接触2
モブの名前は適当です。
しばらくはこの時代の村人たちの驚く描写が多くなるかも。
言葉の壁はさすがに無視していくことになります。
コンコンッ
部屋の扉がノックされる。ほんの少し時間をおいてから
「橘さん、そろそろ時間ですよ。」
そう呼びかけられ、橘の意識は覚醒した。どうやら軽く居眠りしていたようだ。
眠気を振り払おうと軽く頭を振った後返事を返す。
「すみません。今行きます。」
そういいつつ扉を開ける。知らせてくれたのは和泉さんのようだ。橘の顔色を確認してから和泉が一言かける。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。起こしていただいてありがとうございます。」
「転移後は各省庁、忙しかったですからね。」
「今から仕事ですし日本のためにもしっかり働きますよ。」
軽い会話を交わしているうちに艦橋にたどり着いた。
「もう間もなく予定の場所です。」
艦長がそう告げた後、船が減速を開始、次第に船速を落としていき、船が完全に静止したのを確認した後、汽笛を3回を1セットとし、数分毎に鳴らし続ける。
やがて様子を見にある程度の人が出てきたのを確認したが橘達が待っているのはあくまでも、織田家家臣である。
名のある武将ではなくとも異常事態として主に知らせることができる人物でなくてはならない。
それからしばらくは海岸にに人が集まって大騒ぎしていた。
中には小舟でこちらへ近づいてきたものもいたが、本艦の周りを一周まわった後、浜辺へ戻って行く。
時間は過ぎ時計の針が2時を過ぎたであろう時刻、海岸に馬に乗った身なりのいい人物が3人姿を現した。
恐らく織田家に仕える人物であろう。
すかさず艦長が艦に備え付けられた拡声器用のマイクを橘に手渡す。
「国の代表と話がしたい。話し合いに応じる意思がある場合、明日の日が沈むまでに海岸に旗印を掲げて頂きたい。」
今回、最初の呼びかけでは国名は出さないことになっている。
どこで他国の人間が聞いているかわからないからだ。
未来の日本から日本へ呼び掛けるなど、冗談もいいところであるし、余計に混乱させることになる。
会談の場を設けられた場合に初めて未来の日本からということを告げる予定である。
こちらから日本語で意味がある言葉が返ってきたことに驚いたのか、一人落馬してしまったようだ。
大丈夫だろうか?
やがて馬に乗った人物たちは一人を残し、どこかへ行ってしまった。
残った一人はこちらの監視で残ったのであろう。
残りの二人は目論見通り名のある武将、または織田信長へ報告へ行ったことを願う。
最初の目的は達成したのだが、次の行動はしばらく起せないので待機状態である。
自衛隊員達に海岸の監視をお願いすることにし、橘と泉は献上品の点検や工程の確認を行うのであった。
その日、尾張の海岸は喧騒に包まれることになった。
ことの発端は日が天辺まで登り切るまではもう少しかかろうかという時刻、突然聞いたこともない音が聞こえてきたのである。
好奇心からなのか、音の元を探ろうと音のする海岸の方へ向かう村人がちらほらといる。
海岸に近い村に住む与作もその一人である。
与作が海岸を目指して歩いていると同じ村に住む吾作を見つける。
同じように海岸の方を調べに行くのだろう。
与作が吾作に話しかける。
「よう、吾作、お前もあの音の元を調べに行くのか?」
「与作か、あの音が気になって仕方ないから調べて来いってかあちゃんがいうんでな。」
二人で話をしながら海岸を目指すと、どうやら近くの村からも海岸を確認に来ているようだ。
しばらく歩いていると海岸を一望できる開けた場所にでる。
そこで目にしたものは灰色の大きな船のようなものであった。
何か悪いことの前触れでなければいいが・・・そう思いながらしばらく眺めているとやがて、他の村の奴らも大勢集まってざわざわしだした。
多分吾作が呼びに行ったのだろう。
しばらくは周りのみんなで騒いでいるだけであったが、途中一人ほど、小舟を持っている者があの船のようなものに近づいていった。
時間をかけて小舟が近づいていくが、小舟はどんどん小さくなっていくのにあの灰色の船には一向に近づいているようには見えない。想像していたよりもずっと大きいのであろう。
時間がかかったが小舟が灰色の船の後ろに姿を消し、後ろ側から回り込んでゆっくりと帰ってきた。
陸にあがった途端、同じ村の知り合いであろうと思われる人が駆け寄って何かを聞いている。
「おい。どうだった?」
「どうもこうもねぇ。あんなでっかい船、初めて見た。それにあれはきっと・・」
小舟の持ち主であろう村人が何か伝えようとしていた矢先
「誰かあの船について知っている者はいるか!?」
馬に乗ったお侍様たちが海岸に現れた。と、ほぼ同時に突然船から大きな声があがる。
「国の代表と話がしたい。話し合いに応じる意思がある場合、明日の日が沈むまでに海岸に旗印を掲げてください。」
聞いたこともないくらい大きい声だ。あんな声を出せる人間でも乗っているのだろうか?
大きな音を発する灰色のでかい船が沖に停泊しているという話を村人が知らせに来たため、馬を走らせて駆け付けてみれば、想像以上にでかい。
今はお館様も大事な時期、仔細漏らさずお伝えせねばなるまい。
「誰かあの船について知っている者はいるか!?」
海岸に集まっていた村人たちに話を聞こうとすると我らがここに来るのを待っていたかのように沖合の船は声を上げた。
「国の代表と話がしたい。話し合いに応じる意思がある場合、明日の日が沈むまでに海岸に旗印を掲げてください。」
とてもでかい声である。六輔が驚いて馬から落ちてしまっていた。
だが、時間を無駄にはできない。
「誰かあの船について知っている者はいるか!?」
再度尋ねると一人の男が前に出てくる。
「先ほどあの船の周りを小舟で回ってきました。あれはここから見える以上に近づくとでかく感じます。まるで海の上のお城です。それに・・・あの船は全部鉄でできているように見えました・・・」
なんということだ。
あれだけの大きさの船を造るだけでも驚くべきことなのに、あれがすべて鉄でできているだと!?
いったいどこの国の船なのだ。
いや、今はそのようなことはどうでもいい、何しろあの大きな船は我らが国と話がしたいというのだ。
今ならまだお館様は岐阜城におられるはず。
謎の灰色の船の監視は六輔に頼み、俺と七弥はお館様にお知らせするために馬を全力で走らせるのであった。
私の中では信長ってお館様って言われているイメージしかわかないのですが、実際どう呼ばれていたいたのでしょうか?
それと、戦闘に架空兵器に当たるものって出していった方がいいんでしょうか?
感想、誤字脱字報告お待ちしております。




