蒼天竜
その身を冷たく、虚しい土につける二匹の虎。
辺りに散らばる木の葉が朱餡に染まり、この場で立っていた一匹の竜の強さを表していた。
「グルゥゥゥゥ。」
進化できるみたい。
ロスは数歩下がり、私とヒューリから距離を取っていく。
その瞬間、ロスの身体はいつも通りの輝きを放ち始め、私とヒューリの視界を奪っていった。
大森林を包み込む程の輝きは次第に薄れてゆき、私は徐に瞼を開いていった。
「グララララァァァァ...」
視線の先には一匹の竜。
数々の木々を折り、その身を大森林から浮き出す程の巨大な竜が...
「レーナ...これって、大丈夫なの...?」
体中を覆う白銀の鱗。そこらの魔物を踏みつぶせる程の巨体を、二足で支えるその筋力。
見惚れてしまう程の美しさを放つドラゴンに成長したロス...それはとても喜ばしい事なのだが、そこには大きな問題があった。
この大きさだと、屋敷に入れない...
それどころか、帝都周辺を飛ぶだけでも、かなり目立ってしまう。
今までの大きさなら、ギリギリ屋敷内で戦闘できたと思うけど、これではせっかく進化したのに補欠になってしまう...
「グルゥゥゥゥ...?」
そうか...〖ステータス閲覧〗がまだだった...
余りの衝撃で忘れるところだった...
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名前:『ロス』
種族:蒼天竜・ルネサンス
状態:通常
ランク:B-
LV:1/75
HP:322/322
MP:336/336
攻撃力:236
防御力:239
魔法力:247
速度:243
通常スキル:
〖かぎ爪:Lv6〗〖突撃:Lv6〗〖蒼天竜の咆哮:Lv6〗〖マナヒール:Lv6〗〖オーラショック:Lv6〗〖氷結:Lv6〗〖降雪:Lv6〗〖流水砲:Lv6〗〖蒼天の癒し:Lv6〗〖氷結界:Lv4〗〖氷牢獄:Lv4〗〖光之纏:Lv4〗
耐性スキル:
〖水属性耐性:Lv6〗〖氷属性耐性:Lv6〗〖恐怖耐性:Lv5〗〖物理耐性:Lv6〗〖落下耐性:Lv5〗〖火属性耐性:Lv5〗〖雷属性耐性:Lv5〗〖風属性耐性:Lv6〗〖闇属性耐性:Lv4〗〖光属性耐性:Lv4〗
特性スキル:
〖飛行:Lv6〗〖蒼天竜の鱗:Lv6〗
称号スキル:
〖竜神の配下:Lv--〗〖竜神の右腕:Lv--〗
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Bランク下位か...
ヒューリ程ではないけど、かなりの化け物になったなぁ。
名前からして、何か神々しい系ドラゴンっぽいし、鑑定さんで調べてみようか。
【種族〖蒼天竜・ルネサンス〗B-ランクモンスター。神に仕える癒しのドラゴンとして知られており、蒼天の守護神とも言われている。】
うん...
予想通り..なんか神々しい系ドラゴンだったわ...
「ヒューリ...どうしよう...」
なんか神々しい系ドラゴンだと分かったのはいいが、何の解決にもならない...
どうにかしてロスが小さくなれる、もしくは小さくするスキルがあればいいんだけど...
「グルゥゥゥ...」
私の心でも読んだのか、ロスは寂しげな鳴き声を漏らす。
そんな顔をされたらバカでも分かる..
「ないのかぁ...何とかなりそうなスキル...」
魔物狩りしてレベルアップしたら、新しいスキルも手に入れられるかもしれない...
後は、仲間を増やすと言う手段もあるけど、新しい仲間を見つけるなんて、簡単な事ではない...
「もしかして、詰んだ...?」
ヒューリはうっすらと口角をあげながら、少し幼さを感じさせる瞳を向けてきた。
「詰みそう...」
お母様は魔王スキル持ちだ。純粋なステータスでは私が勝っているかもしれないけど、どんなチートスキルを隠し持っているか分からない。
そんなお母様に勝つ為にも、ロスのサポートは不可欠だと思っていた...
ヒューリと私で...力でごりおすだけでは、恐らく勝てない。
しかも屋敷内だと、使用できるスキルも限られてくる。
もう笑ってしまいそうだ...
どうにかして作戦を考えなければ...
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--翌日
目の前に広がる、決戦の日だと進言していた紅葉とした太陽は、私の心拍数を加速させる。
結論から言うと、私は解決策を見つけられなかった。
一応ロスやヒューリのレベルはできるだけ上げたが、結局ロスの事はどうにもならなかった...
新スキルを獲得する事も、新しい仲間を得る事も叶わなかった。
「いよいよ今日だね、レーナ。」
今日..決着が着く..
準備が出来次第、私とヒューリはロスの背に乗って帝都を目指す予定だ。
到着予定は昼過ぎ。
ロスの飛行レベルはかなり高いし、休憩もそんな取らずに一気に行けるだろう。
***
「ロス、準備はどう?」
「グルルァァァァ!!」
一応翻訳すると『準備万端だぁ!!』的な事を言っている。
今すぐにでも飛び立ちたいところだけど、一応確認しておくか、私も含めた皆のステータス...
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名前:『レーナ・ヴォン・アルフォード』
種族:ドラゴノイド
状態:通常
年齢:6
ランク:B+++
LV:79/90
HP:739/739
MP:773/773
攻撃力:589
防御力:547
魔法力:614
速度:598
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やっぱり今までと比べて、かなりレベルの上がり具合が悪くなった。
レベル60くらいからだろうか?それから必要経験値がかなり上がった気がする。
万が一の事を考えれば、もうちょっと上げたかったところだけど、私もチートスキル持ってるし、大丈夫かな。
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名前:『ヒューリ』
種族:シルフィード
状態:通常
年齢:8
ランク:B
LV:64/87
HP:512/512
MP:528/528
攻撃力:451
防御力:389
魔法力:416
速度:469
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ヒューリもレベル60くらいまでは順調にレベル上がってたけど、いきなり上がり難くなった。
レベル60に大きな壁でもあるのだろうか?
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名前:『ロス』
種族:蒼天竜・ルネサンス
状態:通常
ランク:B-
LV:50/75
HP:442/442
MP:438/438
攻撃力:371
防御力:378
魔法力:368
速度:379
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ロスは短期間でよくここまでのレベルになったものだよ...
こんな馬鹿げたステータスに加えて、あのサポートスキルの数々。強さに関しては文句なんてないのだが...
その巨体がどうにかならないと、ロスには戦闘中、ずっと私の中にいてもらう事になってしまう。




