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龍化

熱い。


そんな感覚が体内を駆け巡る。


次第にそんな感覚は失われてゆき、不快感とも言えない様な感覚に変化し、ただの違和感に変わっていった。


真っ暗の中、私はそんな違和感に苛立ちを覚えながら、ただそんな時間を過ごしていった。


「レーナさん..!!どうし...ですか..!!」


少女の声だ。聞き覚えのある少女の声。誰だろう...何を言っているのだろう?


「グラァァ!!」


鳴き声?何の鳴き声?分からない...ただ、何かが...私を...呼んでいた。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


叫び声...?誰かが、苦しんでる?助ける?私になら...出来る気がする。


なんで...?


なんで私は助けられる?


「ああぁァァあぁぁぁ!!」


私に...何ができる...?


【龍位継承を開始します。】


誰?


分からない。でも、聞き覚えがある。何処かで...多分馴染みのある声...


「レーナさん!!!」


「グラァァァァ!!」


【特性スキル〖完全炎支配:Lv--〗を獲得しました。】

【特性スキル〖焔漿龍の鱗:Lv--〗を獲得しました。】


【耐性スキル〖火属性耐性:Lv7〗が〖炎無効:Lv--〗に進化しました。】

【耐性スキル〖闇属性耐性:Lv7〗が〖闇無効:Lv--〗に進化しました。】


【特性スキル〖竜人化:Lv2〗が〖龍化:Lv--〗に進化しました。】


【魔王スキル〖竜神:Lv1〗が〖竜神:Lv2〗にレベルアップしました。】


【特性スキル〖天竜の咆哮:Lv--〗を獲得しました。】


【灼龍継承の儀が完了しました。】


熱い。そんな感覚が戻ってきた。


『熱い』と言う感覚は段々と強くなり、私の意識は強引に現実世界へと引き戻されていった。


強烈な熱さから来る痛みに耐えながら、私は瞼を開ける。そんな私の視界に映ったのは炎。薄っすら赤く染まった世界。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


私は叫ぶ。激痛に耐えられず、只々叫び続ける。


なにこれ...私は確か...焔漿龍を倒して...それで...


記憶が...分からない。でも、分かる。一つだけ分かる。


グレゴリーを倒す。


「〖龍化〗...」


その瞬間、私の視界は異様に高くなった。目の前に薄っすらと見えていたヒューリやロスが凄く小さく見える。それに...グレゴリーも...


私は全神経を研ぎ澄まし、自分を纏っていた炎に意識を集中させる。その瞬間、炎は動き出した。これは面白い。無造作に暴れ回るはずの炎が、操り人形のようだ...


「やめろ...」


グレゴリーの声か...良く分からない。ただ、それが男の声だって事は分かった。でも、そんな事はどうでもいい、私は目の前のグレゴリーを倒せればいいのだから。


「お前なんか、どうせ!!あの方に...!!あった事もないんだろう!!!」


男は叫ぶ。私に背を向け、何かを吐き散らしながら少しずつ遠ざかっていく。


「お前じゃぁ生き残れない!!どうせ生き残れないなら、僕によこせよ!!」


「じゃあね。」


それは冷たい声...と言うより、吐息に近い物だった。それはとても静かで、それでいて威圧感のある。圧倒的強者による物だった。


私を纏っていた炎が舞い、私の視界を埋め尽くしたそれは目の前の負け犬に襲い掛かる。


「お前は扉を開いたんだ...!誰も残らないかもしれない...!」


子犬は倒れ込み、只呆然と炎を眺めていた。


炎は大気を食らい、次第には『それ』も食っていった。しかし、それは叫び声をあげなかった。


「お前は食われる...!!本物の化け物どもに!!」


【経験値12を獲得ましました。】

【スキル〖竜神:Lv2〗により、更に経験値12を獲得ました。】


【魔王スキル〖緊那羅:Lv1〗を獲得しました。】


その通知を最後に、私の意識は失われてしまった。


--------------------------------------


「で、麗奈。今日はどうしたの?」


春の風が優しく肌に触れる公園の中、私と友人の美咲は二人、樹の色を残したベンチに腰かけていた。


「いや、ちょっと仕事でね...」


私は軽くため息つく。美咲は優しく、そんな私の背を撫でてくれたが、そんな優しさは更に私に虚脱感を与えてきた。


「麗奈は頑張り屋だからね。元気出して!ご飯食べいこ!!」


美咲は立ち上がり、私に手を伸ばしてくれた。


未だに寒さを感じさせる春風の中、公園で談笑していたのには理由がある。


それは美咲が公園を好いているからだ。彼女の故郷は自然が多いところだったとか...


「うん。」


私は少しだけ笑顔を見せ、彼女と公園を後にした。



***



「ねぇ。麗奈はさぁ。」


「ん?」


とある信号機の手前にて。赤く光る信号の中、美咲は徐にその小さな口を開いた。


「最近のラノベとか読んだりしてる?」


ラノベ。それはいわゆるヴィジュアルノベルと言うやつの事だろうか?


「まぁ偶に読んでるけど。」


私はラノベだけでなく、ネット小説なども読み漁るかなりのガチ勢だ。でも、美咲は今までラノベに興味を示した事がなかった。


「異世界転生ものも?」


「まぁ読んでるけど...」


いきなりどうしたのだろうか?異世界転生ものに興味がわいたのだろうか?それにしても突然すぎる。


「じゃぁ興味ある?」


「何に?」


そんな彼女の問いに戸惑いを隠せないでいる私を更に追い詰める様に、彼女はほのかな笑顔を見せながら私にこう...言った。


「異世界転生。」


--------------------------------------


「レーナさん!!!しかっりしてください!!!レーナさん!!!」


意識を取り戻し、一番最初に私の注意を奪ったのは、ヒューリの呼び声だった。


「ヒューリさん...?」


私は徐に瞼を開き、ヒューリの方へと目を向けた。


「レーナさん!!」


「グルルァァァァ!!」


意識を取り戻した私を見たヒューリは、勢い良く私に飛びかかり、抱きついてきた。私はそんなヒューリの背をゆっくりと撫で、腕を回してやった。

ただ、少しだけ、引っかかる事があった。何か夢を見ていた気がする。何か重要な。忘れてはいけない。大切な人の言葉。思い出せない。


「レーナさんがいなかったら..!!私!!!」


ヒューリは大粒の涙を垂らし、私にしがみつく。


どうやらまた、心配をかけてしまったようだ。一日に何度も、同じ少女を泣かせてしまったようだ。


私は彼女をより一層強く抱きしめ、ロスにも目線を向けた。


「グルゥゥゥゥ...」


ロスの低い鳴き声を合図に、私は自分の記憶の整理を始めた。

はっきりと覚えている事は...正直ない。最後の記憶...と言うやつは多分、グレゴリーが現れた時。そして、薄っすらと覚えているのが、逃げ惑う男と、その男が何かを言っていたと言う事実。恐らくだけど、その男はグレゴリーだ。そして、多分、彼はもういない。


私は確認の為、自分に〖ステータス閲覧〗を使う事にした。状態異常が治っているか確かめると言う理由もあるが、私の記憶が正しければ、何らかの新しいスキルを手に入れているはずだ。グレゴリーを倒したから手に入れた物なのかは分からないが、とにかく、その確認がメインだ。


--------------------------------------

名前:『レーナ・ヴォン・アルフォード』


 種族:ドラゴノイド

 状態:通常

 年齢:6

ランク:B+++

  LV:64/90


  HP:667/667

  MP:701/701

攻撃力:523

防御力:467

魔法力:562

 速度:545


 装備:〖アルフォード家のワンピース:価値C-〗


魔王スキル:

〖竜神:Lv2〗〖緊那羅:Lv1〗


通常スキル:

〖カタルシス語:Lv5〗〖宝岩樹:Lv3〗〖氷結界:Lv3〗〖流氷塊:Lv3〗〖鋼鉄塊:Lv3〗〖死滅霧:Lv3〗〖治癒光:Lv3〗〖常世闇:Lv3〗〖獄炎柱:Lv3〗〖火炎牢獄:Lv3〗〖轟風砲:Lv3〗〖濁流線:Lv3〗〖奔流:Lv3〗〖マナスラッシュ:Lv5〗


耐性スキル:

〖衰弱耐性:Lv2〗〖貴族耐性:Lv1〗〖水属性耐性:Lv7〗〖恐怖耐性:Lv6〗〖物理耐性:Lv7〗〖苦痛耐性:Lv7〗〖落下耐性:Lv6〗〖雷属性耐性:Lv7〗〖風属性耐性:Lv7〗〖炎無効:Lv--〗〖闇無効:Lv--〗


特性スキル:

〖鑑定:Lv7〗〖念話:Lv7〗〖飛行:Lv6〗〖土兵創生:Lv2〗〖氷刃乱舞:Lv2〗〖断罪之光:Lv2〗〖湧水源:Lv6〗〖炎熱空間:Lv6〗〖天候支配:Lv6〗〖完全炎支配:Lv--〗〖焔漿龍の鱗:Lv--〗〖龍化:Lv--〗〖天竜の咆哮:Lv--〗


称号スキル:

〖神の卵:Lv--〗〖剣聖の娘:Lv--〗〖吞気なお嬢様:Lv2〗〖竜王の加護:Lv--〗〖稲光:Lv6〗〖デルラジアの主:Lv--〗

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色々と突っ込みたい所があるけど...


とりあえず、私の〖竜人化〗どこ行った...

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