…何この子))
瀬奈「……私はさ、」
みさとのベッドに座る
瀬奈「あと一週間で、死んじゃうんだ」
ミーンミンミンミンミーン ミーンミンミンミンミーン
みさと「…なんか、…セミみたい」
瀬奈「……プッ…ハハハ
……セミね〜笑 よくそう言われてたな〜」
みさと「え、よく言われるの?最低だね
瀬奈の周りの人」
瀬奈「……君がそれ言う?」
みさと「確かに笑」
瀬奈「ねぇ、暇だし ちょっとトランプでもしない?ここWi-Fi無いし暇じゃない?」
みさと「んー、まぁいいよ 確かに暇だし」
二人は夕方になるまでトランプなど
カードゲームをした
みさと「また負けた……瀬奈強すぎ」
瀬奈「…みさとは顔に出すぎだよ
どっちがジョーカーかすぐわかっちゃう笑」
みさと「顔見るの禁止でもう一回」
瀬奈「プッ なにそれ笑 いいよ!」
〜〜
瀬奈「……楽しかったー!」
みさと「…うん、まぁ楽しかった」
瀬奈「…………ねぇ、明後日さ
一緒にどっか行こうよ」
みさと「ええ、面倒くさいな」
瀬奈「私、あと一週間で死んじゃうんだよ?
最後はなんかしたいなーって!
みさともあと一ヶ月で死んじゃうでしょ?
だったら…」
みさと「私は、そういうのいいの…いいよ」
瀬奈「……ふーん、、でもさ
私、友達がいないんだ。
だから、悔いが残らないように最後まで生きたいけど、
無理なんだよねー…私の最後の一週間、楽しませてよ
……もう、友達でしょ?私達」
みさと「……面倒くさい」
瀬奈「そっか……死ぬまでに…誰かと思い切り、、
遊びたかったな〜」
みさと「……………あぁぁ!もう
わかったよ いいよ 遊ぶよ……」
瀬奈「やったーーー!外出許可ちゃんと
とってよー? じゃあ、また明後日ね!
…ここから見える公園の時計台あるでしょ?
明後日の朝の9時半にそこに集合!!」
みさと「あ、ちょっと…、、」
ガラガラ
瀬奈は風のように病室から出ていった
『ちょっと可哀想だと思った
私も残り時間が短い だからちょっと同情したというか、なんというか、、とにかく
これは私の為じゃない…瀬奈の為…。』
みさと「…………はぁ…」
ため息をつく
【そして、2日後】
看護師「……まさか、あの みさとちゃんが
外出許可を申請してくるなんてね、、
嬉しいわ……」
医師「…もう、このまま病室のベッドでじっとしたままなんじゃないかと思ってたよ……なにより良かった」
とある公園の時計台
ミーンミンミンミンミーン
瀬奈「お待たせー!待った?」
みさと「待った。」
瀬奈「えー、そこは待ってないよ。
でしょ?」
みさと「カップルじゃないんだからさ」
瀬奈「ケチー!……あ、ねね、あのボート乗ろうよ!」
瀬奈が指差す先に公園の池、そして
鳥型のボートが池に浮かんでいた
みさと「……ええ、」
瀬奈「ほら、行くよ!」
みさと「うわぁ…」
瀬奈はみさとの手を引っ張る
そして、鳥のボートに乗り、
公園の池を渡る
みさと「……意外と楽しいじゃん」
瀬奈「でしょ?…あ、ほらあれ見て」
カモが泳いでいた
みさと「かわいい」
瀬奈「みさとから かわいい
って言葉を聞けるとはね」
みさと「それどういう意味?」
瀬奈「さ〜ね 別に〜。…あ、あの観覧車乗ろうよ」
公園の池から見える観覧車
みさと「あー駅の近くの」
瀬奈「これ終わったら乗ろ!」
みさと「え〜〜、」
観覧車
みさと「うわぁ〜、、綺麗……」
瀬奈「みさとから 綺麗の言葉が聞けるとは」
みさと「瀬奈、ここから落とすよ?」
瀬奈「殺害予告だ」
みさと「じゃあそういうこと言うのやめて」
ふと、観覧車から見える景色を見る
みさと((……この街ってこんなに、
綺麗だったんだ………))
地面をよく見ると、そこにセミの死骸があった
みさと「……あのセミ、いつ死んだんだろ」
瀬奈「…セミってさ、一週間で死ぬって言われてるけど、ホントは一ヶ月生きるらしいよ
しかも、幼虫の間は地面の中で7年も生きる。セミって結構長生きなんだよ?」
みさと「へー、じゃあ今この瞬間
産まれたセミは、私達より長生きするんだ」
瀬奈「…確かに笑」
みさと「…ごめん、笑えないね」
瀬奈「みさとからごめん の言葉が聞けるとは」
みさと「それもういいって、、」
瀬奈「…ほら、みさと 次行くよ!」
みさと「えええ、、」
『そして、そこから5日間、
私は瀬奈といろんな場所に出かけた。
映画館を見に行ったり、
洒落たレストランに行ったり、
泳げないのに海に行ったり
とにかくいろんな場所に遊びに行った』
みさと「はぁぁ!疲れたァァ」
病室のベッドに寝転ぶみさと。
瀬奈「……遊び疲れたね〜!」
みさと「うん、けど楽しかった」
瀬奈「みさとから楽しかったの言葉を
聞けるとはね」
みさと「それまだやる?…」
瀬奈「……プッ ハハハ みさと、やっぱりおもしろいよ」
みさと「まぁ……とにかく、楽しかったよ
誘ってくれてありがとう。……
瀬奈はさ、楽しかった?」
瀬奈「うん、めちゃめちゃ楽しかったよ」
みさと「そっか……」
みさとは遊び疲れで眠くなる
そしてそのままゆっくり眠っていった
みさとが寝ているベッドに座る瀬奈。
瀬奈「…私、明日死んじゃうんだ。
みさと、ほんとにありがとう。楽しかったよ
おやすみなさい」
ガラガラ
瀬奈はゆっくり吹く風のように
静かに病室から出ていった
次の日の朝
みさと「……あ、寝ちゃった…もう朝かー」
ドアの方を見る
【瀬奈「みさと、おはよ!」】
いつも朝、ここへ来る瀬奈
しかし今日は来ない
みさと「……寝てるのかな?……
そういえば私から瀬奈の病室に行ってあげたことなかったな……たまには私から行くか」
しかし、隣の病室のベッドは
誰もいない 空き部屋になっていた
みさと「…………そっか……もう……今日で一週間か…
……瀬奈はもう」
看護師「こんなところで何してるの?
みさとちゃん」
みさと「あ、看護師さん、その、、
ここにいた瀬奈って子、もしかしてもう…」
看護師「え、どうして瀬奈ちゃんを知っているの?」
みさと「え、どうしてって隣だし
よく遊んでたし 昨日も…」
看護師「瀬奈ちゃんは亡くなったわよ」
みさと「……やっぱり、、」
看護師「去年の夏にね」
ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミンミンミーン
みさと「………え?」
看護師「うん、ちょうど今日だね
去年のこの日、瀬奈ちゃんは
亡くなったわよ このベッドで。」
みさと「………えっと」
看護師「友達だったのね、良かった
瀬奈ちゃん、ずっと一人だったと思ってたのよ 亡くなるときも一人で…」
みさと「瀬奈ちゃんのこと、教えてくれませんか?
知りたくて 私の友達なんで」
看護師「……瀬奈ちゃんは、親に虐待を受けてたの。しかも、7年間、ペット用の折の中に入れられて監禁されてた。そのせいで友達もできないまま……。けどある日、親が事故で亡くなってね。良くか悪くか そのおかげで折から出られた。ようやく自由に……ってなったのに
彼女もあなたと同じ重い病にかかってたの。そして、余命一ヶ月。
彼女のことを蝉女だなんて最低な名前をつける親族の方がたまにお見舞いに来ていたけど……でも彼女は結局、一人で……亡くなっね………私、悲しくて………忘れられなくて
でも良かった…一人じゃなかったのね……
あ、ごめん 話しすぎちゃったわね」
みさと「いえ、ありがとうございます…。」
ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミンミンミーン
〜〜
自分の病室へ戻り、
布団に入り、窓を見つめる
みさと「……先に死んでるじゃん。
命日までの一週間ってことか……」
ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミンミンミーン
窓の外の蝉が鳴く
外は夕焼けに包まれていた
みさと「楽しかったな……この一週間…」
この一週間、瀬奈と過ごした日々を思い出す
みさと「……一週間だけで、、こんなに楽しくなれるんだ………」
ポタッ ポタッ
涙が布団に落ちる
みさと「私はあと3週間生きれる……こんなに楽しいこと3回もできちゃうんだよね、、なのに、、私………
何やってるんだろ………」
ガラガラ
病室に母が入ってくる
母「…ごめん、今日はお父さん仕事があって来れないって だから私ひとりで来たわよ…」
窓の外を見て、鼻をすする みさと
母は、みさとのそばへ駆け寄る
母「みさと……?」
みさとは振り返り、母の顔を見つめる
みさとは泣いていた
みさと「……生き……たかった…よ…」
母「……みさと」
みさと「母さん、私………もっともっと……
生きたかったよ………
生きていたかったよぉぉ」
みさとは小学生のように泣きじゃくれる
そして母の胸に飛び込み、抱きついた
みさと「………もっと……もっとみんなといたかった……
…もっと父さんと母さんといたかった……
私の花嫁姿も見せたかった……
大人になっで働く姿を見せだかった………」
母「…………」
母は泣きじゃくれるみさとを抱きしめ、
頭を撫でる
みさと「…………友達とも、、もっどもっと
遊びたかっだ……みんなに………みんなに会いだい………
死ぬのが怖くなるのが嫌で、、
死にたくないって思うのが怖くて………だから
だから……生きてるのが嫌なふりをしてた………
けど………ほんとは………ほんとは、
みんなと最後までいたいよ、、、」
いつも冷たい態度だったみさとが
母に本音をぶつけて、小さい子どものように
泣きじゃくれ、抱きつく
母は、みさとが赤子だった頃のことを思い出す
【 みさと(生後4ヶ月)「オギャァァオギャァァ」
母「よしよしよし、いいこいいこ
怖くないよぉ〜」
みさと(生後4ヶ月)「オギャァァオギャァァ」
母に抱きつき、泣き叫ぶ赤子のみさと
それを抱きしめ、慰める母 】
その頃の温もりを、母は思い出す
まるで小さい子どものように泣きじゃくれる
今のみさとの温もりを感じながら
母((母さんも………もっと一緒にいたかったのよ…))
母は静かにたくさん涙を流しながら、
みさとを抱きしめる
母「………いいのよ みんなと一緒に……
最後まで一緒に…笑って過ごしましょ……」
みさと「うわァァァん」
みさとの泣きじゃくれる声は
セミの鳴き声とともに
夕焼けに照らされ、響いていた
ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミンミンミーン
3週間後… みさと はこの世を去った
みさとの病室のベッドの横には
友達や家族といろんな場所へでかけたり
遊びに行ったりした写真が貼ってあった
みさとの家族も、見送りに来た友達も、
みんな、静かに眠るみさとの周りで
泣いていた
母「………よく頑張ったわね……」
父「楽しかったな…………
元気でな……みさと…………」
『静かに眠り、息をしなくなった自分が
そこにいた』
みさと〘……そっか、私 死んじゃったんだ
みんな泣いてくれてる………けど、、私
めっちゃ笑顔じゃん〙
みさとは笑顔のまま、眠っていた
みさと〘楽しかったなぁ、、そろそろいかなきゃ〙
みさとの体は消えかけていた
みさと〘これが、成仏?かな…〙
〘楽しかった?〙
みさと〘…瀬奈、?〙
声がしたほうを振り返ると、
そこに瀬奈が立っていた
瀬奈〘……久しぶり…だね〙
みさと〘…嘘つき 先に死んじゃってたんじゃん〙
瀬奈〘……ごめんね、、! 騙すつもりはなかったの〙
みさと〘…いいよ別に
けど、ほんとにありがとう
瀬奈のおかげで私、自分に正直になれた
…あのまま死んでたら私、多分後悔ばっか残って
成仏できなかったかも〙
瀬奈〘……ありがとうはこっちだよ。〙
みさと〘…え?〙
瀬奈〘私さ、死んだけど死にきれてなかった
ずっと一人ぼっちのまま死んじゃったから。
友達っていう存在と、思い切り遊んでみたかった
普通に生きたかった 未練ばっかで死んだあと、
ずっと彷徨ってたんだよね……そんなとき
君がここに来た
死ぬ前の私と同じような目をして、窓の景色を見つめる
冷たいみさとがね〙
みさと〘……〙
瀬奈〘…絶望してた。私そっくりだったよ
けど、違うところは、、みさとはひとりじゃない、
自分に嘘をついてる そんな気がして…ほっておけなくて
最初は励ますつもりが、私が励まされちゃったよ
楽しかったよ ほんとに……ありがとう
私が成仏できるのは……みさとのおかげ!〙
みさと〘……私もだよ ほんとにありがとう〙
瀬奈〘それにしても……まさかみさとから
ありがとうの言葉が聞けるとはね〙
みさと〘それ、まだやるの?笑〙
瀬奈〘…死ぬまでやるよ!〙
みさと〘いやもう死んでるじゃん笑〙
二人は笑顔のまま、消えていく
ゆっくりと光の粒子になって
そのまま天まで登っていった
みさとが眠る横で、
病室から見える木にとまる、二匹のセミ
その二匹のセミの声が鳴り響いていた
ミーンミンミンミンミーン
ミーンミンミンミンミーン
〜完〜