信長の野望・異説 長篠の戦2
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今回は前回の続きとなります。
自衛隊を見送り、自分たちの戦の準備のため、城に戻ことにした信長達であったが、踵を返そうとしたその時、突然無線から声が漏れてきた。
「こちら橘、どうぞ」
突然聞こえてきた声に家康が狼狽える。
信長が懐から取り出した無線機を指さし、家康が質問する。
「信長殿、それは一体どういう代物ですか??」
「これは無線機という物だ。彼の国の者が言うには離れている場所でもやり取りを行うための絡繰りらしい。」
家康に軽く説明をした後、橘に教えられていた通りに無線機の"ぼたん"を押して応答する。
「こちら信長、どうぞ。」
「確認したいことがございますので先ほどの海岸へ信忠様と一緒に戻ってきて頂きたいのですが。どうぞ」
「承知した。どうぞ」
「ありがとうございます。通信終わり。」
通信が終わった信長は無線機をしまいつつ信忠に今やり取りした内容を告げ、街道から海岸の方へと向かう。
先ほど自衛隊が上陸した場所へはすでに輸送ヘリが着陸するところであった。
「突然のことで申し訳ありません。信長様と信忠様に確認したいこと、確認して頂きたいことがありましたので、こちらのヘリで我々の船へお越し頂いてもよろしいでしょうか?」
ヘリから降りてきた橘がそういい、二人にヘリへの搭乗を促す。
その言葉に信長は嬉々として頷き、ヘリに乗り込み、信忠もこれに続く。
「お供の方々は申し訳ありませんがご遠慮願います。お二人の身柄は責任をもって直接岐阜城までお送りいたしますので。」
橘のその言葉に、信長の供として付いてきた者達は騒ぎ立てるが、信長が一喝することで収束する。
供の者達は鋭い目つきで橘を睨みつけているがそれを他所に橘もヘリに搭乗する。
その後シートベルトの説明を行ってから二人の体が固定されたのを確認した後、輸送ヘリは再び「かが」へと戻っていく。
しかし距離はさほど離れていないためすぐに「かが」の甲板の上である。
自衛隊員が歓迎する中、橘は信長達を船室へと案内する。
「私はここまでですので後は部屋の中にいる新田の方から詳しく聞いてください。」
そういい、部屋への入室を促す。
「お忙しい所お呼び立てしてもうしわけありません。先ほど確認し忘れていたことがございましたので」
新田はそう切り出す。
「話というのは今回の戦の方針についてです。橘からすでに説明があったと思いますが、我々は早い段階で旧日本が統一され、人口を増やしてもらうのが目的です。そのため、無駄な争いを避けるためにも今回の戦いで武田勝頼を捕虜とし、武田が織田へ降るように話を持っていきたいと考えているのですが、信長様はどのようにお考えでしょうか?」
「儂としては武田が素直に従属するのならそれで構わぬが、はたしてそれが可能なのか?」
信長としても無駄な戦をせずにすむならその方がよい。
しかし、抵抗する気を完全に削がなければ謀反や離反の可能性も出てくる。
「捕縛に関しましては絶対とは言い切れませんが、可能な限り実行できるように準備いたします。我らとしては武田勝頼を捕縛した後、説得できればと思っております。犠牲を少なくするという前提からは矛盾するように聞こえるかもしれませんが、説得を成功させるためにも今回の戦ではどうあがいても勝てないと思い込ませるだけの打撃を与えようかと考えております。」
「よきにはからえ。」
新田の説明ぶりから捕縛も容易なのであろうと判断した信長はそう返答する。
「ありがとうございます。次に捕虜の扱い、市井の民の扱いについてなのですが。我々の日本は我々がいた時代、戦時国際法という物を批准してまいりました。これは正確には複数の条約を纏めた呼び方なのですが。その中に捕虜についての条約、非戦闘員、つまり市井の民の扱いについての条約があります。簡単に言えば捕虜への拷問などを禁止し、きちんとした食事を与え健康管理行うこと、市井の民への攻撃、略奪を禁止することなどがあげられます。乱取りに関しましては信長様は禁止していたという記録がございますので心配しておりませんが、今後の捕虜の扱いについては我らの基準で雑兵に至るまで丁寧に扱って頂けませんでしょうか?」
「わかった。約束しよう。」
信長の返答に新田は胸を撫でおろす。
捕虜を虐殺、虐待するような国に力を貸すとなると21世紀の倫理観をもつ日本国民から理解が得られず自衛隊全体が突き上げを食らう可能性があるからである。
「ありがとうございます。」
お礼をいい新田は時計を確認する。
「そういえば、せっかくお越し頂いたのにまだお茶もお出ししておりませんでしたね。申し訳ありません。」
内線でお茶とお茶菓子を用意するよう指示を出す。
しばらくして自衛隊員が人数分のお茶とお茶菓子であるどら焼きをもって現れる。
目の前に出されたお茶とどら焼きを見つめる信長と信忠であったが、手を出すことを躊躇する。
本来であれば毒見役に食べさせてから手を付けるべきであるのだがどうするべきか・・・
二人のその様子をみて新田は笑いながら声をかける。
「別に毒なんて入っておりませんよ。何なら私の方と交換いたしましょうか?」
そういい新田は信長の分のお茶とどら焼きを自分の分と取り換え、飲み食いしてみせる。
新田のその様子を見て覚悟を決めた信長はどら焼きに手を伸ばし一口かじる。
次の瞬間、信長は物凄い勢いでどら焼きを頬張り、一気に食べ終える。
その後お茶を流し込み一息ついた信長を見て新田は笑顔で声をかける。
「お気に召して頂けたようで何よりです。」
その後、信忠が食べ終わるのを待ち、一息ついてから新田が話を切り出す。
「実は他にも確認しておきたいことがありまして、別の部屋にお二人を御案内いたします。」
そういい、新田は二人を別室に案内する。
到着した部屋には多数の自衛隊員が詰めており、様々な装置が設置されている部屋であった。
信長との無線機でのやり取りは若干シュールかと思いますが、入れる事にしました。お許しください。
乱妨取りに関しては信長は上洛の際禁止しているようです。
いわゆるイメージ戦略に当たるのでしょうか?
話は変わりますがどら焼きというお菓子自体はかなり昔から存在したみたいですが、私たちがよく知る厚手のホットケーキ生地みたいな生地で餡を挟む形のどら焼きは明治初期頃に見られるようになった形らしいです。
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