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新国家戦略3

若干の幕間

国民投票が行われる間、ただじっとしているわけにもいかない。


人工衛星に関しては打ち上げ予定が延期になっていたGPS測位用の衛星打ち上げと同型の衛星の製作打ち上げが指示されることとなる。

監視用静止衛星については現状日本上空の3基で問題ないという結論に至り、軌道周回型の観測用衛星は合計8基打ち上げることが決まった。


この時代に合わせた輸出品目予定の策定も行われている。

更に食料自給率に関しても改善が必要と判断された。

元々の食料自給率に加え、輸出用に作られていた食料を国内消費に充てる事で国内の食糧事情は慌てるほどひっ迫する状況にないと結論が出ている。では、なぜそのうえで改善が必要であるのか?

結論としては政府がそれらをこの時代における輸出品目に加えてようとしているからである。

それも現代の世界各国への輸出用として作成していた高品質の食料ではなく、量を重視した食料の生産を行うことを目的としていた。


上記食料も含めて輸出品目候補に、絹、綿花、陶器類、精糖、蝋なども挙げられている。

これらを友好国、同盟国に輸出し、さらに間接的に他国へ少数輸出してもらおうという算段であった。


並行して旧日本への接触も画策されている。

歴史に詳しい職員にいろいろと確認してもらったところ、関東平野の発展具合から徳川幕府成立以前は確実であろうこと。

大阪城が築城されておらず、比叡山延暦寺の堂塔、僧坊が少なく、焼き討ち後であろうこと、全国に多数の戦のあとがみられることなどから、織田信長との交渉を想定して対策が練られることになった。


献上品として、現代技術で作られた刀剣、腕時計や現代地球儀、保存の効く焼き菓子などが選ばれていく。また、我々が未来から来たことの証明のためにも中学校で習う程度の近現代までの日本史の書籍を数点が用意された。

そのような中、献上品として選定されたものの中にはフリントロック式銃の姿もあった。




時間転移より約1週間後、種子島宇宙センターより1機のロケットが打ち上げ準備を行っていた。

GPS測位用の衛星が載せられているロケットである。

TVでは、ロケット打ち上げのカウントダウンとそれを見学する人たちを映しており、全国で自動運転の復旧を願う人々が待ちわびている状態だ。

やがてカウントダウンが開始されロケットに火が入る。

ロケットのノズル部分から煙が立ち上がり、ロケットは予定通り空に向かって突き進み始める。

30分後、衛星の切り離しが成功し、そのあと無事に予定の静止軌道上に到達したことが発表された。

政府関係者から歓声と安堵の声が上がる。


「これで自動運転が復旧しますね。」


河内は藤原にそう告げると、


「とりあえずは表面上とはいえ、国民に日常が戻ってくることになってよかった。」


そういうと藤原は近くの机に置かれた書類を一瞥する。


「石油獲得のための北アメリカ大陸西海岸の港湾整備及び護岸工事、入植に関する意見書」


「資源獲得のためのオーストラリア大陸の港湾整備及び護岸工事、入植に関する意見書」


「旧日本接触時における自衛隊出動の可能性について」


そう題された書類が机の上に置かれていた。




「賛成多数により、本法案は可決いたしました。」


転移から早くも15日後、憲法9条改正の是非を巡って国民投票が行われた。

結果は賛成78.29%、反対が20.32%、残りは白票であった。


国民投票により、憲法9条改正に関する理解が得られたと判断した与党は、翌日には臨時国会を召集し、憲法9条改正による自衛隊の解釈の変更に関する法案。

敵対勢力の軍事施設に限定しての武力行為による先制攻撃を可能にする法案。

邦人保護に必要な武力行使を可能にする法案。

自衛隊の海外派兵を可能にする法案。

友好国以上の関係国の要請に応じて武装勢力を武力行使を伴い排除する法案。

などを成立させていく。

他にもこの時代の人間を日本本土へ入国させることに対しての制限及び免責条件やそれに関する処罰なども決められていく。

自衛隊の活動制限がある程度排された後、すかさずある法案が提起された。


「北米西海岸への入植及び関連法案」

「豪州への入植及び関連法案」


法案の内容が読み上げられていき、採決が行われる。

結果として賛成多数、反対はわずか3票であった。


その他、工業製品の日本本土外への持ち出しについての厳罰化、免責事項に関する法案や技術流失防止に関連する法案等が採決され、緊急国会は閉会したのであった。




国会の閉会からわずか1週間後、工作機械による港湾整備と陣地作成を主目的に自衛隊を乗せた輸送船とそれを護衛する護衛艦4隻を1個艦隊として、複数の艦隊が太平洋上へ出航、はるか東のアメリカ大陸と南半球のオーストラリアを目指して旅立っていった。

今回の目標は北米がアンカレッジ、バンクーバー、ポートランド、サンフランシスコ、ロサンゼルス。

豪州がシドニー、ダーウィンである。


本来、将来的にそう呼ばれるはずだった場所で任務に就く自衛隊は、輸送用タンカーが出入りできる港を建設後、各港湾を道路でつなぎながら、すでに場所が判明している油田、鉱物資源を採掘することになっている。


入植開始予定は半年~1年後を想定しており、各地域にそれぞれ10000人単位での入植を予定している。

また、大規模農場経営や鉱山開発、油田開発など各種企業の参画を呼び掛けており、企業側も一攫千金を夢見て企業規模や形態を問わず応募してきているようである。


なお、今回の出動で自衛隊に一つの厳命を下していた。

現住民の命を奪ってはならない。




自衛隊が資源を求めて米豪に旅立って1週間後、交渉役としては外交官の橘が、また補佐役として、外務省専門職員の和泉が付くことになった。

他にも護衛役としての自衛官が6人、局地戦になった場合の救助を想定して自衛隊が450名ほどが同行することになり、移動には護衛艦かがが利用されることとなった。

やっと導入部分が終わった。

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