竜人化
私も力になる...か。
彼女は恐らく強い。ステータス確認はしていないが、何というか..風格?オーラ?みたいなので分かる。でもそれはヒューム種、モンスターでない人にしてはだ。
今回は何が起こったのかも分からないし、『あの男』と言うやつの力量を把握しきれていない。
連れて行くつもりはないが、一応ヒューリのステータスチェックもしておこう。知っておいて損する事はないだろう。
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名前:『ヒューリ』
種族:ネル・ヒューム
状態:通常
年齢:8
LV:42/99
HP:101/101
MP:68/68
攻撃力:112
防御力:98
魔法力:73
速度:135
装備:〖古いワンピース:価値F〗
通常スキル:
〖ウォーターボール:Lv6〗〖ファイアーボール:Lv5〗〖クリーン:Lv5〗〖ハイスピード:Lv6〗〖電熱:Lv6〗〖双鉄槍:Lv6〗〖クロススラッシュ:Lv6〗〖カタルシス語:Lv6〗
耐性スキル:
〖水属性耐性:Lv4〗〖恐怖耐性:Lv4〗〖物理耐性:Lv5〗〖苦痛耐性:Lv5〗〖火属性耐性:Lv4〗〖雷属性耐性:Lv4〗〖風属性耐性:Lv4〗
特性スキル:
〖疾風迅雷:Lv4〗
称号スキル:
〖獣王の娘:Lv--〗
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なるほど、モンスターで言ったらCランク下位の低レベルくらいか。これなら今のロスよりは強いだろうけど...やはり連れていく気にはなれない。私やロスは万が一の時に飛んで逃げる事ができる。でも、彼女は...
「それは出来ません。あの咆哮からは途轍もない物を感じるんです。」
私は何も知らない。あの咆哮の根源も、あの男の正体も。でもこれだけは分かる。危険だという事は。
「あの火山には...あの男の人以外にも...私の友人達もいるんです!連れてってください!みんなに何か起こる前に!私が...」
彼女のブルブルと震え、痙攣しているとさえ思える唇から漏れた言葉は、私の予想を大きく上回る物だった。あの火山にヒューリの友達がいる..恐らくはヒューリと同年代の獣人達が火山にいる..
「それはどういう意味ですか?」
私は混乱していた。理解不能だったのだ、彼女の言っている事が。本で読んだが、デルラジア大火山は生物が長く生息できる場所ではない。それこそ特殊な鱗を持ち合わせた生命体でなければ1時間も持たずに活動停止してしまうだろう。
「あの男の仕業です..私なら白狼族の嗅覚があります。龍神様の怒りを買ったあの男の居場所も、友達の居場所も直ぐに突き止める事ができます!!」
確かに白狼族の嗅覚は魅力的だ。あの男とやらとすれ違いになる事もなくなるだろう。でも...
「なら条件があります...あの男とやらの追跡は私ひとりでやりますので、友人の救出が済んだらヒューリさんも一緒に逃げてください。」
「わかりました...後、お話しなければならない事があります。デルラジア大火山の真実、そしてデルラジアの名の由来を。」
僅かに残っていた太陽が沈み、月の光が辺り照らし始めた時、私とヒューリはロスの背に乗り、デルラジア大火山へ向かっていた。
「今朝会った時にも見ましたけど、本当に竜種を従えているんですね!」
「それより、デルラジア大火山の真実って...」
ヒューリは目を輝かせていたが、私はゆっくりと振り返り、真剣な眼差しで彼女に答えた。
「まだ話していませんでしたね、デルラジア山の事。あそこは大火山ではなく、祠なのです。」
「祠?」
デルラジア山は祠?実際には見たことないが、確か本には噴火した事もあると書いてあった気がする。それが山ですらない祠だって?
「はい。あそこは龍神様を祀った小さなやしろなのです。」
族長さんも言っていた『龍神様』...私の事ではないと思うのだけど...
「ここ、デルラジア大森林の主であり、 猛炎の支配者。世界創造の時から存在すると言われている龍種が一頭、そして我々獣人を長きにわたり守って下さっていた存在。」
世界創造の時から存在する龍種...
本で読んだことがある。この龍は、アスシリスやアンタナみたいな竜ではない。恐らくは史上最強の生命体、龍だ。
「そんな龍種が何故デルラジア山なんかに?」
「龍神様が創造なされたのですよ、自分の住処とする、デルラジア山を。」
なるほど、つまりデルラジア山はその『龍神様』が自分の為に造った祠だって事か。
「後、あの男って...」
「そろそろですよ、デルラジア山...」
私があの男について詳しく聞こうとすると、ヒューリは身を乗り出し、デルラジア山の方へ指をさした。
「ロス!そろそろ降りて。」
私はそんな彼女に答える様に、ロスに降りるように伝えた。
地面に足をつけると、私は地震が収まっている事に気付いた。でも安心は出来ない。もしあの男とやらが『龍神様』に何かしでかしたのなら、第二波が来る可能性も全然ある。
「グルルゥゥゥゥゥゥ」
早速デルラジア山へ徒歩で向かおうとしていると、前方から見覚えのある大きな虎が姿を現した。迅雷虎だ。しかも一匹だけではない、少なくとも4匹はいる。私は直ぐにヒューリに声をかけ、少しの間下がっているように頼んだが...
「言ったはずです。力になると!」
そう彼女にキッパリと言われ、私は抗議する意欲を失ってしまった。
「それと、気をつけてください。ここら辺のモンスターは里周辺の物とはレベルが違います。」
レベルが違うとは、文字通りの意味なのだろうか?それとも別の..
そんな私の思考を読み取る様に、森の奥からもう一匹の虎が姿を現した。その虎は他の4匹とは毛皮の色も風格も何もかもが違う。
私は少し怖くなり、意識を集中させ、〖ステータス閲覧〗を発動させた。
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種族:黒迅雷虎
状態:通常
ランク:C
LV:57/60
HP:298/298
MP:214/214
攻撃力:205
防御力:189
魔法力:142
速度:201
通常スキル:
〖ハイスラッシュ:Lv5〗〖かぎ爪:Lv6〗〖突撃:Lv6〗〖嚙みつく:Lv5〗〖ハイスピード:Lv6〗〖雷矢:Lv6〗〖雷視:Lv6〗〖雷槍:Lv6〗〖雷撃:Lv6〗〖雷牙:Lv6〗
耐性スキル:
〖物理耐性:Lv6〗〖苦痛耐性:Lv6〗〖落下耐性:Lv5〗〖水属性耐性:Lv5〗〖火属性耐性:Lv6〗〖毒耐性:Lv7〗〖雷属性耐性:Lv7〗
特性スキル:
称号スキル:
〖デルラジア大森林の魔物:Lv--〗〖最終進化:Lv--〗
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これは中々...多分スカル・リッチより強いだろうな。でも丁度いい、新スキルの実験台になって貰おうではないか。
ヒューリの前だけど仕方ない。私は一番気になっていた〖竜人化〗と、ロスの上に乗っていた時に調べておいた〖稲光〗を使ってみる事にした。どちらもステータスにバフをかけるタイプのやつだ。
「先ずは...〖竜人化〗!!」
私の大声と共に、自分の体が一気に変貌していくのが分かった。腕に、頭に、背に、体中に途轍もない違和感を覚えた。しかし、不思議とその違和感は嫌ではなかった。快感さえ感じた。
しかし、そんな時間も一瞬で終わってしまった。もっとあの快楽を感じていたかったが、この状況でそんな事は言っていたれない。
「レーナ...さん...?」
「ヒューリさん。私の変わった所教えてくれる?」
竜人化を終えたと実感した私は直ぐにヒューリに確認を取った。自分の容姿を調べておきたかったのだ。人前でこのスキルを使うつもりはないが、もし、通常の私の容姿とかけ離れた物なら、町でも使えるかもしれない。こんなスキル使う状況なんて町で滅多にないと思うが...
「レーナさんから角と、尻尾と、翼が生えています...」
なるほど、つまり私と認識できるレベルに人間的な部分が残っていると言う事か。
私は何とも言えない気持ちになり、小さくため息をついた。しかし、私も戦場で本気で落ち込む程の馬鹿ではない。私は直ぐに次の行動に移る事にした。
「続いて〖稲光〗!!」
〖稲光〗は攻撃力と速度力に強大なバフを与えてくれるスキルだ。〖竜人化〗と同じで具体的な数値は教えてくれなかったが、それは今確認する事にしよう。
「レーナさん!光ってます!雷纏ってます!!」
ヒューリの言葉に一瞬固まってしまったが、私はもう考えない事にした。お母様の一件が終わったら、こんな力使わなくなるのだから。
「取り敢えず、〖断罪之光〗!!」
私はブーストをかけた状態で一番強そうな特性スキルを使う事にした。他で言うと炎系スキルがかなり強そうではあったが、森の中なので使うわけにはいかないだろう。
するとその瞬間、大空から大量の光が一気に目の前の黒迅雷虎を含んだ迅雷虎達を包み込み、私は自分のスキルで目くらましを食らってしまった。
【経験値77を獲得ましました。】
【スキル〖竜神:Lv1〗により、更に経験値77を獲得ました。】
【経験値74を獲得ましました。】
【スキル〖竜神:Lv1〗により、更に経験値74を獲得ました。】
【経験値79を獲得ましました。】
【スキル〖竜神:Lv1〗により、更に経験値79を獲得ました。】
【経験値72を獲得ましました。】
【スキル〖竜神:Lv1〗により、更に経験値72を獲得ました。】
【経験値111を獲得ましました。】
【スキル〖竜神:Lv1〗により、更に経験値111を獲得ました。】
自分で情けないと思いながら、光が収まった事を確認すると、迅雷虎達の姿がきれいさっぱり消えていた。その光景を直視した私の思考は完全に停止してしまったが、私は急ぎ、自分のステータス確認を行った。
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名前:『レーナ・ヴォン・アルフォード』
種族:ドラゴノイド
状態:通常
年齢:6
ランク:B
LV:37/90
HP:354/354
MP:412/504
攻撃力:407(+120%)
防御力:215(+10)
魔法力:469(+150%)
速度:378(+150%)(+120%)
装備:〖アルフォード家のワンピース:価値C-〗
魔王スキル:
〖竜神:Lv1〗
通常スキル:
〖カタルシス語:Lv5〗〖宝岩樹:Lv3〗〖氷結界:Lv3〗〖流氷塊:Lv3〗〖鋼鉄塊:Lv3〗〖死滅霧:Lv3〗〖治癒光:Lv3〗〖常世闇:Lv3〗〖獄炎柱:Lv3〗〖火炎牢獄:Lv3〗〖轟風砲:Lv3〗〖濁流線:Lv3〗〖奔流:Lv3〗〖マナスラッシュ:Lv5〗
耐性スキル:
〖衰弱耐性:Lv2〗〖貴族耐性:Lv1〗〖水属性耐性:Lv7〗〖恐怖耐性:Lv6〗〖物理耐性:Lv7〗〖苦痛耐性:Lv7〗〖落下耐性:Lv6〗〖火属性耐性:Lv7〗〖雷属性耐性:Lv7〗〖風属性耐性:Lv7〗〖闇属性耐性:Lv7〗
特性スキル:
〖鑑定:Lv7〗〖念話:Lv7〗〖飛行:Lv6〗〖土兵創生:Lv2〗〖氷刃乱舞:Lv2〗〖断罪之光:Lv2〗〖竜人化:Lv2〗〖湧水源:Lv6〗〖炎熱空間:Lv6〗〖天候支配:Lv6〗
称号スキル:
〖神の卵:Lv--〗〖剣聖の娘:Lv--〗〖吞気なお嬢様:Lv2〗〖竜王の加護:Lv--〗〖稲光:Lv6〗
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これはばかげている。いくら規格外の化け物であるBランクモンスターになったからと言って、中レベル体でしかない私がここまでのステータスを持っているはずがない。それにこの化け物バフ。完全に狂っている。




