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シルフィー戦

「これはレーナも知っていると思うが、龍種というのは創造の時から存在している。」


「はい、本で読んだ事があります。」


龍種がBランク上位であること、そして、創造の時から存在するという事実は、町の子供でも知っている情報だ。


「それで、彼ら龍種の役目だが...創造の時より前の時代に存在した、強大な力を封じ込める事だ。」


「創造の時より前の時代...ですか?」


「あぁ。1000年前、龍種が何者かによって倒された事があってな。」


「その時に出てきたんですね...」


私は結構アカン事をしてしまったのかもしれない...


デルラジア大森林の龍が何を封じ込めていたのかは分からないけど、もしかして...今の私なんかには対処できないレベルの化け物が...


「1000年前やられたのは、北の島に祠を持っていた龍だ。」


北の島。またの名を竜の島。

その島はその名の通り、竜の為に存在するような島だ。


「その時出てきたのが、竜王。」


竜王って...デルラジア大森林にいた時、助けてもらった?

あの竜...ただものじゃないのは分かっていたけど、そんなに強かったんだ...


「幸いにも、竜王は戦いを好まない性格をしていてな、今も北の島で静かに過ごしているらしい。」


確かにあの竜王さんは結構いい竜だった。機会があればまた会いたい。


「グラァァァァ!!」


「着いたみたいです!!祠!!」


目の前にあったのは、祠というより神殿に近いものだった。龍の銅像が沢山並べられており、それら全てが黒で塗られていた。そして、そんな銅像の横に、一人の女性...


「ロス!避けて!!」


女性は掌をこちらに向け、不敵な笑みを浮かべていた。


「シルフィーか!?」


「〖熱光線〗!!!」


そんなお父様の言葉を合図に、女性は光の光線を掌から放つ。


「グルルルルゥゥゥ!!!」


ロスはそれをギリギリで避ける。


「お母様...!!」


やっと会えた...この数日間、ずっと...


私はデルラジア大森林で起きた出会いや、修行の事を思い出しながら、お母様へと意識を集中させた。


--------------------------------------

名前:『シルフィー・ヴォン・アルフォード』


 種族:イブリース

 状態:通常

 年齢:25

ランク:B+++

  LV:83/90


  HP:729/873

  MP:853/891

攻撃力:657(+100)

防御力:632(+10)

魔法力:663(+100)

 速度:677


 装備:〖アルフォード家のワンピース:価値C-〗〖涅龍の剣:価値B+〗


魔王スキル:

〖アスラ:Lv2〗


通常スキル:

〖カタルシス語:Lv7〗〖爆炎球:Lv8〗〖焔矢:Lv8〗〖ライトニングスピード:Lv8〗〖炎流群:Lv8〗〖熱光線:Lv8〗〖炎刀:Lv8〗〖爆炎槍:Lv8〗〖狐火:Lv7〗〖火鎧:Lv8〗〖闇結界:Lv8〗〖瞬暗:Lv7〗〖闇衛星:Lv8〗


耐性スキル:

〖衰弱耐性:Lv7〗〖水属性耐性:Lv8〗〖恐怖耐性:Lv7〗〖物理耐性:Lv8〗〖苦痛耐性:Lv7〗〗〖雷属性耐性:Lv7〗〖風属性耐性:Lv7〗〖闇無効:Lv--〗〖炎無効:Lv--〗


特性スキル:

〖炎熱知覚:Lv8〗〖炎之豪腕:Lv7〗〖鑑定:Lv7〗〖ステータス閲覧:Lv8〗〖念話:Lv8〗〖完全闇支配:Lv--〗〖涅龍の鱗:Lv--〗〖龍化:Lv--〗〖アネジスタの主:Lv--〗〖魔眼:Lv--〗


称号スキル:

〖神の卵:Lv--〗〖剣聖の姫:Lv--〗

--------------------------------------


魔王スキルのレベルが上がっている...それに、進化もしている。


これが示す事は一つだ。


お母様は倒してしまったのだ...龍種を...管理者を...


まぁ...私もうっかり倒してしまったが...


「あらレーナ!強くなりましたね!」


「お母様こそ。」


どうやらお母様も、私のステータス確認をしたみたいだ。その上でこの笑顔だ。やっぱり、何か奥の手を隠している...


「ロス!直ぐに降りて、こちらからも仕掛ける。」


「グルルルルゥゥゥ!!」


ロスに声を掛けると、ロスは直ぐに地面に足をつけてくれた。ロスもやる気らしい、いつもは小動物みたいな目しているくせに、今はきちんとした竜の瞳でお母様を睨んでいる。


「シルフィー...」


ロスの背から飛び降りたお父様は、ゆっくりと、その重い口を開き、彼女の名前を呟いた。


「何ですか?アルスさん。」


そんな彼を嘲笑うかのように、お母様は薄っすらと口角を上げ、いつでも次のスキルが使えるように、準備にかかる。


「本当に...龍種に手を出したのか...?」


まだ覚悟が出来ていないのか?

お母様はいつでもスキルを発動させられるような体制になったというのに、お父様は剣も構えずに、無防備な姿を晒している。


「えぇ。もう消し終わりました。」


お母様は『..10分以内に祠に来なかったら、涅色の龍を消します』と言っていた。約5分前に...

約束が違う!と訴えたいところだが、あんな口約束、お母様が守る義理なんてどこにもない。


「言ったはずだよな...龍種がどんなに大切な種族かを..」


「えぇ、聞きましたね。」


お父様の声は酷く、震えていた。そんな弱弱しい姿を敵の前に晒すお父様は、もう、剣聖ではなかった。

ただの夫だ。一人の妻の裏切りに、絶望を隠せないでいる。哀れな男。


「もういいでしょう...私も色々とやりたい事があるのです。〖爆炎球〗!」


お母様の掌で生成される、巨大な炎の球体。そんな炎は一気に無防備なお父様に襲い掛かる。私はどうにかして止めようと、お父様に近寄ろうとするが...


「大丈夫ですよ、剣聖様なんですから。」


クルムさんに止められてしまった。


その瞬間、お父様はどこからか聖剣リムドブルムを取り出し、それを音速を超える速度で構え、お母様が放っていた〖爆炎球〗を無言のまま切り裂いた。つまり、スキルを使わなかったという事だ。


「残念だよ...シルフィー。」

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