信長の野望・異説 長篠の戦7
以前の投稿から投稿間隔が空いてしまったことをお詫びいたします。
また、その間に多数の評価、ブックマーク、感想等ありがとうございました。
皆さまが期待するようなドンバチ描写はないかと思いますがご容赦ください。
5月14日 22:10 大通寺陣地
普通科第一中隊による有海村陣地、篠場野陣地への攻撃が始まろうとしている頃、「かが」より飛び立った輸送ヘリが数機、間もなく大通寺陣地の上空へと差し掛かかろうとしていた。輸送ヘリの中では迷彩柄の服装にパワーアシストスーツを装着し、右手には小銃、頭にはHMD型のウェアラブルデバイスを装着した自衛隊員達が待機している。今頃は、天神山陣地、岩代陣地、医王寺本陣にも同じように別部隊を乗せた輸送ヘリがたどり着く頃であろう。この部隊の目標は、大通寺陣地の制圧、同敷地内にいるであろう武田の武将の捕縛、医王寺の武田勝頼捕縛のための包囲網構築及びバックアップである。
武田の軍勢は長篠城監視のために各陣地に約1000から2000前後の兵に分散して配置している。故これを夜のうちにほぼ同時に制圧することとなった。そのため、武田が長篠城監視のために整えた陣地を降下のためのポイントとして利用することとなっている。幸いにして先ほどの爆撃の音に気を取られ、武田の兵士は右往左往しているようである。また、輸送ヘリの音に気が付いたと思われる者もこちらに対応できるような状態ではないらしい。
目的の陣地上空に到達した輸送ヘリは隊員を安全に送り出すことが可能なスペースを確認すると降下するのに邪魔になると思われる兵をヘリから狙撃で排除し、素早く機体を降下させる。さすがに今しがた行った発砲音で武田の兵士には完全に気付かれたようであるが、光源が篝火と松明しかないためか、こちらの存在を正確に捉えられた者はごく僅かであった。機体を目的のスペースへ降下させ、無事に隊員を送り出した輸送ヘリは再び上昇し、「かが」へと戻っていく。
大通寺陣地に降り立った自衛隊は陣地の制圧を開始すべく行動を開始するが、武田の兵士はこの暗闇の中では満足に動くことは適わず、抵抗を試みた者も大多数はある者は胴を打ち抜かれ、ある者は手足を撃ち抜かれ無力化されていく。また、暗闇から聞こえてくる銃声に恐れをなし、逃げて行く者もいたため、ほどなくして陣地の制圧は完了することとなった。
大通寺陣地を制圧した部隊は部隊を二つに分け、2個分隊を医王寺方面へ向かわせ、残りの2個分隊で大通寺内にいると思われる武田方の武将の捕縛へ向かう。大通寺へ向かった部隊の方は、それからほどなくして大通寺内にて武田信豊、馬場信春、小山田昌成等を拘束することに成功する。
5月14日 亥の刻 武田本陣 医王寺
ドカァァン!
深夜、突然聞こえてきた轟音により勝頼は目を覚ます。それと同時に寺の周りを固めていた配下の者達も状況把握ができないためか騒がしくなり始めた。
「先ほどの轟音は何事だ!いったい何があった!」
予想外の出来事に勝頼は飛び起きるように寝床から体を起こし、寝所の近くにいた兵を呼び止める形で疑問を飛ばす。
「先ほどの轟音の原因についてはまだ判明しておりませぬ。只今調べております故、どうか今しばらくお待ちください。」
兵たちも混乱しているのか思うように返答が返ってこない。ただでさえ昨夜は不穏な夢を見ているため、勝頼は不安を募らせるが、どのような状況かわからなければ動きようがない。各陣地にも使いの兵を出し、情報を集めるよう指示をだす。その直後であった。どこからかバタバタというような音が聞こえてきたかと思うと、突然銃声が鳴り響き、兵士の叫び声が聞こえてくる。
織田が堺の商人・鍛冶職人を通じて大量の火縄銃を調達していることは伝わってきている。聞いた音が確かであるのならば、織田はかなりの数の兵に火縄銃を持たせ、夜の闇の中を行軍してきており、すでに我が兵と戦闘状態であるということである。それも先ほど聞こえてきた発砲音の大きさからすでにすぐそこまで迫ってきている可能性が高い。しかし、先ほどの爆音に多数の銃声が織田の何かしらの奸計の可能性も捨てきれない。また、自分の目で武田の軍勢の被害を直接確認したわけでもないため、もしも、織田の策略であった場合、ここで軍勢を率いる将である自分が逃げ出しては勝てる戦にも勝てないことになりかねない。さりとて本当に織田の軍勢が進軍してきている場合、このままでは織田の兵に囲まれることもありえる。勝頼は悩んだ末、織田の手にかかるつもりはない勝頼は残っている兵を集め始め、医王寺に守りを固めることを選択する。その様な時であった。医王寺裏山の方から見なれれぬ様相の人らしき者達が現れる。
篝火に照らされるその姿を見た勝頼は、それが現状の騒ぎの原因だと考え、近くの兵士に応戦するよう指示を出そうとする。だが、数名の兵士が勝頼が指示を出すより先に彼らに切りかからんと行動を起こす。
「曲者め!」
しかし、彼らの刃が相手に届くことはなく、次の瞬間、数発の銃声が鳴り響き、切りかかった兵士は撃ち貫かれ、その場に崩れ落ちる。その様子を見ていた別の兵士達が一斉に手元の武器を構え、謎の集団の行く手を阻むように隊列を組む。
「勝頼様、お逃げください!」
誰かは定かではないが、兵の一人がそう叫ぶと、その声に呼応したかのように兵たちは謎の集団へ再び攻撃に移る。しかし、兵が攻撃を仕掛ける度に銃声が鳴り響き、兵が倒れていくため、医王寺を固めていた兵の数が瞬く間に減っていく。そのような状況の中、勝頼はわずかな兵を伴って逃走を開始、医王寺を後にし、闇の中を月あかりを頼りに東と思われる方向へ移動していく。
このような状況の中逃げおおせることができたのは幸いであった。この時の勝頼はまだそう思っていた。
今回はほぼ淡々と状況説明だけがなされたような感じになっておりますが、各陣地ごとに描写すると同じような描写ばかりを数回繰り返さないといけないと感じましたのでこのようになりました。
自衛隊の装備についてですが、2000年台初頭に防衛省が構想として一般に公開していた先進個人装備システム、通称ガンダムをベースに考えております。現代だとカメラ部分をHMDにして暗視装置やデータリンクなどのソフトウェア統合もして、と考えて調べていた所、アメリカが進める時期主力装備計画としてのパワードスーツ「TALOS」計画が似たような内容で被ってしまっています。興味がある方は検索してみると面白いかもしれません。
作戦その物に関してですが、長篠の戦いの再現をしようとすると、1000 VS 15000という構図になり、武田軍が戦国時代の基準でたった1000人相手に全軍動かして突撃してくるであろうか?という疑問の元、今現在の形になっております。
また、今回創作してみて、戦闘描写の難しさを改めて痛感いたしました。こちらもできるだけ勉強していきたいと思っております。稚拙な文章となりますが、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
前書きと重なることになりますが、最後に、前回投稿から間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
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