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新国家戦略1

日本って本当にエネルギー系統の資源って弱いですよね・・・

昨夜の記者会見から一夜が明けた。


「藤原総理、内閣府より連絡が来ました。

アメリカ大陸の画像、映像を解析したところ、東海岸に少数のヨーロッパ移民系らしき村がある程度で、全域を通しては原住民のらしき人々の居住地しか見つからず、西海岸はほぼ手付かずの状態みたいです。」


どうやらほぼ大航海時代で確定のようだ。

ならば、ヨーロッパの人種以外の地位が低い時代である。

油断すれば国民を奴隷にされかねない。

国民の安全のために新たな国家戦略が必要である。

藤原は再度、国家戦略室に連絡を入れて、大航海時代で確定であろうこと、その時代の世界の政治思想などを元に国家戦略を練り直すように厳命した。



国家戦略室、そこに所属する梶原は首相からの指示の元、日本の現状を整理する。


まずは食料である。一時期は著しく低い水準に達していた食料自給率であるが、2020年代半ばより好転し、2040年では、65%ほどになっていた。

残りの35%は外交政策における、市場自由開放による枠である。

2020年代になぜ食料自給率が増え始めたかというと、ひとえに農家に転職する人が増えたからである。どんなに頑張っても増えない給料、非正規雇用による低賃金化、セーフティネットであるはずの最低賃金雇用は、外国人労働者が枠を埋める。

そんな中、若者が目を向けたのが農業である。

長い間続いている海外での日本食ブームにより、料理に使う食材も本場の日本のものをという店が増えたこともあり、輸出向けの米、果物類、肉類などの売り上げが伸び需要が高まった。

結果、作業はきついけれどもきちんと管理してやれば年収1000万超えも狙える農業に若者が注目したのである。

どうせ会社でこき使われてサービス残業でへとへとになるくらいなら・・・。

そのような事情により、休耕地が多く、人口の少ない田舎の事情もマッチして、若者の移住を歓迎したところも少なくない。

その結果、2020年代後半には農業により成功した若者特集などの雑誌記事やTV番組もあったほどであった。

食料に関してはコーヒーやバナナなどの輸入に頼っていた比率の多い食品類に若干の不安は残るが、輸出用に生産していた分を国内消費に回せば問題ないだろう。

特にこの時代、水産資源は豊富にある。


次に労働力、生産力である。

元々日本国内の工業製品は日本国内で消費する分と海外輸出するための製品に分かれる。

だが、海外輸出ができない今の現状では過剰もいいところである。

仮に外国と国交が持てたとしても、21世紀の工業製品は情報流出などの懸念もあって輸出することは難しいであろう。

ゆえに、外国人労働者減少による生産力の低下自体は問題ないのかもしれない。

それによる経済への打撃の方は心配ではあるが。


次にエネルギー関連である。

ほぼすべての自動車が電化されているとはいえ、それらを動かす電力を得るためのエネルギーが必要である。

2000年代初頭から世界的に広まり、対策が始まった環境問題に付随する形で再生可能エネルギーの電力変換効率は日進月歩で改善されていった。

また、電化製品、電動自動車などの電力消費の高効率化もかなり進んでいる。

しかし、それでも石油、石炭、原子力での発電は0ではない。

2030年代に入り、世界で石油燃料の需要が著しく低下した結果、原油相場は最盛期の1/3まで下落した。

だが、中東の王族が日本を頼って時の内閣と面会、電力生産設備の効率化などにより、国内消費はかなり減っているにもかかわらず、日本が手を差し伸べる形で石油輸入量が増えることになった。

これにより、石油燃料の貯蔵施設の数が全国で平均1.5倍ほどに増えた。

当時は無駄な取引とマスコミでたたかれたものだが、皮肉なことに今の日本には助けになる。

すべて消費しきるとなると、2年ほどかかるとみられるが、早めに手を打ち、入手経路を確保しなければならない。


これらを鑑み、梶原は一つの草案を纏めていく。

翌朝、梶原は上司に当たる平良に一つの案という形でまとめた書類を提出するのであった。



同日夕方、再び首相官邸からの緊急記者会見が始まる。


「昨夜に引き続き、お集まりいただきありがとうございます。」


藤原が告げる。

二日続けての緊急会見である。

新たな問題が発生したのかもしれない。

マスコミも固唾を飲んで見守る。


「無駄な混乱を招く恐れがありますので単刀直入に申し上げます。

 本日から2週間後の日曜日、憲法9条の改正、及び、自衛隊の武力行使の是非、海外派兵の是非を問う国民投票を行います。」


昨日よりも大きく場がざわつく、記者が質問しようとするがその行為は静止させられた。

藤原が続けて発言する。


「昨夜の会見の後、内閣府情報センターの人工衛星の情報を精査した結果、1500年から1600年の間と断定いたしました。

この時代は、ヨーロッパ諸国が各地で挙って植民地を確保する、いわゆる大航海時代であり、当時のヨーロッパ人以外の人権が著しく低い時代であります。

国際条約なども存在せず、国自体に明確な上下関係が存在し、外交交渉に赴いても、下の国が上の国に相反する意向を示した場合、外交大使がその場で捉えられ、最悪の場合、打ち首や磔などに処される場合もあったといいます。

力なき物は虐げられる弱肉強食の時代であり、万が一にも国民の皆様に危害が加えられるようなことがあってはなりません。

中国との戦争での過ちを繰り返さないためにも、強く発言できる日本が必要であるとの結論に至りました。

繰り返しになりますが、2週間後の日曜日に国民投票を行います。

国民の皆様はよく考えて自分の意志で投票することをお願いいたします。」


藤原がそう告げ会見は終了した。


どうしても現行の法律や憲法解釈では自衛隊を活躍させようと思っても難しいのですみません。

船団護衛ですら制限がかかるらしいので・・・

誤字脱字報告や感想待っています。

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