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岐阜会談3

評価、ブックマークありがとうございます。

今回も前回の続きからです。

「よかろう。その同盟の話、呑もう。」


「ありがとうございます。」


橘が礼を述べる。


「同盟締結の返答を国に伝え、戻ってくるまでにどれほどの日数がかかる?数日以内に戦が始まる予定であるが故、可能ならさっそく軍事支援を要請したいのだが」


信長が橘にそう質問する。

徳川からの救援要請が届いているため、準備が整い次第出陣せねばなるまい。

こちらの被害を一人でも少なくするためにも、使える駒は多い方がいい。


「連絡自体はすぐにでも可能ですが、正式な同盟締結は我々の日本での署名後になります。基本合意の今の段階でどれくらいの軍事支援が可能かは上の判断によりますので今のこの場では何とも言いようがありません。それから、我々が軍事支援を行える範囲は現段階では基本的に同盟を組んだ織田のためだけです。同盟国の同盟国までは範囲に入っておりません。」


橘は質問に対する返答をした上でそう答える。

先ほど判明したこの時代の年月日であれば、おそらく相手は武田、いわゆる「長篠の戦い」と呼ばれることになる戦のことであろう。

本来の歴史ならば織田・徳川連合軍で問題ない戦いである。

しかし、ここで拒否してはほぼまとまっている同盟の話が長引くか、最悪無しの方向へ向かう可能性も考えられる。

それならば・・・


「しかし、せっかく同盟を結ぶことになったわけです。そのような要請があったことを伝えてみます。申し訳ありませんが、連絡をしますので一度外へでてもよろしいでしょうか?」


そういい、衛星携帯電話を取り出す。


「すきにせい。」


信長の返事をまって橘は立ち上がる。

それと同時に3人の自衛官も立ち上がり橘についていく。

残されたのは和泉と残りの自衛官3名である。

橘とのやり取りで若干気疲れをしていた信長であったが、残されたのが女性である和泉であったせいか、若干肩の力を抜く。


「しかし、国の政を藤原が摂り、その使いで橘がやってくる。未来の日本は再び藤原が掌握したのか?」


橘が戻ってくるまでの間に軽い世間話などはあるだろうなと予想していたが、信長のまさかの問いに和泉は一瞬思考が止まる。

しかし、すぐに理解することができた。

この時代の日本の常識では、選挙制度など思いもしないであろう。

460年以上も先の日本でも、盛衰が繰り返され、天皇から政をとるよう任命される一族が入れ替わってきたと考えたのであろう。

その上で未来の日本の代表が藤原だったのだ。

和泉は訂正をしておくことにした。


「今の総理大臣がたまたま藤原姓だっただけの話ですよ。我々の今の政治形態は議院内閣制という形を取っております。これは、国民の民意で決まった300人ほどの中から一人の総理大臣が決められる形になっております。」


和泉はそのように返答しておく。

この時代の人間にとって、民主主義はまだ難しいであろうこともあり、詳しい説明は省く。

このやり取りを契機に信長は和泉にいろいろと質問する形で雑談が続く。

今現在の日本の人口の話や天皇家が現存しているのかといった質問等聞きたいことはそれなりにあったようである。

橘が戻るまでの間、二人の雑談は続く。




橘が空を確認できる外へ出る。幸いなことに通信の阻害になりそうな雲の姿は見当たらない。

護衛の自衛隊に周りを見張らせる形を取らせ、橘は衛星携帯電話の番号を押していく。

数回の呼び出し音の後、通話が繋がった音がする。


「藤原総理、橘です。信長本人と同盟の話をすることができました。先方は同盟の話を受けて下さるそうです。」


「そうですか。無事に事が運んだようで何よりです。」


電話口でため息が漏れる。

どうやら藤原も最初の関門を抜けて安堵しているようである。


「話の途中でこの時代の正確な日時も確認することができました。今日は天正3年5月5日、随行した和泉がいうには天正3年は1575年らしいです。」


橘と藤原の間で織田との話し合いのやり取りの説明が行われる。


「先方も警戒しているようですが、こちらが提示したメリットがでかいと判断したのでしょう。それと正式な調印の前なのですが、次の戦のための軍事支援の要請がありました。判明した日時からおそらくですが、有名な「長篠の戦」が次の戦になるかと。本来なら織田徳川連合で問題ないこと。戦の原因になる長篠城は元々徳川の城であること等から自衛隊の出動は必要ないかと思いますがどのように返事いたしましょうか?」


「そうですね。織田と将来的に敵対する勢力ならば無視するでしょうが、織田と徳川は同盟を結んでいる状態でしょうし、信長と家康は元々家康が小さい時から面識があるといわれています。我々が知る史実では問題ありませんでしたし、我々が介入することで信長が本来より長生きしたとしても、信長存命中であれば大きな造反もないでしょうがそうですね・・・今回は自衛隊を派遣する方向で検討してみましょう。元々同盟締結前にこちらの軍事力が見たいなどの注文を受ける可能性も考慮されていましたし、織田との話が拗れて戦闘状態になった場合に備え「かが」にもある程度の人員を動員しています。最悪の場合を鑑みて、出動する準備だけはすでに整っています。せっかくまとまった同盟の話です。ここで我々に対して不信感を持たれてもかないませんしね。まずは徳川には自衛隊が上陸することへの許可、徳川領内の自衛隊の移動許可を得てください。使用許可が得られましたら再度連絡をお願いします。」


「承知しました。」


「ご苦労をおかけしますが、引き続きよろしくお願いします。」


そういい、電話が切れる。

橘は衛星携帯電話をしまうと、再び元の広間へと戻るのだった。

いろいろと調べているけれども軍事に関しては素人なので今後の戦闘描写どうするか悩む・・・

感想、誤字脱字報告等お待ちしております。

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