信長の野望・異説 長篠の戦6
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自衛隊が戦闘を行うことがほぼ確実となったため、「かが」内では人の動きが慌ただしくなり始める。
事前準備は終わってはいるが、最終確認を行うため、「かが」の甲板にはヘリ部隊、ドローン部隊の人員が動き回る。
また、情報収集のために常時張り付かせていた多目的ドローンの内5機すべてを呼び戻し、本体の充電及び換装を行っていく。
その後、戦闘行動の開始まで時間があるため、交代で休憩を取っておくよう指示をだす。
それからしばらくして、現地で移動を行っていた部隊から行動開始予定のポイントへ着いた旨の連絡を受け取り、こちらにも待機の指示を出しておく。
5月14日 戌の刻半 武田陣地
相手が指定する降伏、撤退を告げるための刻限が過ぎたが何も起こらなかったため、現在は各陣地休息に入っている。
しかし、昨夜撒かれた文章の件もあることから寝ずの番には信頼がおけるものを含めて倍の数が着くことになっている。
そのような中、勝頼は寝床に入りながらいろいろと考えていた。
其の後の素破衆の報告でも織田の軍勢はようやく岡崎城へ入ったところとの報告を受けているため、織田・徳川との本格的な戦が始まるとしても数日後であろうと考えられている。
また、別の素破衆からの報告の中に気になる話が合った。
尾張の沖合いに巨大な船が現れ、どこかの国が織田と何やら話し合いを行ったようだというのである。
しかし、ここが海から遥か遠くの場所であるため、その船が脅威にはなりえないことなどから問題ないと判断し、織田が取引している伴天連の国の船であろうという結論に達していた。
他にも、先日夢に出てきた葦の精を名乗る老人の忠告なども頭によぎるが勝頼は深い眠りへと落ちていく。
長篠城を包囲している武田の陣地でもほとんどの者が寝入っているため、動くものは寝ずの番として起きている者しかなく、灯りも焚き火が放つ光しかない。
転移日本の人間がしる“現代”では存在しえないほどの静寂と闇がその場を支配していた。
しかし、その静寂も終わりを迎える。
5月14日 22:00 護衛艦「かが」内陸自司令部
新田が作戦行動の開始を告げると同時に各部隊が動き出す。
「かが」の甲板からは多目的ドローン、攻撃型ドローンが飛び立ち、続いてヘリ部隊が飛び立つ。
それからほどなくして、攻撃型ドローンから切り離された滑空誘導弾は多目的ドローンが搭載する誘導装置の発する光波を頼りに長篠城の南に存在していた5か所の砦に次々と着弾し、爆発を引き起こす。
その後、爆発に呼応するように各所に待機していた地上部隊による銃撃が始まる。
目的を遂げた攻撃型ドローンは帰投をしていった。。
そんな中、攻撃型ドローンのコントロールを担当していた一人が愚痴をこぼす。
「現代では役立たずだったこいつが役に立つとはなぁ。」
攻撃型ドローンの本来の運用思想である目標への自爆特攻であるが、日本国内での導入では過去の神風特攻を連想させるとして、野党やマスコミから反発を受けたため、機体内部の爆発物は撤去され、AIを利用した自立行動及び目標への自立自爆特攻の機能はオミットされたため、小型の誘導兵器を搭載するという中途半端な性能になっていた。
しかし、この時代にはレーダー施設も対空攻撃手段も存在しないため、その評価が変わることとなる。
5月14日 亥の刻 鳶ヶ巣山砦
ドカァァン!
突如として鳶ヶ巣山砦で多数の爆発が起き、轟音が響き渡る。
建物の内部にいた者達の多数は何が起きたのか理解する間もなく、この世を去る。
たまたま建物の外にいた者も四散する瓦礫などで体や頭を強く打ち、大きな怪我をしている者もいる。
難を逃れた者達が陣城が存在した方を見ると無残に破壊された陣城であったものが見える。
「いったい何が起こったのだ!」
突然のことに兵たちは何が起きたのか理解できない。
しかし、仲間たちを助けるためにがれきの撤去を始めるのであった。
5月14日 亥の刻 有海村陣地
山県昌景、高坂昌澄等ら2人の方でも突然響いてきた音で目を覚ましていた。
各々が配下の者に指示をだし、現状を把握しようと情報を集めさせている。
同じく轟音に起こされる形で目を覚ましている兵士にも聞き取りを行うが、大きな音が響いてきたということ以外、何が起きているのか把握することができない。
「兵に確認をしたがみな大きな音がしたとしかいわぬ」
「こちらも同じような感じだ。」
「念のため、篠場野にも確認を取った方がいいのではないか?」
「それよりも勝頼様の安否が気になる。」
話し合いの場が持たれたが大した情報は得られず、勝頼の安否の確認と篠場野陣地への使いを出す結論に至ったため、使いの者を送り出した直後、不可思議な音と共に陣地の周辺にて見張りについていた兵士に光の礫ようなものが多数迫り、彼らを襲う。
無事だったものの中で倒れた見張りの兵を確認し、これが敵の攻撃だとやっとのことで気が付いた者が叫び声をあげる。
「て、敵襲ーーーーーーー!」
敵襲の報を受け、各々の者が武器を構えるもあたりは暗く、松明や篝火の灯りを頼りにするしかない。
どこから敵の攻撃が来るのかわからないため、兵全体に緊張が走る。
それからほどなくして、再度光の礫が兵士を襲う。
暗闇から一方的に攻撃される恐怖、時間を追うごとに少なくなっていく兵士に逃げ出す者も出てくる。
やがて陣地内の兵の半数以上がいなくなった時、どこからともなく不思議な様相の者達が山県昌景、高坂昌澄の前に姿を現し二人を囲む。
彼らはこちらに筒のような穂先が付いたものを一斉にこちらへ向けていた。
彼らの構え方から山県昌景はそれが火縄の一種ではないかと考える。
「山県昌景、高坂昌澄の両名とお見受け致します。大人しくして頂きたい。」
彼らの一人が山県昌景、高坂昌澄にそう問いかける。
「貴様らは織田の手の者か!」
高坂昌澄は腰に回していた手で刀を抜き、彼らに切りかかろうとする。
「高坂殿!待て!」
次の瞬間、彼らの持つ筒から光が放たれ、高坂昌澄は膝を着く。
手と足から出血している高坂昌澄を見た山県昌景は自分の予想が当たったこと、これだけの火縄銃に囲まれた状態では何も打つ手がないこと、手と足を打ち抜く正確さから抵抗も自害も許されないであろうことなどから、縛に着くことを受け入れる。
ほぼ同時刻、篠場野陣地でも同様のやり取りがあったことは後になってから知ることになる。
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